【手堅い債券投資】外国債券や国内債券、利回りについて税理士が解説

債券投資は大きな利益を出すことはむずかしいですが、手堅く利益を得ることができます。

特に、資産額が大きければ大きいほど、安定的な不労所得を得ることができるでしょう。

この記事では、投資家の坂根税理士が次の疑問を解決します。

  • 債券投資とは?
  • 債券投資のメリット、デメリットは?
  • 債券の利回りは?
  • おすすめの債券は?債券投資の判断ポイント
  • 債券ETFとは?

すべて無料で情報公開していますので、債券投資で失敗しないために、ぜひ最後までご覧ください。

債券投資について

債券投資とは

債券投資とは、国や会社が発行する国債、社債といった債券に投資をする(買う)ことをいいます。

債券投資は、株や不動産投資と比べると大きく稼ぐことはむずかしいですが、その分、元本割れなどのリスクが低く、安全性が高いと考えられます。

債券投資は、5年や10年など一定の期間お金を動かすことができなくなります。しかし、その間、毎年利息収入を得ることができます。

そして、5年や10年が経過し、満期が到来した際には投資した元本が返ってくるため、安定的な不労所得を得やすいのが債券投資の特徴です。

 

債券とは

債券とは、簡単に言えば国や会社の借金です。

昔は券面(有価証券)が発行されていましたが、現在ではペーパーレス化が進んだため、金融機関等がデータで管理しており、ネット銀行の預金と同様に、実物の券面は無いことが一般的です。

なお、一般的に取り扱われている債券は、国が発行する「国債」もしくは上場企業が発行する社債に限られています。これは、中小企業が社債を発行するケースは多くなく、また、発行したとしても取引先や身内などの人間に限られ、市場に出回らないからです。

債券は、国や会社の視点では借金ですが、投資家の視点では、国や会社に対してお金を貸していることになります。つまり、借金と同様に、お金を貸している側には利息の収入が得られるため、投資家は債券投資を行うのです。

一般投資家は、SBI証券などの証券会社を通じて国債や社債を購入することが可能なため、一度見てみると良いでしょう。

 

国内債券への債券投資

国内の債券投資では、次の二つに大別できます。

  • 日本国債への投資
  • 日本企業が発行する社債への投資

日本国債は、日本で生活する上では一番安全な債券投資と言えるでしょう。

なぜなら、日本が潰れない限り日本国債の償還(返金)が行われると考えられるからです。万が一危なくなったときは、インフレを起こしてでも日本円を刷れば償還できてしまいます。

一方で、日本企業が発行する社債は、日本国債と比べると会社倒産などのリスクがあります。ただし、会社倒産などのリスクを考慮して、日本国債よりも金利が高いことが一般的なメリットとして挙げられます。

なお、日本国債、日本企業の社債ともに、基本的には円建てのため為替リスクを考慮する必要がないというメリットがあります。

 

外国債券(海外債券)への債券投資

外国債券も国内債券同様に、次の二つに大別できます。

  • 外国が発行する国債への投資
  • 外国企業が発行する社債への投資

外国が発行する国債とは、たとえばアメリカやカナダが発行する国債です。昔であれば外国の国債を買うことが物理的にできなかったかもしれませんが、今は、日本からであっても外国の国債を購入することができます。

そして、外国企業が発行する債券への投資も、今では日本から容易に行うことができます。

もちろん、日本にある証券会社では取り扱っている銘柄が限られています。一般的にはネット証券で取り扱っている銘柄はかなり限られており、全く取り扱っていないケースも少なくありません(SBI証券は若干取り扱っています)。

UBS証券などのプライベートバンクであれば世界各国の債券を取り扱っていますが、資産額が最低でも2億円ないと口座開設さえできないなど、厳しい条件があります。わたしはプライベートバンクに所属している友人もいますので、条件を満たしているような方であればご紹介は可能です。

 

債券投資のメリット

債券投資には次のメリットがあり、太陽光発電など、他の資産運用方法より優れている面も数多くあります。

  • 元本割れしない
  • 銀行より金利が高い
  • 利息収入は安定する
  • 売却可能

 

元本割れしない

債券投資は、EB 債などの仕組債に手を出さない限り、基本的に元本割れすることはありません。

100万円投資したのであれば、満期時に100万円がそのまま返ってきます。これが株であれば、毎日株価が変動し、元本割れすることも日常茶飯事です。そのため、債券投資は株よりも安全性が高いといえます。

 

銀行より金利が高い

債券投資は、銀行の定期預金などの利率よりも高いです。

定期預金の金利は現在、年0.003%です(詳細は定期預金とは?メリットや仕組みを投資家の税理士が解説をご覧ください)。

一方で、国債や社債は、会社倒産などのリスクが金利に織り込まれている為、そのぶん高い利息収入を得ることができます。

 

利息収入は安定する

利息は、毎年決まった時期に受け取ることができます。株であれば毎年株主総会等で配当金の支払額が決定されるため、減配(配当金が減る)リスクがあります。

しかし、国債や社債は発行時に条件が決められています。そのため、毎年安定的な収入を得ることができます(株の配当金生活は可能?いくら必要?高配当株の利回りは?税理士が解説で、高配当株への投資について解説しているため、興味があればあわせてご覧ください)。

 

売却可能

国債や社債は中途換金や売却が可能です。

売却する場合の金額は市場金利などによって左右されるため、株と同様に値動きします。

そのため、元本割れする可能性はありますが、社債の金額が値上がりし売却益を得ることができる可能性もあります。

たとえば、上記はわたしが以前すこしだけ持っていた米国ドル債券です。

8,779.78ドルで既発債(新規発行ではない、既に発行されている債券)を買い、10,484.45ドル(6,550.63+3,933.82)で売却したため、差引1,705ドル(18万円ぐらい)の売却益が出ました。

