不動産投資はやめとけ!リスクが高いワンルーム投資:税理士が解説
投資と言えば「不動産投資」が思いつくぐらい、何十年も前からある投資ですね。
わたしも以前、ワンルーム投資を検討したことがあります。検討し、結果として投資には至りませんでしたが、やはり周りから、不動産投資はやめとけと言われました。
今回は、この「不動産投資はやめとけ」と言われる理由について解説していきます。
この記事では、投資家の税理士 坂根が次の疑問について解説します。
- 不動産投資はやめとけ!リスクが高いと言われる理由
- 不動産投資の確定申告で節税?
- 不動産投資以外の資産運用
すべて無料で情報公開していますので、不動産投資で失敗しないために、ぜひ最後までご覧ください。
不動産投資はやめとけ!リスクが高い理由
「不動産投資はリスクが高い」とよく聞くことでしょう。
まずは、不動産投資はやめとけと言われる理由をいくつかご紹介します。
初心者サラリーマンの高額ワンルーム投資
不動産投資は、初心者のサラリーマンが高額なワンルーム投資を勧められるケースが多いです。
都内のワンルームマンションは、だいたい1部屋3,000万円、4,000万円と言ったところでしょうか。
何も知識もないサラリーマンがいきなり1部屋3,000万円といった、決して安くはない金額をポンと出してしまう。よくある話ですが、運用がうまくいかず、大きな借金を抱える可能性があります。
基本は借金前提、サラリーマンでも手を出せる
不動産投資は基本的に借金が前提です。
そして、大企業に勤めているサラリーマンであれば、4,000万円ぐらいであってもフルローンで買えてしまうでしょう。
気軽に大きな借金ができてしまうため、大企業のサラリーマンはよく狙われています。気を付けましょう。
日本の物件は値下がりする可能性が高い
日本の物件は新築であることに価値があります。そのため、1人でも入居したその日に、中古物件として価値が大きく下落します。これは、湿気や地震大国であることも影響していると思いますが、築年数が古ければ古いほど、その価値は減少していきます。築年数50年の物件は、マンションが数多くある今の日本においては、すすんで買いたいと思う人はほとんどいないでしょう。
また、日本は少子高齢化社会のため、今後人口がどんどん減少していくことが予測されます。そのため、長期的に見ればマンションの部屋は余り(空室が生じ)、不動産の物件価値が落ちていく可能性が高いです。
都心のマンションは値下がりしない?
不動産投資のセールスマンは「都心のマンションは値段が上がる」といったセールストークを行うケースが多いです。
確かに、日本の人口が減少するとは言え、東京都の人口はそこまで減らないかもしれません。東京に人が集まり、都心のマンションは値下がりしないかもしれません。
しかし、やはり長期的に見れば日本の人口はどんどん減少していく可能性がありますし、どんどん新築物件を建てている現状から考えれば、都心のマンションでも値下がりしないと言う保証はどこにもありません。
社宅だから解約されない?
「今お勧めしているこの物件は、社宅が多く契約されている。だから解約されにくい。」とセールスマンから言われるケースがあります。
しかし、社宅だからといって、そこに住んでいる人が結婚や退職といった事情から10年20年住み続けるとは限りません。社宅になっている理由も人それぞれです。
また、社宅とは言っても、1人だけの会社の社長が、法人として契約しているだけのケースも多くあります。そのような場合には、ただ個人でマンションを借りているのと同じなため、いつ解約されてもおかしくありません。
一括借り上げで家賃保証があるから安心?
