【税制改正速報】令和3年度税制改正大綱 法人課税

令和3年度税制改正大綱 具体的内容 法人課税についてまとめました。

ポイント

  1. (大法人など)事業適応計画の認定を受けた場合に限り、繰越欠損金の控除上限50%の制限がかからなくなる
  2. 株式対価M&Aを促進するための譲渡益の繰延措置の創設
  3. 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度は、適用期限の到来をもって廃止

なお、令和3年度税制改正大綱の基本的考え方については、【税制改正速報】令和3年度税制改正大綱の記事をご覧ください。

1 産業競争力の強化に係る措置

(国 税)

(1)デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設

産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の事業適応計画(仮称)について同法の認定を受けたものが、同法の改正法の施行の日から令和5年3月31日までの間に、その事業適応計画に従って実施される産業競争力強化法の事業適応(仮称)の用に供するためにソフトウエアの新設若しくは増設をし、又はその事業適応を実施するために必要なソフトウエアの利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)の支出をした場合には、次の措置を講ずる(所得税についても同様とする。)。

① 取得等をして国内にある事業の用に供した事業適応設備の取得価額の30%の特別償却とその取得価額の3%(グループ外の事業者とデータ連携をする場合には、5%)の税額控除との選択適用ができることとする。

② 上記の繰延資産の額の30%の特別償却とその繰延資産の額の3%(グループ外の事業者とデータ連携をする場合には、5%)の税額控除との選択適用ができることとする。ただし、税額控除における控除税額は、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除制度による控除税額との合計で当期の法人税額の20%を上限とする。

(注1)上記の「事業適応設備」とは、事業適応計画に従って実施される事業適応(生産性の向上又は需要の開拓に特に資するものとして主務大臣の確認を受けたものに限る。)の用に供するために新設又は増設をするソフトウエア並びにそのソフトウエア又はその事業適応を実施するために必要なソフトウエアとともに事業適応の用に供する機械装置及び器具備品をいい、
開発研究用資産を除く。
(注2)上記の「グループ」とは、会社法上の親子会社関係にある会社によって構成されるグループをいう。
(注3)対象資産の取得価額及び対象繰延資産の額の合計額のうち本制度の対象となる金額は300億円を限度とする。

(2)試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)について、次の見直しを行う(所得税についても同様とする。)。

① 試験研究費の総額に係る税額控除制度について、次の見直しを行う。

イ 税額控除率を次のとおり見直し、その下限を2%(現行:6%)に引き下げた上、その上限を14%(原則:10%)とする特例の適用期限を2年延長する。

(イ)増減試験研究費割合が9.4%超
10.145%+(増減試験研究費割合-9.4%)×0.35
(ロ)増減試験研究費割合が9.4%以下
10.145%-(9.4%-増減試験研究費割合)×0.175

ロ 令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度のうち基準年度比売上金額減少割合が2%以上であり、かつ、試験研究費の額が基準年度試験研究費の額を超える事業年度(研究開発を行う一定のベンチャー企業の控除税額の上限の特例の適用を受ける事業年度を除く。)の控除税額の上限に当期の法人税額の5%を上乗せする。

(注1)上記の「基準年度比売上金額減少割合」とは、当期の売上金額が令和2年2月1日前に最後に終了した事業年度の売上金額に満たない場合のその満たない部分の金額のその最後に終了した事業年度の売上金額に対する割合をいう。
(注2)上記の「基準年度試験研究費の額」とは、令和2年2月1日前に最後に終了した事業年度の試験研究費の額をいう。

ハ 試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合における税額控除率の特例及び控除税額の上限の上乗せ特例の適用期限を2年延長する。

② 中小企業技術基盤強化税制について、次の見直しを行う。

イ 令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度のうち基準年度比売上金額減少割合が2%以上であり、かつ、試験研究費の額が基準年度試験研究費の額を超える事業年度の控除税額の上限に当期の法人税額の5%を上乗せする。

ロ 増減試験研究費割合が8%を超える場合の特例を増減試験研究費割合が9.4%を超える場合に次のとおりとする特例に見直した上、その適用期限を2年延長する。
(イ)税額控除率(12%)に、増減試験研究費割合から9.4%を控除した割合に0.35を乗じて計算した割合を加算する。
(ロ)控除税額の上限に当期の法人税額の10%を上乗せする。

ハ 試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合における税額控除率の特例及び試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合(上記ロの適用がある場合を除く。)における控除税額の上限の上乗せ特例の適用期限を2年延長する。
(注)税額控除率は、17%を上限とする(現行と同じ。)。

③ 特別試験研究費の額に係る税額控除制度について、次の見直しを行う。

イ 対象となる特別試験研究費の額に、国立研究開発法人の外部化法人との共同研究及び国立研究開発法人の外部化法人への委託研究に要する費用の額を加え、その税額控除率を25%とする。
(注1)共同研究及び委託研究の範囲は、出資後10年以内に限定しないことを除き、研究開発型ベンチャー企業との共同研究及び研究開発型ベンチャー企業への委託研究と同様とする。
(注2)関係法令の改正を前提に、国立大学、大学共同利用機関及び公立大学の外部化法人との共同研究並びに国立大学、大学共同利用機関及び公立大学の外部化法人への委託研究についても同様とする。

ロ 特別試験研究費の対象となる特別研究機関等との共同研究及び特別研究機関等への委託研究について、特別研究機関等の範囲に人文系の研究機関を加える。

ハ その事業年度における特別試験研究費の額であることの共同研究の相手方の確認について、第三者が作成した報告書等によって確認することが可能であることを明確化する等の運用の改善を行う。

ニ 特別試験研究費の対象となる大学等との共同研究及び大学等への委託研究について、契約上の試験研究費の総見込額が50万円を超えるものに限定する。
(注)中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)及び農業協同組合等については現行どおりとする。

