減価償却マジック-減価償却費の活用方法

”減価償却費”

事業を始めた方、これから事業を始められる経営者の皆さんは”減価償却費”という名前を聞いたことがあると思います。減価償却費とは一体何なのか、また、どのように活用していくべきかをご紹介します。

減価償却費とは?

業務用の機械や自動車、或いはパソコンや机など、基本的に何年も使えるようなモノのことを固定資産と呼びます。

交通費などの経費(費用)であれば、通常は支払ったタイミングで経費となりますが、固定資産は買ったタイミングでは経費となりません。何年も使うモノのため、一度で経費にすることができず、固定資産を使用し、経年劣化したと認められた部分を毎年経費にしていくことになります。

この固定資産の経年劣化部分の経費化のことを減価償却費と呼びます。

減価償却費の特徴

現金支出を伴わない経費

法人税等は、法人(会社)が儲けた所得(利益)に対してかかる税金です。従って、法人税等の支払いを抑えたい場合は経費を支払い、利益を削ることで法人税等の支払いを抑えることができます。しかし、税金の支払いを抑えるために無駄な経費を支払うことは得策とは言えません。

一方で、減価償却費は先ほど説明したように、固定資産の経年劣化部分の経費化、つまり、現金(キャッシュ)の支払いを伴わない経費です。従って減価償却費で利益を削った部分だけ、お金を使わずに法人税等相当額の現金の支払いを防ぐことができます。実際には固定資産を購入したタイミングで現金支出は起きていますが、購入後は現金支出を伴わずに経費計上ができるため、減価償却費は早く計上していくと良いでしょう。

また、中古の固定資産の場合は経年劣化が早い(中古のため、既に劣化している)という考えがあることから、減価償却費を早期にたくさん計上できるという特徴があり、中古の不動産(建物など、投資用の物件)を好む投資家は多いです。例えば1億円の固定資産を購入し、仮に1年で減価償却ができた場合には1億円×法人税等約30%で3,000万円の法人税等相当額の支払いを抑えることができ、その3,000万円を元手に次の投資が可能になるからです。1億円を支払ったら追加で3,000万円使える、まるでマジックのようです。

定額法と定率法、2つの方法

減価償却費の計算方法として、定額法と定率法という2つの会計の方法があります(他にも種類はありますが、一般的にはこの2つです)。

定額法・・・固定資産の経年劣化が、固定資産の法定耐用年数(使える年数)に応じて均等に生じるものとして計算する方法

定率法・・・固定資産の経年劣化が、固定資産を買ってからすぐに生じるものとして計算する方法

例えば100万円の固定資産の耐用年数が10年の場合、定額法であれば毎年10万円ずつ経年劣化が生じるものとして計算を行います。一方、定率法であれば初年度20万円、2年目16万円・・・と、定額法より早く経費化を行うことができます。減価償却費は現金支出を伴わない経費ですので、法人税等の支払いのみを考えるのであれば定率法を使える場合は定率法で計算し、早期に経費化をしていくと良いでしょう。

10万円未満の少額減価償却資産は即経費に

上記で説明した通り、固定資産は何年も使えるモノであることから、基本的に買ったタイミングで全額経費にすることはできません。しかしながら例外があります。

1単位当たりの購入額が10万円未満の場合などは、購入し、事業供用したタイミングで即経費にすることが可能です(少額減価償却資産)。これは、少額な固定資産についてまで毎年の経費化を要求すると非常に手間がかかってしまうため、10万円未満などの少額な固定資産については即時に経費化を認めるという取り扱いです。10万円未満の固定資産を買った場合は、少額減価償却資産として即経費にした方が良いでしょう。

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注意事項
※1 本記事は2019年6月現在の法令等に基づき記載しております。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しております。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については弊社では一切の責任を負いかねます。

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投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

ブラッシュメーカー会計事務所は、東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

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