会社に経理部を作るメリット

税理士が直接関わるお客さんは、中小企業の場合は社長が多いです。しかし、会社規模が大きくなると、社長とはお会いせず、経理部の方とお会いする機会が増えてきます。

なぜ規模が大きくなると、会社は経理部を作るのでしょうか。経理部を作るメリットの一部をご紹介します。

財務状況を即時に把握できる(決算の早期化)

法人税の確定申告で使用する決算書は、1年に1度作成すれば問題ありません。

しかし、黒字か赤字かわからないまま1年間経営を続けるわけにはいきません。会社規模が小さい、例えば従業員が自分1人の会社であれば経営状況が手に取るようにわかる方もいるかもしれません。

ただし、通常の事業を行う会社であれば、営業の方、事務の方と様々な人間が複雑に絡み合います。そうすると、今会社にいくらお金があるのか、いくら儲かっているのかの把握が難しくなってしまいます。

だからこそ、毎月決算を行い、会社の財務状況の把握を行う必要があります。

税理士がついている場合に経理部を作る必要があるか

スピーディな対応を受けにくい

税理士に帳簿付けを依頼すれば経理部はいらないのでは?という考えもあるでしょう。

しかし、税理士は会社のサポート役といえど、あくまでも外部の人間です。税理士も、1人当たり何十社とお客さんを抱えているため、いつでもすぐに対応できるわけではありません。また、契約に基づき業務を行うため、スピーディな対応を確約することは難しいでしょう。特に格安タイプの税理士事務所は利益率が低いため、通常の税理士事務所では対応しきれない程のお客さんを抱える必要があり、返答がかなり遅くなる場合があるため注意が必要です。

経理部を持っている会社には、月末締めで翌日に決算書を作成し、2日後にはその決算情報を基に経営会議を行うケースもあります。経営判断を早く行うためには、経理部を持つことが大切です。

社内の管理体制の強化

会社規模が大きくなると、例えば社内の経費精算手続き等を早めに対応しないといけません。従業員が身内だけであればまだ良いですが、人員増強を行った際、経費精算を行わない等の状況であれば従業員は離れていってしまうでしょう。

経費精算はあくまでも会社内部の手続きです。会社規模が小さいうちは社長が1人で管理できるかもしれませんが、社内に専門の担当者を設け、管理できる社内体制を構築していくことが望ましいです。

社内ノウハウの蓄積

会社の帳簿付けや申告書の作成は、税理士事務所に依頼することによって対応可能です。

一方で、税理士事務所に全て丸投げした場合は社内にノウハウが蓄積されないというデメリットがあります。自社で経理担当者や総務担当者を用意し、税理士事務所の協力を受けつつノウハウを蓄積することができれば、自社で対応可能な領域か、それとも外注した方がいい領域なのか見極めができるようになり、コストの削減につながることもあります。

例えば、従業員1人だけの会社であれば帳簿付けから申告書の作成まで全て税理士事務所に依頼されることが一般的です。しかし、上場企業やその子会社レベルになると、帳簿付けはもちろん自社内で完結させており、申告書もある程度の水準で自社内で作成することが可能です。ただし、やはり間違いや不安がある場合が多く、税理士のレビュー(作成した確定申告書の検証)を依頼されるということが一般的に行われています。

税務調査対策

税理士はあくまでも第三者の立場です。企業の詳細な内部事情を知らない税理士の立場からは、どうしても把握しきれない部分があり、把握できない部分について税務調査で指摘を受ける(否認される)ということはあります。

例えば、棚卸の実態がどうなっているか、税務調査では見られることが多い項目ですが、その把握を税理士は行いません(現場を見に行っていてはコストがかかりすぎ、そもそも税務の範疇でないため業務範囲外)。

しかし、経理部などを設け、社内の管理体制が構築されれば事前に芽を摘み、税務調査対策を行うことができます。

社長の時間がとられない

社長の時間がとられない。これもメリットの一つでしょう。中小企業であれば、税理士とのやり取りは社長が行うことが一般的です。

しかし、社長の仕事で一番重要なことは税金に関して細かく考えることではありません。経営に集中するために、税理士との窓口として経理担当を設けるという考えも大切です。

規模が小さいうちは全て税理士に依頼する場合が多い

経理部を抱えるコストが払えない

上記のように経理部を抱えるメリットがあるとはいえ、経理部を抱えるにはそれなりにコストがかかります。元税理士事務所勤務のスタッフを雇うことができれば良いですが、そうでなければ数年かけて経験を積んでいく必要があり、教育コストがかかります。また、育てた人員が転職してしまった場合にはかなりの痛手となるでしょう。

税理士による月次決算

ブラッシュメーカー会計事務所では、経理部がいない中小企業においても、経営判断の材料として決算書を活用していただきたいと考えています。従って、ブラッシュメーカー会計事務所では月次決算書による財務コンサルティング業務を提供しています。

月次決算書とは、毎月いくら利益が出ているのか等を表した資料であり、一般的な会計事務所では以下のような資料を提供しています。

サンプル

しかし、このように単なる数字が羅列された資料をもらっても、何が何だかわからないのではないでしょうか。従って、ブラッシュメーカー会計事務所では、グラフ化した資料を基に毎月若しくは四半期(3か月に1回)ごとにご面談の機会をいただいています。

グラフ化等を行うことで、毎月の売上の伸び具合や、今月いくら利益が出ているのか、前年度比でどのぐらい利益が伸びているのかを可視化できるようにし、経営判断のサポートを行っています。

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起業家必見!顧問税理士の選び方ガイド(前編)

月次決算書を提供している会計事務所,税理士事務所はそれなりに存在します。ただし、ここまで作りこまれた月次決算書を提供している事務所は残念ながら数が少ないのが現状です。税理士事務所は価格によってもサービス範囲が大きく異なるため、自己のニーズに合った税理士を探されることをお勧めします。

毎月面倒な源泉所得税の納付

源泉所得税の支払いは原則として毎月行う必要がありますが、経理部を持たないと源泉所得税の管理が難しくなります。どこかのタイミングで専門の担当者を設けた方が良いでしょう。

注意事項
※1 本記事は2019年7月現在の法令等に基づき記載しております。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しております。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については弊社では一切の責任を負いかねます。

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投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

ブラッシュメーカー会計事務所は、東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

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