ホ 特別試験研究費の対象となる特定中小企業者等への委託研究について、次の要件を満たすものに限定する。

(イ)受託者の委託に基づき行う業務がその受託者において試験研究に該当するものであること。
(ロ)委託に係る委任契約等(契約又は協定で、委任又は準委任の契約その他これに準ずるものに該当するものをいう。)において、その委託して行う試験研究の目的とする成果をその委託に係る委任契約等に基づき委託法人が取得するものとされていること。

(3)給与等の引上げ及び設備投資を行った場合の税額控除制度の見直し

給与等の引上げ及び設備投資を行った場合の税額控除制度を見直し、青色申告書を提出する法人が、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内新規雇用者に対して給与等を支給する場合において、新規雇用者給与等支給額の新規雇用者比較給与等支給額に対する増加 割合が2%以上であるときは、控除対象新規雇用者給与等支給額の15%の税額控除ができる制度とする。

この場合において、教育訓練費の額の比較教育訓練費の額に対する増加割合が20%以上であるときは、控除対象新規雇用者給与等支給額の20%の税額控除ができることとする。ただし、控除税額は、当期の法人税額の20%を上限とする(所得税についても同様とする。)。

(注1)設立事業年度は対象外とする。

(注2)上記の「新規雇用者給与等支給額」とは、国内の事業所において新たに雇用した雇用保険法の一般被保険者(支配関係がある法人から異動した者及び海外から異動した者を除く。)に対してその雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額をいい、上記の「新規雇用者比較給与等支給額」とは、前期の新規雇用者給与等支給額をいう。

(注3)上記の「控除対象新規雇用者給与等支給額」とは、国内の事業所において新たに雇用した者(支配関係がある法人から異動した者及び海外から異動した者を除く。)に対してその雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額をいう。ただし、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額を上限とするとともに、地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の税額控除制度の適用がある場合には、所要の調整を行う。

(注4)比較教育訓練費の額は、前期の教育訓練費の額とする。

(注5)給与等の支給額から控除する「給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」について、その範囲を明確化するとともに、新規雇用者給与等支給額及び新規雇用者比較給与等支給額からは雇用調整助成金及びこれに類するものの額を控除しないこととする。

(4)繰越欠損金の控除上限の特例の創設

産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の改正法の施行の日から同日以後1年を経過する日までの間に産業競争力強化法の事業適応計画(仮称)の認定を受けたもののうちその事業適応計画に従って同法の事業適応(仮称)を実施するものの適用事業年度において特例対象欠損金額がある場合には、その特例対象欠損金額については、欠損金の繰越控除前の所得の金額(その所得の金額の50%を超える部分については、累積投資残額に達するまでの金額に限る。)の範囲内で損金算入できることとする。
(注1)事業適応は、経済社会情勢の著しい変化に対応して行うものとして一定の基準に該当するものに限る。
(注2)上記の「適用事業年度」とは、次のいずれにも該当する事業年度をいう。

① 基準事業年度(特例対象欠損金額が生じた事業年度のうちその開始のが最も早い事業年度後の事業年度で所得の金額が生じた最初の事業年度をいう。)開始の日以後5年以内に開始した事業年度であること。

② 事業適応計画の実施時期を含む事業年度であること。

③ 令和8年4月1日以前に開始する事業年度であること。

(注3)上記の「特例対象欠損金額」とは、令和2年4月1日から令和3年4月1日までの期間内の日を含む事業年度(一定の場合には、令和2年2月1日から同年3月31日までの間に終了する事業年度及びその翌事業年度)において生じた青色欠損金額をいう。
(注4)上記の「累積投資残額」とは、事業適応計画に従って行った投資の額から既に本特例により欠損金の繰越控除前の所得の金額の50%を超えて損金算入した欠損金額に相当する金額を控除した金額をいう。

(地方税)

(1)デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設

産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の事業適応計画(仮称)について同法の認定を受けたものが、同法の改正法の施行の日から令和5年3月31日までの間に、その事業適応計画に従って実施される産業競争力強化法の事業適応(仮称)の用に供するためにソフトウエアの新設若しくは増設をし、又はその事業適応を実施するために必要なソフトウエアの利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)の支出をした場合に選択適用ができることとされる法人税の特別償却を法人住民税及び法人事業税に、税額控除を中小企業者等に係る法人住民税に適用する。

(2)中小企業者等の試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)について、次の見直しを行う。

① 中小企業技術基盤強化税制について、次の見直しを行う。

イ 令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度のうち基準年度比売上金額減少割合が2%以上であり、かつ、試験研究費の額が基準年度試験研究費の額を超える事業年度の控除税額の上限に当期の法人税額の5%を上乗せする。

ロ 増減試験研究費割合が8%を超える場合の特例を増減試験研究費割合が9.4%を超える場合に次のとおりとする特例に見直した上、その適用期限を2年延長する。
(イ)税額控除率(12%)に、増減試験研究費割合から9.4%を控除した割合に0.35を乗じて計算した割合を加算する。
(ロ)控除税額の上限に当期の法人税額の10%を上乗せする。

ハ 試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合における税額控除率の特例及び試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合(上記ロの適用がある場合を除く。)における控除税額の上限の上乗せ特例の適用期限を2年延長する。
(注)税額控除率は、17%を上限とする(現行と同じ。)。

② 特別試験研究費の額に係る税額控除制度について、次の見直しを行う。

イ 対象となる特別試験研究費の額に、国立研究開発法人の外部化法人との共同研究及び国立研究開発法人の外部化法人への委託研究に要する費用の額を加え、その税額控除率を25%とする。

ロ 特別試験研究費の対象となる特別研究機関等との共同研究及び特別研究機関等への委託研究について、特別研究機関等の範囲に人文系の研究機関を加える。

ハ その事業年度における特別試験研究費の額であることの共同研究の相手方の確認について、第三者が作成した報告書等によって確認することが可能であることを明確化する等の運用の改善を行う。

