粉飾決算とは何か

粉飾決算という言葉、一度は耳にしたことがあるでしょう。

東芝など、度々ニュースで話題になる粉飾決算(ふんしょくけっさん)。悪いことだろう、やってはいけないことだろう、というのは皆さんご理解の通りです。

今回は、粉飾決算とはどのようなことか、粉飾決算を行うとどのような罰則があるか等についてご紹介します。

粉飾決算とは

粉飾とは、文字通り”飾る”ことを言います。それでは、粉飾決算においては何を飾るのでしょうか。

答えは、決算書における利益です。

粉飾決算では、会社の利益の状況、損益計算書(PL)などの数値を良く見せる(飾る)ことを行います。外部の株主や金融機関に決算書を見せる際、儲かっていることを示さなければ株主総会で批判を受け、また、金融機関からの融資を受けにくくなってしまいます。従って、儲かっているように見せる(粉飾決算を行う)会社が中には存在します。

例えば、金融機関は貸したお金がきちんと返ってくるかどうかを重視します。従って、売上の水増しや架空の売り上げ、経費をごまかして利益が大きく見えるように粉飾をされた場合、見せかけでは返済能力があるように見えるでしょう。しかし、実際は大して儲かっておらず、貸したお金が返ってこないような場合、金融機関は多大な損害を被ります。

これは一例ですが、粉飾決算は外部の関係者に迷惑をかけるうえ、当然、経営者自身も刑事上の責任等を負うことになるのでやってはいけない行為です。

決算書の作成目的は大きく3つ

前回の記事のおさらいです。

損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)等、会社の経営成績や財政状態を示した資料を決算書と言い、これら決算書は、大きく以下の3点を目的に作成が行われます。

1.株主への報告や融資を受けるためなど、外部の利害関係者に会社の経営状態を報告する目的
2.経営改善に役立てるなど、内部資料として活用する目的
3.法人税等の確定申告に使用する目的

粉飾決算は、上記の1番を重視して行われます。すなわち、粉飾決算という行為は、株主や金融機関など、外部関係者からの評価を上げるために行われる行為です。

粉飾決算に関与した取締役の責任

粉飾決算に関与した取締役は、重大な責任を負わなければなりません。

粉飾決算を行った結果、会社に財産上の損害を与えた場合は特別背任罪として刑事上の責任を追及される恐れがあります。また、粉飾決算によって違法配当が行われた場合、配当を受けた株主は原則として配当分を返還しなければなりません。なお、違法配当を行った取締役は、刑事上の責任や損害賠償責任を負うことがあります。

粉飾決算の手口

粉飾決算の手口は色々あります。

存在しない売上を計上する架空売上(かくううりあげ)を筆頭に、棚卸の在庫を調整することで原価を少なく見せる方法(=利益が増える)、かつては費用を資産に振り替える方法等も横行していたようです。

税務上はどうなのか

税法と会計は別物です。

従って、会計上架空の売り上げを計上しても、税務上は申告書上で調整を行い、架空売り上げが無かったものとすることが本来行われるべき取り扱いです(申告調整についてはこちらの記事をご覧ください)。

ただし、もちろん申告調整を行えば一発で粉飾決算がバレてしまいますので、現実的には申告調整は行わず、架空の売り上げが計上されたまま確定申告を行うことになるでしょう。

なお、税務上は粉飾決算が行われていても、税務署は特に文句を言わないと考えられます。法人税は利益にかかる税金のため、粉飾決算で利益を大きく見せ、より多くの税金を支払ってくれるのであれば税務署は黙ってそれを受け取るからです。

もちろん、まともな税理士が関与していれば粉飾決算は止めるでしょう。粉飾決算は外部関係者の信用を損ねるだけでなく、そもそも犯罪行為であり、また、多額の税金を支払う愚かな行為です。

まとめ

このままでは金融機関からお金を借りられない、という状況であっても、粉飾決算は犯罪行為です。また、見せかけの利益を増やしても根本の原因が解決していない(実際に利益を稼げていない)うえに、無駄に税金を支払うことになってしまいます。

まずは資金繰り改善のためにできることを進めていき、自社の財務状況を根本から改善していくか、最終手段として廃業を検討することも一つの手でしょう。

なお、ブラッシュメーカー会計事務所では、毎月若しくは四半期に一度のご面談時に、月次決算書による財務分析を行い、財務面から利益改善のサポートを行っています。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

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投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

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