「一括借り上げで家賃保証が付いているから損しない」というセールストークがあります。
空室の場合でも家賃を支払ってくれる仕組みですね。
しかし、家賃保証は数年間で切れるケースや、家賃の値下げ要求に応じなければ更新しないといった規約が盛り込まれています。
そのため、安定した家賃が数十年ずっと入ってくると思っていても、家賃の減少によって借金の返済に追われるケースも少なくありません。
セールスマンは売りたいだけ
「セールスマンは売りたいだけ」。これは絶対に覚えておきましょう。
基本的には、買ったあとのアフターフォローなんかしてくれません。
彼らは、あの手この手でマンションを売ろうとします。
これは、売らなければその営業マンの利益にならないからです。顧客のことは何も考えていないケースがほとんどでしょう。
世の中には、保険ばかり売っているFP、不動産を売りたいだけの不動産屋、こういう人たちがタッグを組んで「お金の無料セミナー」という名の販促セミナーを開き、どうしようもない商品を素晴らしく見せたうえで販売しているという現実があります。
また、知り合い伝手で紹介してもらったセールスマンであっても、その紹介者にキックバック(仲介手数料)が支払われているケースがあります。グルだったというわけですね。
信用していいのは自分だけです。
不動産投資の利回りは低い
業者から提示される不動産投資の利回りは、都内3%ぐらい、郊外7%ぐらいといったところでしょうか。
この利回りは、借り入れの利息が盛り込まれていないことが多いかと思います。
だいたい2%、3%の利息がとられます。そのため、現金で買わずにフルローンで買ったのであれば、手元に残るお金はほとんどありません。
業者のシミュレーションは疑え!管理コストは高い
業者が出してくる不動産投資のシミュレーションは信用してはいけません。
不動産を買えば、管理するコストがかかります。
空室が出れば住人募集のコストがかかり、住人を維持するために清掃コストもかかります。あるいは、確定申告を税理士に依頼した際の税理士報酬もかかります。
これらを考慮した場合、おそらく利益は± 0、人によってはマイナスになるでしょう。
不動産が売れて儲かるのは、お金を貸した銀行と、不動産を売ったその会社です。
フルローンで不動産を買うということは、その人は、そこに介在するだけの付加価値を生み出していません。
そのため、銀行と不動産会社がグルになり、不動産を買った人は、借り入れの利息を返済すれば利益がゼロになっていることも少なくありません。
つまり、本来であれば得られる利益は、借入の利息で大半が消え、残りで儲けが出るようになっているのであれば、不動産会社は販売価額を上乗せし、その利益さえもかすめ取っているかもしれません。
海外不動産なら利回りが高い?
最近は海外の不動産投資も流行っています。
確かに、ハワイ等の海外不動産なら利回りが高く、利益を出せるケースがあります。しかし、それはきちんと業者を見極めている場合に限ります。
日本の上場企業でアメリカの不動産を販売しているところがありますが、やはり悪質な業者が多いです。
海外の物件を日本で販売するのであれば、翻訳コストなど、本来より多くのコストがかかっています。
フルローンで管理も任せ、海外の業者とのコンタクトもすべて任せる。そんなコストをかけたら利益を出せるわけがありません。
その物件を買うことに対し、何の付加価値をつけているのか、ここがやはりポイントになるでしょう。
不動産投資の確定申告で節税?
「不動産投資の確定申告で節税をしよう」と言うトークを行うセールスマンが多くいます。
しかし、これは大きな罠ですので気をつけてください
プライベートの飲み会代を経費に?
「不動産を持つことで、経費を入れるための箱ができる」、「プライベートの飲み会代を経費にして節税しよう」。そう説明するセールスマンもいます。
しかし、不動産投資で経費にして良いのは「不動産投資に必要な経費」のみです。
当然ですが、不動産投資に関係ない友人との飲み会代、デートでの食事代金、こういったものを経費に入れる事はできません。
これ、やってることは脱税と同じです。絶対にやってはいけません。
赤字で節税?
