外貨建て保険は危険?メリットやリスクを資産運用に強い税理士が解説

「外貨建て保険って、すごい良さそう」。

個人的にはおすすめしません、一旦考えましょう。

この記事では、外貨建て保険について投資家かつ税理士の坂根が次の疑問について解説します。

  • 外貨建て保険とは
  • 外貨建て保険のメリット
  • 外貨建て保険のリスク
  • 外貨建て保険に苦情殺到
  • 外貨建て保険は資産運用には向いてない

すべて無料で情報公開していますので、外貨建て保険で失敗しないために、ぜひ最後までご覧ください。

外貨建て保険とは

外貨建て保険とは、外貨(米ドルや豪ドルといった、日本円以外の通貨)の保険です。もちろん、外貨といっても日本の保険会社でごく一般的に取り扱われています。

支払時に日本円を外貨に換算し、満期時や解約時、保険事故の発生時に、外貨建ての保険金額等を、日本円に換算した金額で支払われることが多いです。

外貨建て保険と日本の円建ての保険の違いは、外貨建てで保険金額等が計算されるか、日本円建てで保険金額等が計算されるかです。

 

外貨建て保険のメリット

外貨建て保険のメリットは大きく次の二つと言えるでしょう。

  • 外貨建てで見た場合の保険金額などが高い
  • 円安になった時に利益が出る

 

外貨建てで見た場合の保険金額などが高い

外貨建て保険の保険料は、米国債などで運用されていることが多いです。

日本国債の金利は2020年現在0.005%、一方、米国債の金利もかなり下がってはいるものの、10年物で1%程、30年物で1.7%ほどあります。

そのため、円建てで運用するよりは米ドル建てで運用されていた方が、 米ドル建ててみた場合には、保険金額等が高く計算されます。

 

円安になった時に利益が出る

外貨で運用されているということは、円安になった時、利益が発生します。

1ドル100円の時に保険をかけ、同額の保険金額等が降りた際に1ドル120円の円安になっていた場合、差し引き1ドルあたり20円の利益が出ることになります。

 

外貨建て保険のリスク

外貨建て保険のリスクを5つご紹介します。

  • 円高になると損する
  • 元本割れリスクがある
  • 保険会社の倒産リスク
  • 長期間、低金利などでお金が拘束される
  • 手数料が高い

 

円高になると損する

外貨で運用されているということは、円高になった時、損することになります。

1ドル100円の時に保険をかけ、 同額の保険金額等が下りた際に1ドル80円の円高になっていた場合、差し引き1ドルあたり20円の損失が発生することになります。

 

元本割れリスクがある

外貨建て保険は、保険料を支払った際に1万米ドル、満期が到来した時に1万米ドルで返ってくるといったようなものもあります。

しかし、支払時1万米ドル、 満期時に1万米ドルだとしても、そこには上述したような為替リスクがあります。そのために日本円ベースで見た場合には、元本割れする可能性があります。

また、中には、数十年間解約してはいけない特約が付いている保険(解約した場合に返戻金が一切無い「無解約返戻金」など)も多くありますし、数十年間保険をかけないと元本割れするものも多いです。

 

保険会社の倒産リスク

保険会社が倒産した場合、その保険料は、生命保険契約者保護機構がある程度保証してくれます。ただし、一般的に保険金額が減少することになります(詳しくは生命保険会社の保険契約者保護制度Q&Aをご覧ください)。

わたしは以前40年ものの保険(満期時に3倍になって返ってくる)をかけたことがありますが、リスクが高いなと思い、2か月で解約してしまいました。

山一証券や北海道拓殖銀行といった大手金融機関がかつて破綻しています。つい最近ではJALなどの超大手企業が破綻しています。

銀行や保険会社も広告はバンバン出していますし身近な会社ですが、イコール儲かっているわけではありません。

これらの会社がいつ破綻したとしてもおかしくないため、何十年もの長期の保険契約を、私はおすすめしません。

 