ニ 特別試験研究費の対象となる特定中小企業者等への委託研究について、次の要件を満たすものに限定する。
(イ)受託者の委託に基づき行う業務がその受託者において試験研究に該当するものであること。
(ロ)委託に係る委任契約等(契約又は協定で、委任又は準委任の契約その他これに準ずるものに該当するものをいう。)において、その委託して行う試験研究の目的とする成果をその委託に係る委任契約等に基づき委託法人が取得するものとされていること。

(3)給与等の引上げ及び設備投資を行った場合の税額控除制度等の見直し

① 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合の付加価値割の課税標準からの控除制度を見直し、法人が、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内新規雇用者に対して給与等を支給する場合において、新規雇用者給与等支給額の新規雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が2%以上であるときは、控除対象新規雇用者給与等支給額を付加価値割の課税標準から控除できることとする。

② 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合の中小企業者等の税額控除制度を見直し、法人が、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内新規雇用者に対して給与等を支給する場合において、一定の要件を満たすときに適用できることとされる法人税の税額控除を、中小企業者等に係る法人住民税に適用する。

③ その他所要の措置を講ずる。

(4)繰越欠損金の控除上限の特例の創設

法人住民税及び法人事業税について、繰越欠損金の控除上限の特例の創設に関する国税の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。

2 株式対価M&Aを促進するための措置の創設(国税)

法人が、会社法の株式交付により、その有する株式を譲渡し、株式交付親会社の株式等の交付を受けた場合には、その譲渡した株式の譲渡損益の計上を繰り延べることとする(所得税についても同様とする。)。

(注1)対価として交付を受けた資産の価額のうち株式交付親会社の株式の価額が80%以上である場合に限ることとし、株式交付親会社の株式以外の資産の交付を受けた場合には株式交付親会社の株式に対応する部分の譲渡損益の計上を繰り延べる。

(注2)株式交付親会社の確定申告書の添付書類に株式交付計画書及び株式交付に係る明細書を加える(株式交換及び株式移転についても同様とする。)とともに、その明細書に株式交付により交付した資産の数又は価額の算定の根拠を明らかにする事項を記載した書類を添付することとする。

(注3)外国法人の本措置の適用については、その外国法人の恒久的施設において管理する株式に対応して株式交付親会社の株式の交付を受けた部分に限る。

3 国際金融都市に向けた税制上の措置(国税)

金融商品取引法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で特定投資運用業者に該当するものが令和3年4月1日から令和8年3月31日までの間に開始する各事業年度(同法の改正法の施行の日以後に終了する事業年度に限る。)においてその業務執行役員に対して業績連動給与を支給する場合において、投資家の事前承認要件を満たすときは、その業績連動給与に係る役員給与の損金不算入制度の適用については、その法人が提出した金融商品取引法の事業報告書で金融庁長官によりインターネットに公表されたものは、利益に関する指標等が記載されるべき有価証券報告書とみなすとともに、その法人が、その業績連動給与に係る算定方法の内容を、報酬委員会における決定等の手続終了の日以後遅滞なく、その事業報告書に記載して提出し、かつ、同法の説明書類に記載して公衆の縦覧に供し、又は公表した場合には、算定方法の内容が有価証券報告書等で開示されていることとの要件を満たすこととする。

(注1)上記の「特定投資運用業者」とは、その事業年度の収益の額の合計額のうちに占める次の業務に係る収益の額の合計額の割合が75%以上である法人(有価証券報告書提出会社及びその完全子法人を除く。)をいう。
① 金融商品取引業者等の投資運用業
② 特例業務届出者の適格機関投資家等特例業務
③ 海外投資家等特例業務届出者(仮称)の海外投資家等特例業務(仮称)
④ 届出をして移行期間特例業務(仮称)を行う者の移行期間特例業務

(注2)業績連動給与は、その運用財産の運用として行った取引により生ずる利益に関する指標を基礎とした客観的なものに限る。

(注3)上記の「投資家の事前承認要件」とは、次のいずれかの要件を満たすことをいう。
① その運用財産に係るファンド契約書等においてその業績連動給与を支給する旨及びその算定方法を記載すること。
② 本制度の適用を受けようとする事業年度開始前にその運用財産に係る投資事業有限責任組合の組合員の集会等においてその業績連動給与を支給する旨及びその算定方法についての報告が行われ、かつ、その議事録にその報告につき組合員等から異議があった旨の記載又は記録がないこと。

4 民間におけるデジタル化の促進

(国税)

(1)デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設(再掲)

産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の事業適応計画(仮称)について同法の認定を受けたものが、同法の改正法の施行の日から令和5年3月31日までの間に、その事業適応計画に従って実施される産業競争力強化法の事業適応(仮称)の用に供するためにソフトウエアの新設若しくは増設をし、又はその事業適応を実施するために必要なソフトウエアの利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)の支出をした場合には、次の措置を講ずる(所得税についても同様とする。)。

① 取得等をして国内にある事業の用に供した事業適応設備の取得価額の30%の特別償却とその取得価額の3%(グループ外の事業者とデータ連携をする場合には、5%)の税額控除との選択適用ができることとする。

② 上記の繰延資産の額の30%の特別償却とその繰延資産の額の3%(グループ外の事業者とデータ連携をする場合には、5%)の税額控除との選択適用ができることとする。
ただし、税額控除における控除税額は、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除制度による控除税額との合計で当期の法人税額の20%を上限とする。
(注1)上記の「事業適応設備」及び「グループ」は、上記1(1)(注1)及び(注2)と同様とする。
(注2)対象資産の取得価額及び対象繰延資産の額の合計額のうち本制度の対象となる金額は300億円を限度とする。

