太陽光発電事業における利益の考え方

太陽光発電事業は表面利回りが10%程度であり、空室リスクがある不動産投資と比べて利益を得やすい投資と言われていますが、実態はどうなのでしょうか。

太陽光発電事業における実際の利益や、賃借案件,売買案件の比較、不動産投資と比べたデメリット等をご紹介します。

太陽光発電事業

太陽光発電事業とは

太陽光発電事業とは、太陽光発電設備と土地を購入し、固定価格買取制度(FIT)による売電収入を得る事業(投資)です。

太陽光発電事業は表面利回りが10%程度と言われており、一見すると高利回りであるように見えます。また、20年間18円や21円等の固定価格で電気を買い取ってもらえることから、安定的な収益を生み出せると言われています。ただし、注意点も多いので以下で確認していきましょう。

太陽光発電事業において発生する経費

太陽光発電事業において発生する経費として、太陽光発電設備の購入費用、土地の購入代金の他、以下のような費用が挙げられます。業者が作成するシミュレーションにおいて考慮されていない場合がありますので、ご自身でもシミュレーションの作成を行い、利益が出るのか否か確認を行いましょう。

・メンテナンス費用,保険料・・・約20万円

・パワコン交換費用・・・15年に一度、約150万円

・借入利息・・・融資額×約 年2.2%

・税金の支払い・・・法人であれば利益×20%強の法人税等,年間7万円程度の維持費用(法人住民税)など

2,000万円の設備を購入し、表面利回りが10%であれば年間200万円の売電収入が得られます。ただし、上記のような経費を考慮すると実質的な利益はより小さくなるので注意が必要です。

太陽光発電事業には賃借案件,売買案件の2種類がある

太陽光発電事業においては、賃借案件と売買案件の大きく2種類があります。どちらも一長一短ですが、どのような違いがあるのか確認していきましょう。

賃借案件

太陽光発電設備を設置する際、土地を購入せず、借地権等の設定を行う(土地を借りる)ものを賃借案件と呼ぶことがあります。賃借案件の特徴としては、20年間の固定価格買取制度終了後、敷金を基に設備撤去などを業者が行ってくれること等が挙げられます。20年経過後に太陽光発電事業をやめる予定であれば、設備撤去費用の負担がいらないというのは大きなメリットになるでしょう。

売買案件

土地を購入し、その土地のうえに太陽光発電設備を設置するものを売買案件と呼ぶことがあります。売買案件は、20年経過後も売電事業を継続できることがメリットです。現在も積水ハウス等が11円や8円で電気を買い取っていることから、固定価格買取制度終了後も一定程度の利益を上げることができるでしょう。ただし、売電単価が下がる一方でメンテナンス費用等の人件費は下がらないと考えられることから、固定価格買取制度終了後の利益率は大きく下落することが見込まれます。

また、20年経過後に売電事業をやめたい場合、設備撤去費用が設備取得額の5%(2,000万円の物件であれば100万円)程かかると言われています。更に,太陽光発電設備を設置する土地は田舎や山奥であることから、土地の価値は0円と考えておかないと実際の利回り計算を誤る恐れがあるため注意が必要です。太陽光発電事業における土地の代金は100万円~300万円ぐらいであることが多いですが、20年経過後に100万円の価値があるかと言われれば、恐らく無い(0円に近い)であろうと推測されます。

賃貸マンションとの比較

空室リスクが無いのが太陽光発電事業の特徴ですが、上記のように、20年経過後の資産価値がほぼ0であること等を考えると、20年経過後も一定程度の価値がある都内マンションの方が優れているという見方もできます。

いずれにせよ、投資や事業を始める際は綿密に検討を行う必要があるでしょう。

関連記事です。

太陽光発電事業における収入,費用についての考察

太陽光発電事業を行う前に知っておきたい収入、費用についての基礎知識をご紹介します。

太陽光融資 – 信販会社の活用

実質利回りを考えた場合,キャッシュを使うことはあまりお勧めできません。ただし、フルローン投資を行えることが太陽光発電事業のメリットです。フルローン投資をできる属性を持っている場合であれば、一定程度の魅力はあると言えるでしょう。

固定資産税を3年間免除する裏技(先端設備等導入計画)

太陽光発電設備の購入においても、固定資産税を3年間免除できる場合があります。これから太陽光発電事業を行う予定がある方はお問い合わせください。

注意事項
※1 本記事は2019年7月現在の法令等に基づき記載しております。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しております。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については弊社では一切の責任を負いかねます。

ブラッシュメーカー会計事務所をフォローする

投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

ブラッシュメーカー会計事務所は、東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

シンプルでカスタマイズしやすいWordPressテーマ

※この表示はExUnitの Call To Action 機能を使って固定ページに一括で表示しています。投稿タイプ毎や各投稿毎に独自の内容を表示したり、非表示にする事も可能です。

ビジネス向けWordPressテーマ「Johnny」はシンプルでカスタマイズしやすいテーマです。ぜひ一度お試しください。