遺言書は破られる可能性がある

相続が起きた際、トラブルが起こるのはよくある話です。

また、うちは財産が少ないから大丈夫と思っている家庭ほど揉めやすいと言われています。

それは何故でしょうか。

財産が多い家庭では、ある程度みんなが納得して遺産配分を行うことができます。一方で、財産が少ない場合、人間には欲があるため少ない財産を取り合うことにつながるからです。今回は、揉めないための遺言についてお話しします。

争いを避けるためには遺言書の作成が有効

人が亡くなった場合、故人の財産は相続人で分け合うことになりますが、財産をどのように分けるかは、故人の遺志である遺言書の内容が優先されます。

ご承知の通り、人は、生きているうちは自分の財産をどう使おうと勝手です。散財をしても、コツコツ節約を行っても構いません。これは、亡くなったあとの財産についても基本的に同じことが言えます。人は、遺言によって死後の財産を自由に処分することができるという考え方があるからです。

つまり、故人の財産は相続人の物でなく、故人の物である、という考えです。

ただし、遺言書が無い場合は相続人で話し合い(遺産分割協議と呼びます)、財産をどのようにわけるか皆で決める必要があります。遺言書が無い場合は家族仲が壊れ、財産の取り合いで泥沼の争いになることもあります。

従って、元気なうちに遺言書を作成されることをお勧めします。

遺言書には作成ルールがある

遺言書の作成にあたっては様々なルールが定められています。証人の立ち合いや書き方など、法律できちんとルールが決まっており、これに従わなければ無効となってしまいます。

なお、一言で遺言書といってもいくつか種類があり、代表的なものは以下の2つです。

1.自筆証書遺言
遺言書を自筆し、自身で保管を行う方法

2.公正証書遺言
遺言書を法律の専門家に作成してもらい、原本は公証役場に保管してもらう方法

このうち、自筆証書遺言については要件が非常に厳しく設定されています。民法第968条1項に要件が定められていますので、確認を行っていきましょう。

(民法第968条1項)
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

これだけ見ると簡単に見えますね。しかしこれ、とても要件が厳しいです。

例えば遺言書に日付が無かったり、9月26日、9月吉日などと書いてある場合は要件を満たしません。2019年9月26日など正確に年月日を記載しなければならず、また、自筆した内容について訂正を行うときのルールも厳しく設定されています。加えて、エンディングノートやビデオレターについても、遺産をどうわけるか伝えることはできますが、上記の要件を満たしていないため法的には無効です。

エンディングノートや遺言書を作成しても、法的に無効であれば相続人の話し合いが必要となるため注意が必要です。

遺言書を破り捨てられる可能性がある

故人と仲が良くない相続人がおり、もしその方が遺言書の第一発見者となった場合、どのような行動をとることが予測されるでしょうか。

自分には財産がもらえないような遺言が書かれているのではないだろうか、それなら、遺言書を捨ててしまえば兄弟間で遺産をどうわけるかの話し合いに持ち込める。そう考える方もいるでしょう。

もちろん、破り捨てたことが判明した場合は罰則が与えられます。具体的には、相続する権利を失うこととなります。ただし、その方にお子さんがいればお子さんに相続する権利が移ることとなり、また、そもそも破り捨てたということを証明することが現実的には難しいでしょう。

つまり、遺言書を破棄されたとしても誰も気が付かない可能性が高いと考えられます。円満な相続を迎えるためには、遺言書の紛失リスクを排除する必要があります。

公正証書遺言をお勧めします

ご自身で作成する自筆証書遺言は、法律に則って作成を行わなければ無効となり、また、家族仲が良くない場合は上記で説明したような紛失リスクが存在します。

2020年7月10日から、法務局で自筆証書遺言を預かってくれる制度が始まります。ただし、やはり法律の要件を満たさなければ無効となることを考えれば、法律の専門家が作成し、かつ、公証人役場が保管してくれる公正証書遺言が望ましいでしょう。

我々ブラッシュメーカー会計事務所は、相続税の負担を踏まえた公正証書遺言の作成サポートを行っております。詳しくは、こちらからお問い合わせください。

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注意事項
※1 本記事は2019年9月現在の法令等に基づき記載しています。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しています。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については、弊社では一切の責任を負いかねます。

 

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投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

ブラッシュメーカー会計事務所は、東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

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