(2)研究開発税制の対象となる試験研究費について、次の見直しを行う(所得税についても同様とする。)。

① 試験研究費のうち、研究開発費として損金経理をした金額で非試験研究用資産の取得価額に含まれるものを加える。
(注1)上記の「非試験研究用資産」とは、棚卸資産、固定資産及び繰延資産で、事業供用の時に試験研究の用に供さないものをいう。
(注2)上記に伴い、売上原価並びに取得価額に研究開発費として損金経理をした金額が含まれる非試験研究用資産の償却費、譲渡損及び除却損を研究開発税制の対象となる試験研究費から除外するとともに、取得価額に研究開発費として損金経理をした金額が含まれる非試験研究用資産について研究開発税制と特別償却等に関する制度との選択適用とする。

② リバースエンジニアリング(新たな知見を得るため又は利用可能な知見の新たな応用を考案するために行う試験研究に該当しないもの)を除外する。

③ 開発中の技術をその開発をする者において試行する場合において、その技術がその者の業務改善に資するものであっても、その技術に係る試験研究が工学又は自然科学に関する試験研究に該当するときは、その試験研究に要する費用は研究開発税制の対象となること等、研究開発税制の対象となる試験研究費の範囲について明確化する。

(地方税)

(1)デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設(再掲)

産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の事業適応計画(仮称)について同法の認定を受けたものが、同法の改正法の施行の日から令和5年3月31日までの間に、その事業適応計画に従って実施される産業競争力強化法の事業適応(仮称)の用に供するためにソフトウエアの新設若しくは増設をし、又はその事業適応を実施するために必要なソフトウエアの利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)の支出をした場合に選択適用ができることとされる法人税の特別償却を法人住民税及び法人事業税に、税額控除を中小企業者等に係る法人住民税に適用する。

(2)中小企業者等の試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)の対象となる試験研究費について、次の見直しを行う。

① 試験研究費のうち、研究開発費として損金経理をした金額で非試験研究用資産の取得価額に含まれるものを加える。

② リバースエンジニアリング(新たな知見を得るため又は利用可能な知見の新たな応用を考案するために行う試験研究に該当しないもの)を除外する。

③ 開発中の技術をその開発をする者において試行する場合において、その技術がその者の業務改善に資するものであっても、その技術に係る試験研究が工学又は自然科学に関する試験研究に該当するときは、その試験研究に要する費用は研究開発税制の対象となること等、研究開発税制の対象となる試験研究費の範囲について明確化する。

5 カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設

(国税)

産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の中長期環境適応計画(仮称)について同法の認定を受けたものが、同法の改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間に、その中長期環境適応計画に記載された産業競争力強化法の中長期環境適応生産性向上設備(仮称)又は中長期環境適応需要開拓製品生産設備(仮称)の取得等をして、国内にある事業の用に供した場合には、その取得価額の50%の特別償却とその取得価額の5%(温室効果ガスの削減に著しく資するものにあっては、10%)の税額控除との選択適用ができることとする。

ただし、税額控除における控除税額は、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の税額控除制度による控除税額との合計で当期の法人税額の20%を上限とする(所得税についても同様とする。)。

(注1)上記の「中長期環境適応生産性向上設備」とは、産業競争力強化法の生産性向上設備等のうち、生産工程の効率化による温室効果ガスの削減その他の中長期環境適応(仮称)に用いられるものをいう。
(注2)上記の「中長期環境適応需要開拓製品生産設備」とは、中長期環境適応に用いられる製品であって、温室効果ガスの削減に資する事業活動に特に寄与 する製品その他の我が国事業者による新たな需要の開拓に寄与することが見込まれる製品として主務大臣が定める製品の生産に専ら使用される設備をいう。
(注3)対象資産の取得価額の合計額のうち本制度の対象となる金額は500億円を限度とする。

(地方税)

産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人で同法の中長期環境適応計画(仮称)について同法の認定を受けたものが、同法の改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間に、その中長期環境適応計画に記載された産業競争力強化法の中長期環境適応生産性向上設備(仮称)又は中長期環境適応需要開拓製品生産設備(仮称)の取得等をして、国内にある事業の用に供した場合に選択適用ができることとされる法人税の特別償却を法人住民税及び法人事業税に、税額控除を中小企業者等に係る法人住民税に適用する。

6 中小企業向け投資促進税制等

(国税)

(1)中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の適用期限を2年延長する。

(2)中小企業投資促進税制について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 対象となる指定事業に次の事業を加える。

イ 不動産業
ロ 物品賃貸業
ハ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る。)

② 対象となる法人に商店街振興組合を加える。

③ 対象資産から匿名組合契約等の目的である事業の用に供するものを除外する。

(3)特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(4)中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)について、関係法令の改正を前提に特定経営力向上設備等の対象に計画終了年度に修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)を実施するために必要不可欠な設備を加えた上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

(5)地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(地域未来投資促進税制)について、次の措置を講 じた上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 対象となる事業にサプライチェーンの強靭化に資する類型を加えるとともに、承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件のうち先進性に係る要件について、次の見直しを行う。

イ 事業の先進性の確認に当たっては、投資収益率又は労働生産性の伸び率が一定水準以上であることが見込まれることを確認することとする。

ロ サプライチェーンの強靭化に資する類型については、上記イの投資収益率又は労働生産性の伸び率の確認に代えて、海外に生産拠点が集中している一定の製品の製造をすること及びその地域経済牽引事業計画が実施される都道府県の行政区域内でのその製品の承認地域経済牽引事業者の取引額の一定水準以上の増加が見込まれることを確認することとする。