「不動産投資の減価償却」や「赤字で節税」、こういった説明をするセールスもいます。
不動産投資においては、不動産の賃料から、かかった経費を差し引いた金額(儲け)に対して所得税がかかります。
そのため、減価償却費はもちろん不動産投資における経費になりますが、これは単純に投資して支払ったお金が経費になっているだけです。
また、「赤字で節税」、これは完全にアウトです。
赤字と言う事は、お金を使って損していると言うことです。
確かに所得税の支払いを考えれば、赤字で税金の支払いが少ないのは良いかもしれません。
しかし、何のために不動産投資をしているのでしょうか。当然、「儲けるため」ですよね。
そのため、赤字で節税というのは、すなわち不動産投資に失敗しているということです。この場合に、セールスマンは「プライベートの飲み会代を経費にして赤字にすればいいじゃないか」と言うかもしれません。
それは脱税と同じです、やってはいけません。不動産投資をして赤字というのは、「何のために不動産投資をしているの?」と税務署の目から見ても明らかにおかしいです。
不動産投資以外の資産運用
上記の理由から、一から購入し、業者にすべて任せるタイプの不動産投資はあまりおすすめできません。
もちろん、自分で良い物件を見極めてリノベーションし、大きな利益を出すといった方もいます。しかし、何の知識もない方が、いきなりワンルームマンションなどを購入するのは非常にリスクが高いと考えています。
最後に、わたしは7年間投資家として色々な投資を経験し、また、月間10万人が訪れる税理士による相続メディア「あんしん相続税」を運営しており、相続税申告に伴い多くの富裕層の方々にお会いしてきました。
そこで見てきた不動産投資以外の資産運用についていくつかご紹介します。
太陽光発電
太陽光発電投資は、「固定価格買取制度」によって、発電した電気を東京電力などの電力会社が買い取ってくれる制度を利用した資産運用方法です。わたしも2基保有しています。
収入自体は比較的安定するため、うまくいけば一種の債券のように機能します。詳細は「太陽光発電は儲かる? 信販会社(アプラス、ジャックス)など税理士が解説」で解説しています。
株式投資
株式投資はミドルリスクミドルリターンの資産運用方法です。初心者であればインデックス投信が良いでしょう。
証券口座の開設方法などについては「株の始め方、やり方を初心者向けに資産運用に強い税理士が解説」で、株の売買手順については「株の買い方、売り方を初心者向けに資産運用に強い税理士が解説」で解説しています。
また、興味があれば「株の配当金生活は可能?いくら必要?高配当株の利回りは?税理士が解説」も、あわせてご覧ください。
投資信託
銀行や証券会社がすすめる投資信託は大損する可能性があるのでやめておいた方が良いでしょう。
「投資信託で大損!?おすすめしない理由を資産運用に強い税理士が解説」も読んでおいて損はありません。
定期預金
定期預金はローリスクローリターン、もしくはミドルリスクローリターンの商品だと思っています。インフレしたときに弱いからです。
いまは超低金利時代のため、定期預金にするぐらいなら、私だったら普通預金にしておきます。定期預金とは?メリットや仕組みを資産運用に強い税理士が解説もぜひ参考にご覧ください。
仮想通貨(暗号資産)
ビットコインなどの仮想通貨は、株や不動産と違って実態がありません。取引できる値段がついている(何に価値が付いているか)明確な理由が無いように見受けられます。
そのため、仮想通貨は投機的(ギャンブル)な側面が強いと言えるでしょう。ビットコイン入門!儲かる?取引の始め方や確定申告が必要なケースを税理士が解説でどのように取引を行うかなど解説しているため、興味があればご覧ください。
債券投資
社債などへの債券投資は、大きく稼ぐことはむずかしいですが、比較的手堅く収入を得ることができます。
個人的には投資初心者におすすめの投資先です。【手堅い債券投資】外国債券や国内債券、利回りについて税理士が解説もあわせてご覧ください。
投資方法に正解は無い
どの投資方法が正解か、それはだれにもわかりません。
しかし、不動産業者のセールストークに騙される人が多くいるのも現実です。投資を行う際は、必ず自分の頭で考えてから行いましょう。
現在、期間限定無料プレゼント「10日で分かる 相続対策の基礎講座」を配信しています。ぜひこの機会に、こちらをクリックして手に入れてください。
投稿者プロフィール

- 【プロフィール】
一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事
税理士
【寄稿実績など】
Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE
会計人コースWeb、事業承継・M&AならBatonz(バトンズ) 専門家コラム、名古屋大原学園 大原簿記情報医療専門学校
【メディア出演実績】
01CHANNEL(株式会社ウェイビー運営)
税理士2.0 AKIRAチャンネル(レッドスターコンサルティング株式会社運営)
TAKA World Peace(株式会社グローバルマーケット運営)
【著書】
相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (2021年発売予定)
【メディア運営】
税理士による相続メディア:あんしん相続税 などを運営(合計:月間10万PV)
【経歴等】
士業など専門家1,500人以上の団体の理事に就任している。業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人の出身であり、売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験も多数あり、創業から上場まで対応が可能である。また、Twitterでは1万人のフォロワーを有しており、経営者や士業が年間数百名参加する交流会を開催する等、強い影響力を持っている。
【事務所情報】
ブラッシュメーカー会計事務所:東京・神田にオフィスを構える税理士事務所です。
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