長期間、低金利でお金が拘束される

外貨建て保険の運用先は米国債などです。保険料を支払ったとしても、その保険料の内、保険会社の儲けになる部分が当然ながら必要です。

そのため、保険料を支払ったとして、運用に回るお金はその一部です。米国債は日本の証券会社から簡単に買うことができますし、その他、米国の ETF などで運用する方が、利回りとしては通常高くなります。

【手堅い債券投資】外国債券や国内債券、利回りについて税理士が解説米国ETFは初心者向け、おすすめ銘柄など資産運用に強い税理士が解説も興味があればご覧ください。

 

手数料が高い

外貨建て保険は、運用されている際の手数料が高いケースが多いです。外貨建て保険は、次に説明するような苦情が昔からあります。

そのため、金融庁が手数料の開示を求めたという経緯があります(そのため、昔よりはきちんとしているものもあります)。

単純に資産運用の観点で言うのであれば、手数料をかけずに自身で運用に回した方が良いでしょう(【資産運用】1000万なら何がおすすめ?8種類比較:税理士が解説もぜひ、ご覧ください)。

 

外貨建て保険に苦情殺到

昔からよくある話ですが、いまだに、国民生活センターに次のような苦情が届いています(2018年度の相談件数だけで538件)。

【事例1】元本保証を約束され豪ドル建ての保険を契約したが、元本保証ではなかった
【事例2】定期預金をしたつもりが、外貨建て変額個人年金保険に加入していた
【事例3】将来必要な施設入居資金と伝えていたのに、外貨建て生命保険の契約だった
【事例4】高齢の父宛てに外貨建て生命保険証券が届いたが、父は加入した覚えがないと言う
【事例5】高齢独居の叔母が約 20 件の外貨建て個人年金保険などを次々に契約をしていた
【事例6】両親が外貨建て生命保険を勧誘されクーリング・オフしたが円高で損が出た

出典:独立行政法人 国民生活センター「外貨建て生命保険の相談が増加しています!」 令和2年2月20日 から抜粋

URL:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200220_2.pdf

要するに、先ほど紹介したリスクが一切説明されなかったり、あるいは理解していないまま契約をし、失敗しているということです。

外貨建て保険を資産運用商品、高利回り商品と考えて契約すると痛い目にあうでしょう。

 

外貨建て保険は資産運用には向いてない

確かに、外貨建て保険が円建ての保険よりも有利なケースはあります。

しかしながら、実態としては 「自称お金のプロ」であるFP(ファイナンシャルプランナー)が、手数料の高い保険を販売したいと考え、無料セミナーや無料相談を行い、ダメな外貨建て保険を販売しているという実態があります。彼らは保険を販売するのが仕事になってしまっているからですね。

わたし個人としては、相続税の節税などの場合には外貨建て保険を勧めるケースはあります(相続税の節税における保険の活用については生命保険による相続税の節税(相続税法12条の非課税枠)を税理士が解説をご覧ください)。

もちろん、保険には上述したようなリスクもあるため、保険をすすめる際は、きちんとした保険の担当者をご紹介しています。

純粋な資産運用を行いたいのであれば、個人的には米国ETF債券投資で良いかと思います。

 

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投稿者プロフィール

税理士 坂根崇真
税理士 坂根崇真
【プロフィール】
一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事
税理士

【寄稿実績など】
Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE
会計人コースWeb、事業承継・M&AならBatonz(バトンズ) 専門家コラム、名古屋大原学園 大原簿記情報医療専門学校

【メディア出演実績】
01CHANNEL(株式会社ウェイビー運営)
税理士2.0 AKIRAチャンネル(レッドスターコンサルティング株式会社運営)
TAKA World Peace(株式会社グローバルマーケット運営)

【著書】
相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (2021年発売予定)

【メディア運営】
税理士による相続メディア:あんしん相続税 などを運営(合計:月間10万PV)

【経歴等】
士業など専門家1,500人以上の団体の理事に就任している。業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人の出身であり、売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験も多数あり、創業から上場まで対応が可能である。また、Twitterでは1万人のフォロワーを有しており、経営者や士業が年間数百名参加する交流会を開催する等、強い影響力を持っている。

【事務所情報】
ブラッシュメーカー会計事務所:東京・神田にオフィスを構える税理士事務所です。

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