ハ 承認地域経済牽引事業の実施場所が特定非常災害により生産活動の基盤著にしい被害を受けた地区である場合に先進性に係る要件を満たすこととする特例について、その承認地域経済牽引事業に係る地域経済牽引事業計画の承認を受けた日がその特定非常災害発生日から1年(現行:5年又は3年)を経過していない場合とし、対象となる区域を特定非常災害により生産活動の基盤に著しい被害を受けた地区のうちその特定非常災害に基因して事業又は居住の用に供することができなくなった建物等の敷地等の区域とする。

② 特別償却率及び税額控除率の引上げに係る要件について、その確認に当たっては、投資収益率及び労働生産性の伸び率が一定水準以上であることが見込まれることを確認することとする。

③ 主務大臣の確認を受けた承認地域経済牽引事業計画の実施期間内には、同一の都道府県知事又は主務大臣の承認を受けた他の地域経済牽引事業計画について主務大臣の確認を受けられないこととし、承認地域経済牽引事業計画の実施期間終了後に、同一の都道府県知事又は主務大臣の承認を受けた他の地域経済牽引事業計画について主務大臣の確認を受けようとする場合には、
主務大臣は、現行の要件の確認に加えて、その確認に係る地域経済牽引事業計画前の地域経済牽引事業計画に係る投資収益率及び労働生産性の伸び率の実績を確認することとする。

(6)特定事業継続力強化設備等の特別償却制度について、次の措置を講ずる(所得税についても同様とする。)。

① 対象法人を中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月16日)から令和5年3月31日までの間に中小企業等経営強化法の事業継続力強化計画等の認定を受けた中小企業者等とし、対象資産をその認定を受けた日から1年以内に、取得等をして、事業の用に供する資産とする。

② 対象資産に次の資産を加える。
イ 架台(対象資産をかさ上げするために取得等をするものに限る。)及び無停電電源装置
ロ 感染症対策のために取得等をするサーモグラフィ
ハ 資本的支出により取得等をする資産

③ 対象資産から次の資産を除外する。
イ 火災報知器、スプリンクラー、消火設備、排煙設備及び防火シャッター
ロ 資産の取得等に充てるための補助金等の交付を受けて取得等をするもの

④ 令和5年4月1日以後に取得等をする資産の特別償却率を18%(現行:20%)に引き下げる。

(地方税)

地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は中小企業者等の税額控除制度(地域未来投資促進税制)について、次 の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する。

(1)対象となる事業にサプライチェーンの強靭化に資する類型を加えるとともに、承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件のうち先進性に係る要件について、次の見直しを行う。

① 事業の先進性の確認に当たっては、投資収益率又は労働生産性の伸び率が一定水準以上であることが見込まれることを確認することとする。

② サプライチェーンの強靭化に資する類型については、上記①の投資収益率又は労働生産性の伸び率の確認に代えて、海外に生産拠点が集中している一定の製品の製造をすること及びその地域経済牽引事業計画が実施される都道府県の行政区域内でのその製品の承認地域経済牽引事業者の取引額の一定水準以上の増加が見込まれることを確認することとする。

③ 承認地域経済牽引事業の実施場所が特定非常災害により生産活動の基盤に著しい被害を受けた地区である場合に先進性に係る要件を満たすこととする特例について、その承認地域経済牽引事業に係る地域経済牽引事業計画の承認を受けた日がその特定非常災害発生日から1年(現行:5年又は3年)を経過していない場合とし、対象となる区域を特定非常災害により生産活動の基盤に著しい被害を受けた地区のうちその特定非常災害に基因して事業又は居住の用に供することができなくなった建物等の敷地等の区域とする。

(2)特別償却率及び税額控除率の引上げに係る要件について、その確認に当たっては、投資収益率及び労働生産性の伸び率が一定水準以上であることが見込まれることを確認することとする。

(3)主務大臣の確認を受けた承認地域経済牽引事業計画の実施期間内には、同一の都道府県知事又は主務大臣の承認を受けた他の地域経済牽引事業計画について主務大臣の確認を受けられないこととし、承認地域経済牽引事業計画の実施期間終了後に、同一の都道府県知事又は主務大臣の承認を受けた他の地域経済牽引事業計画について主務大臣の確認を受けようとする場合には、主務大臣は、現行の要件の確認に加えて、その確認に係る地域経済牽引事業計画前の地域経済牽引事業計画に係る投資収益率及び労働生産性の伸び率の実績を確認することとする。

7 所得拡大促進税制の見直し

(国税)

中小企業における所得拡大促進税制について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

(1)適用要件のうち、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が1.5%以上であることとの要件を、雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が1.5%以上であることとの要件に見直す。

(2)税額控除率が25%となる要件のうち、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が2.5%以上であることとの要件を、雇者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が2.5%以上であることとの要件に見直す。
(注)給与等の支給額から控除する「給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」について、その範囲を明確化するとともに、次の見直しを行う。

① 上記(1)及び(2)の要件を判定する場合には、雇用調整助成金及びこれに類するものの額を控除しないこととする。
② 税額控除率を乗ずる基礎となる雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額は、雇用調整助成金及びこれに類するものの額を控除して計算した金額を上限とする。

(地方税)

中小企業における所得拡大促進税制について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。

(1)適用要件のうち、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が0.5%以上であることとの要件を、雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が1.5%以上であることとの要件に見直す。

(2)税額控除率が25%となる要件のうち、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が2.5%以上であることとの要件を、雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が2.5%以上であることとの要件に見直す。

8 中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設(国税)

中小企業等経営強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)のうち同法の改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間に中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)の認定を受けたものが、その認定に係る経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得(購入による取得に限る。)をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その株式等の取得価額が10億円を超える場合を除く。)において、その株式等の価格の低落による損失に備えるため、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できることとする。

この準備金は、その株式等の全部又は一部を有しなくなった場合、その株式等の帳簿価額を減額した場合等において取り崩すほか、その積み立てた事業年度終了の日の翌日から5年を経過した日を含む事業年度から5年間でその経過した準備金残高の均等額を取り崩して、益金算入する。

(注)上記の「中小企業者」とは、中小企業等経営強化法の中小企業者等であって租税特別措置法の中小企業者に該当するものをいう。

9 円滑・適正な納税のための環境整備(国税)

(1)寄附金の損金不算入制度について、次の見直しを行う。

① 特定公益増進法人等に対する寄附金の別枠の損金算入限度額について、その対象となる寄附金から出資に関する業務に充てることが明らかな寄附金を除外する。
② みなし寄附金制度について、その対象となる寄附金の額から収益事業以外の事業のために支出した金額のうち事実を隠蔽し又は仮装して経理することにより支出した金額を除外する。

(2)投資法人に係る課税の特例及び特定投資信託に係る受託法人の課税の特例における特定の資産の総資産のうちに占める割合が50%を超えていることとする要件について、ファイナンス・リース取引に係る金銭債権はそのファイナンス・リース取引の目的となっている資産として、その割合を計算する。

10 その他の租税特別措置等

(国税)

〔拡充等〕

(1)過疎地域自立促進特別措置法の期限の到来に伴い、及び過疎地域に関する新たな法律(新過疎法)の制定を前提に、所要の経過措置を講じた上、特定地域における工業用機械等の特別償却制度のうち過疎地域に係る措置について、青色申告書を提出する法人が、新過疎法の施行の日から令和6年3月31日までの間に、新過疎法の過疎地域のうち市町村が定める過疎計画(仮称)において産業振興施策促進事項(仮称)に記載されている地区の区域内において、機械装置、建物等及び構築物の取得等をした場合には、5年間普通償却限度額の32%(建物等及び構築物については、48%)の割増償却ができる措置に改組する(所得税についても同様とする。)。

(注1)対象となる事業は次の事業とし、対象となる機械装置、建物等及び構築物は次の事業の区分に応じそれぞれ次の設備を構成するこれらのものとする。なお、次の①から④までの減価償却資産の取得価額は、法人税法等の規定による圧縮記帳の適用後の金額とする。

① 製造業一の設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が500万円以上(資本金の額等が5,000万円超1億円以下である法人にあっては1,000万円以上とし、資本金の額等が1億円超である法人又は適用除外事業者に該当する法人にあっては2,000万円以上とする。)である場合のその一の設備
② 農林水産物等販売業一の設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が500万円以上である場合のその一の設備
③ 旅館業一の設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が500万円以上(資本金の額等が5,000万円超1億円以下である法人にあっては1,000万円以上とし、資本金の額等が1億円超である法人又は適用除外事業者に該当する法人にあっては2,000万円以上とする。)である場合のその一の設備
④ 情報サービス業等一の設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が500万円以上である場合のその一の設備
(注2)取得等とは、取得又は製作若しくは建設をいい、建物等にあっては、増築、改築、修繕又は模様替のための工事による取得又は建設を含む。なお、資本金の額等が5,000万円超である法人又は適用除外事業者に該当する法人にあっては、新設又は増設による取得等に限る。

(2)マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正に伴い、次の措置を講ずる。

① 火災に対する安全性が不足するマンション及び外壁の剥落等により危害を生ずるおそれのあるマンションが対象に追加されたマンション敷地売却事業を実施する者に対する土地等の譲渡について、引き続き、法人の一般の土地譲渡益に対する追加課税制度の適用除外措置(優良住宅地の造成等のための譲渡等に係る適用除外)の対象とする。
② 敷地分割事業における敷地権利変換について、換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例のうち完全支配関係がある法人の間で譲渡された譲渡損益調整資産の譲渡利益額を引き続き計上しないこととする措置の対象とする。
③ その他所要の措置を講ずる。

〔延長〕

(1)事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

(2)沖縄の情報通信産業特別地区における認定法人の所得控除制度の適用期限を1年延長する。

〔廃止・縮減等〕

(1)高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度は、所要の経過措置を講じた上、令和3年3月31日をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(2)中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制、被災代替資産等の特別償却制度及び特定事業継続力強化設備等の特別償却制度について、これらの制度のみなし大企業の判定における大規模法人の有する株式又は出資から中小企業等経営強化法の事業再編投資計画の認定に係る投資事業有限責任組合の組合財産である株式を発行した中小企業者の株式のうちその投資事業有限責任組合に係る組合員の出資をした独立行政法人中小企業基盤整備機構の有する株式を除外する措置を廃止する。

(3)沖縄の観光地形成促進地域において特定民間観光関連施設を取得した場合の法人税額の特別控除制度について、対象資産のうち特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律の特定高度情報通信技術活用システム(以下「5G情報通信システム」という。)に該当するものを同法の認定導入計画に記載されたもので認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の対象となるもの(以下「認定特定高度情報通信技術活用設備」という。)に限定した上、その適用期限を1年延長する。

(4)沖縄の情報通信産業振興地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除制度について、対象資産のうち5G情報通信システムに該当するものを認定特定高度情報通信技術活用設備に限定した上、その適用期限を1年延長する。

(5)沖縄の産業高度化・事業革新促進地域において工業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を1年延長する(特別償却制度は、所得税についても同様とする。)。

① 対象事業からこん包業、機械設計業、経営コンサルタント業、エンジニアリング業、商品検査業及び研究開発支援検査分析業を除外する。
② 対象資産のうち5G情報通信システムに該当するものを認定特定高度情報通信技術活用設備に限定する。
③ 特別償却制度における対象資産の取得価額が一定の金額以上であることとの要件における取得価額を法人税法等の規定による圧縮記帳の適用後の金額とする。

(6)沖縄の国際物流拠点産業集積地域において工業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を1年延長する(特別償却制度は、所得税についても同様とする。)。

① 対象事業からこん包業を除外する。
② 対象資産のうち5G情報通信システムに該当するものを認定特定高度情報通信技術活用設備に限定する。
③ 特別償却制度における対象資産の取得価額が一定の金額以上であることとの要件における取得価額を法人税法等の規定による圧縮記帳の適用後の金額とする。

(7)沖縄の経済金融活性化特別地区において工業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を1年延長する(特別償却制度は、所得税についても同様とする。)。

① 対象事業から自然科学研究所、法律事務所、特許事務所、公認会計士事務所及び税理士事務所に属する事業を除外する。
② 対象資産のうち5G情報通信システムに該当するものを認定特定高度情報通信技術活用設備に限定する。
③ 特別償却制度における対象資産の取得価額が一定の金額以上であることとの要件における取得価額を法人税法等の規定による圧縮記帳の適用後の金額とする。

(8)大企業につき研究開発税制その他生産性の向上に関連する税額控除の規定を適用できないこととする措置について、次の見直しを行った上、その適用期限 を3年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 本措置の対象に、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除及びデジタルトランスフォーメーション投資促進税制の税額控除を加える。
② 継続雇用者給与等支給額が継続雇用者比較給与等支給額を超えることとの要件を判定する場合に雇用調整助成金及びこれに類するものを控除しないこととする。

(9)再生可能エネルギー発電設備等の特別償却制度は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(10)船舶の特別償却制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 外航船舶について、事業の経営の合理化及び環境への負荷の低減に係る要件の見直しを行う。
② 内航船舶について、対象から匿名組合契約等の目的である船舶貸渡業の用に供される船舶を除外するとともに、事業の経営の合理化及び環境への負荷の低減に係る要件の見直しを行う。

(11)関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度について、施設規模要件を3億5,000万円以上(現行:3億円以上)に引き上げた上、その適用期限を2年延長する。

(12)共同利用施設の特別償却制度について、取得価額要件を400万円以上(現行:200万円以上)に引き上げた上、その適用期限を2年延長する。

(13)沖縄の離島の地域において旅館業用建物等を取得した場合の特別償却制度について、対象資産の取得価額が一定の金額以上であることとの要件における取得価額を法人税法等の規定による圧縮記帳の適用後の金額とした上、その適用期限を1年延長する(所得税についても同様とする。)。

(14)特定地域における工業用機械等の特別償却制度のうち次の措置について、対象資産の取得価額が一定の金額以上であることとの要件における取得価額を 法人税法等の規定による圧縮記帳の適用後の金額とした上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 半島振興対策実施地域に係る措置
② 離島振興対策実施地域に係る措置
③ 奄美群島に係る措置

(15)特定地域における工業用機械等の特別償却制度のうち振興山村に係る措置は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(16)医療用機器等の特別償却制度について、医療用機器に係る措置につき次の見直しを行った上、制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 診療所における全身用CT及び全身用MRIの配置効率化等を促すための措置を講ずる。
② 対象機器の見直しを行う。

(17)特定都市再生建築物の割増償却制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 対象となる民間都市再生事業計画の認定要件に複合用途開発であることとの要件を加える。
② 対象となる民間都市再生事業計画のうち特定都市再生緊急整備地域における民間都市再生事業計画の認定要件にオフィスの基準階面積が1,000㎡以上であることとの要件を加える。

(18)中小企業者等の貸倒引当金の特例について、割賦販売小売業並びに包括信用購入あっせん業及び個別信用購入あっせん業に係る法定繰入率を1,000分の7(現行:1,000分の13)に引き下げる。

(19)沖縄の国際物流拠点産業集積地域における認定法人の所得控除制度について、対象事業からこん包業を除外した上、その適用期限を1年延長する。

(20)沖縄の経済金融活性化特別地区における認定法人の所得控除制度について、対象事業から自然科学研究所、法律事務所、特許事務所、公認会計士事務所及び税理士事務所に属する事業を除外した上、その適用期限を1年延長する。

(21)農業経営基盤強化準備金制度及び農用地等を取得した場合の課税の特例について、次の見直しを行った上、農業経営基盤強化準備金制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 対象法人を農地中間管理事業の推進に関する法律の規定により市町村が公表した人・農地プランにおいて地域の中心となる経営体として位置付けられたものに限定する。
(注)上記の改正は、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

② 農業経営基盤強化準備金制度の損金算入限度額及び農用地等を取得した場合の課税の特例の圧縮限度額となる所得の金額について、積立て後5年を経過した農業経営基盤強化準備金の取崩しにより益金の額に算入される金額はその所得の金額を構成しないものとして計算することとする。

(22)特定の資産の買換えの場合等の課税の特例のうち過疎地域に係る措置及び危険密集市街地に係る措置は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(23)特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る所得の計算の特例は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(24)技術研究組合の所得の計算の特例について、対象資産から鉱業権を除外した上、その適用期限を3年延長する。

(地方税)

〔新設〕

(1)電気事業法の改正に伴い、電気供給業を行う法人の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、広域的運営推進機関が交付する電気工作物の災害その他の事由による被害からの復旧に関する費用の一部に充てるための交付金を追加する措置を講ずる。
(注)上記の改正は、令和3年4月1日以後に終了する事業年度から適用する。

(2)ガス事業会計規則の改正を前提に、ガス供給業を行う法人の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、特別一般ガス導管事業者によるガス小売事業又はガス製造事業の兼業が禁止されることに伴い分社化しグループ会社となったガス事業者の間の取引に係る収入金額のうち、ガスの安定供給の確保のためにやむを得ずグループ会社間で行わなければならないものとして事前に経済産業大臣の承認を受けた取引を行う場合において当該取引の料金として支払うべき金額に相当する金額を追加する課税標準の特例措置を令和4年4月1日から5年間に限り講ずる。

〔延長〕

電気供給業を行う法人の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、卸電力取引市場において売却した電気を自ら購入する場合において当該電気の料金として支払うべき金額に相当する金額を追加する課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。

〔廃止〕

高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は中小企業者等の税額控除制度は、所要の経過措置を講じた上、令和3年3月31日をもって廃止する。

11 その他

(国税)

(1)電気事業法の改正に伴い、次の措置を講ずる(次の①の措置は、所得税についても同様とする。)。

① 電気ガス供給施設利用権(無形固定資産)の範囲に、電気事業法の配電事業者に対して電気供給施設を設けるために要する費用を負担して、その電気供給施設を利用して電気の供給を受ける権利を加える。
② 工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度の対象事業に電気事業法の配電事業を加える。

(2)特定公益増進法人の範囲に、試験研究業務を行う地方独立行政法人のうち定款に出資に関する業務を行う旨の定めがあるものを加える(所得税についても同様とする。)。

(3)国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度の対象となる国庫補助金等の範囲について、次の見直しを行う(次の①の見直しは、所得税についても同様とする。)。

① 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法に基づく助成金で5G等の活用による製造業のダイナミック・ケイパビリティ強化に向けた研究開発事業等に係るものを加える。
② 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律の改正を前提に、改正後の同法に基づく独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の助成金で鉄道施設等の安全対策に対する追加的支援に係るものを、引き続き対象とする。

(4)貸倒引当金制度について、割賦販売法の改正に伴い、その適用を受けることができる法人に同法の登録少額包括信用購入あっせん業者に該当する法人を加え、その法人に係る対象となる金銭債権を同法の規定により基礎特定信用情報として指定信用情報機関に提供された支払時期未到来等の包括信用購入あっせんに係る金銭債権とする。

(5)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の改正に伴い、同法の課徴金制度における課徴金及び延滞金について、損金算入しないこととする(所得税についても同様とする。)。

(6)社会医療法人制度における認定要件のうち救急医療等確保事業に係る業務の実績が一定の基準に適合することとの要件について、関係法令の改正により夜間等救急自動車等搬送件数及びへき地診療所に対する医師の延べ派遣日数等の基準値に係る特例を追加する見直しが行われた後も、その見直し後の社会医療法人を引き続き公益法人等(法人税法別表第二)とする。

(7)農水産業協同組合貯金保険法の改正を前提に、農水産業協同組合貯金保険機構の業務範囲の見直しが行われた後も、引き続き公益法人等(法人税法別表第二)とする。

(8)地方自治法の改正を前提に、認可地縁団体の認可要件の見直しが行われた後も、引き続き公益法人等とみなす。

(地方税)

(1)電気事業法の改正に伴い、次の措置を講ずる。

① 電気供給業のうち、配電事業に係る法人事業税については、収入割額によって、特定卸供給事業に係る法人事業税については、資本金の額又は出資金の額(以下「資本金」という。)1億円超の普通法人にあっては収入割額、付加価値割額及び資本割額の合算額によって、資本金1億円以下の普通法人等にあっては収入割額及び所得割額の合算額によって、それぞれ課することとする。

② 配電事業及び特定卸供給事業に係る法人事業税の標準税率をそれぞれ次のとおりとする。

イ 配電事業
収入割 1.0%

ロ 特定卸供給事業
(イ)資本金1億円超の普通法人
収入割 0.75%
付加価値割 0.37%
資本割 0.15%

(ロ)資本金1億円以下の普通法人等
収入割0.75%
所得割1.85%

③配電事業及び特定卸供給事業に係る法人事業税の分割基準をそれぞれ次のとおりとする。

イ 配電事業
課税標準の4分の3を事務所又は事業所の所在する都道府県において発電所に接続する電線路(一定の要件を満たすものに限る。下記ハにおいて同じ。)の送電容量により、4分の1を事務所又は事業所の固定資産の価額により関係都道府県に分割する。

ロ 特定卸供給事業
課税標準の4分の3を事務所又は事業所の固定資産で発電所の用に供するものの価額により、4分の1を事務所又は事業所の固定資産の価額により関係都道府県に分割する。

ハ 発電所に接続する電線路を有しない場合の配電事業又は事務所若しくは事業所の固定資産で発電所の用に供するものを有しない場合の特定卸供給事業
上記イ及びロにかかわらず、課税標準を事務所又は事業所の固定資産の価額により関係都道府県に分割する。

④ 配電事業を行う法人として収入割額によって法人事業税を課されるものの特別法人事業税の額は、基準法人収入割額に30%の税率を乗じて得た金額とし、特定卸供給事業を行う法人として収入割額、付加価値割額及び資本割額の合算額又は収入割額及び所得割額の合算額により法人事業税を課されるものの特別法人事業税の額は、基準法人収入割額に40%の税率を乗じて得た金額とする。

⑤ その他所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、令和4年4月1日以後に終了する事業年度から適用する。

(2)国税における諸制度の取扱い等を踏まえ、その他所要の措置を講ずる。

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注意事項
※1 本記事は2020年12月に公表された、与党税制改正大綱に基づき記載しております。
※2 2020年12月現在、閣議決定されていないため、実際の改正内容と異なる場合があります。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失について、弊社では一切の責任を負いかねます。

 

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投稿者プロフィール

税理士 坂根崇真
税理士 坂根崇真
【プロフィール】
一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事
税理士

【メディア実績】
Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE
ほか

【著書】
相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (2021年3月18日発売)
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【メディア運営】
税理士による相続メディア:あんしん相続税 などを運営(合計:月間10万PV)

【経歴等】
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人の出身であり、売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験も多数あり、創業から上場まで対応可能。
また、士業など専門家1,500人以上の団体「全国第三者承継推進協会」の理事に就任し、後継者不在の会社の第三者承継を推進している。

【事務所情報】
ブラッシュメーカー会計事務所:東京・神田にオフィスを構える税理士事務所です。

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