この社債は満期が2044年であり、利率が5.3%です。

そのため、そのまま持っていれば24年間で10,176ドル、つまり、100万円(8,000ドル×5.3%×24年で10,176ドル)近い利息を得られます。

「何で売却したの?もったいない」と思う人もいるかもしれません。

しかし、1,705ドルの売却益が出ると言うことは、4年分の利息を先にもらえるのと同義です(8,000ドル×5.3%×4年で1,696ドルの利息収入)。

わたしは債券以外に株式投資などにも資金を回していますので、投資効率を考え、売却してしまいました。

ちなみに、お金が必要になった時にすぐに売却できるというのは大きなメリットです。なぜなら、これがたとえば不動産投資であればすぐに売却することができず、生活に困ってしまうこともあるからです(不動産投資はやめとけ!リスクが高いワンルーム投資:税理士が解説も興味があればご覧ください)。

 

債券投資のデメリット

債券投資にも、たとえば次のデメリットがあります。

  • 債務不履行になる可能性がある
  • 売却すると元本割れする可能性がある
  • 株式投資より成績は劣後する
  • インフレに弱い

 

債務不履行になる可能性がある

社債は会社の借金です。会社が経営の危機に陥れば、借金の返済ができないこともあります。

そのため、100万円投資して0円になる可能性はあります(ただし、倒産リスク等が高い会社は、その分利回りも高くなることが一般的です)。

 

売却すると元本割れする可能性あり

社債は市場による売買が可能です。ただし、株と比べると流動性が低いです。

そのため、満期が到来する前に売却しようと思った場合、思ったほど高く売れなかったり、売却額が元本を下回る可能性もあります。

 

株式投資より成績は劣後する

同じ資金を株式投資に回した場合と債券投資に回した場合では、あくまでも一般論ですが、株式投資に回した方が高い利益を挙げられます。

これは、株は市場が成長すれば株価が値上がりしますが、債券は、満期が到来しても額面金額が返金されるだけだからといった理由があります。

 

インフレに弱い

債券は、定期預金などと同様にインフレリスクに弱いです。

インフレとは、簡単に言えば、いまの100万円が将来的に90万円や80万円の価値に目減りしていくことです。

そして、日本でもインフレ率の目標が年2%となっています(参考:日本銀行「2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」)。

物価が年に2%上昇すれば、100万円で買えるものが翌年102万円になり、104万円になり、5年後には110万円です。

そのため、円建て債券であれば、年2%以上の利息を得られるものに投資しなければ、実質的な資産はどんどん減っていくことになります。

インフレに強い資産としては株や不動産が挙げられますので、債券のみに頼らず、他の資産運用方法も組み合わせていくと良いでしょう。興味があれば、【資産運用】1000万なら何がおすすめ?8種類比較:税理士が解説の記事も参考にご覧ください。

 

債券の利回り

債券投資によって得られる利息(利回り)について、国内債券、外国債券の別に確認していきます

国内債券(日本国債、社債)

日本国債の利回り

出典:財務省「過去の金利情報(昭和49年(1974年)~)」を坂根がグラフ化
URL:https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/

上記は、日本国債(10年債)の利回りです。

平成2年には、金利が8%を上回っていました。つまり、100万円の国債を持っていれば毎年8万円がはいってくる。10年間で80万円の利息をうけとり、100万円の元本が返ってくる。そんな時代でした。

しかしながら、現在では利回りが下がり、年0.005%しかありません(財務省「個人向け国債」より)。

100万円が固定され、1年間でたったの50円。10年間で500円なので、わたしであれば購入しません。

 

社債

社債は会社が発行する債券です。社債の利回りは日本国債と比べ倒産等のリスクが高くなります。

そのため、リスク分を考慮した利回りが上乗せされています。

利回りは社債を発行する会社によって異なりますが、日本の社債はおよそ0.5%から1.5%ぐらいでしょう。

たとえば、いま購入できる上記ソフトバンクグループの円貨建債券は、参考利回りが年1.100%(税引前)です。

発行時における利率は年1.64%ですが、新規発行でないため1口あたり100円から102.28円に値上がりしています。そのため、実質の利回りは1.1%になっています。円建ての社債はだいたい0.5%から1.5%ぐらい、この枠内におさまっていますね。

 

外国債券(海外債券)

外国債券は、国内債券よりも利回りが高いケースが多いです。ただし、気をつけなければならないのが為替リスクです。

国内債券であれば、取引は基本的に日本円で行われます。したがって、100円で投資した債券の元本は満期時に100円で償還(返金)されます。

しかし、たとえば米ドル建て債券を買った場合、1ドル100円であっても償還時1ドル90円に円高が進んでいれば、差し引き1ドル当たり10円の損失が発生します。

円安になれば大きな利益を得られますが、トルコリラなど為替変動が激しい通貨の債券では、利息以上の損失を出してしまうことも珍しくありませんので手を出さない方が良いでしょう。

 

おすすめの債券は?債券投資の判断ポイント

債券投資のわたしなりの判断ポイントです。

SBI証券で取り扱っている具体的な銘柄で見ていきましょう。

円建て社債(国内債券)

ソフトバンクグループ株式会社無担保社債、参考利回りが税引後で0.774%。つまり、100万円分の社債を買った場合、年間で手取り7,740円の利息がもらえます。

償還日である2025年まで4年半ありますので、7,740円×4.5年で単純計算35,000円ほど受け取れるということです。

もしソフトバンクグループの経営が危機に陥った場合、100万円の元本ごと無くなってしまう可能性はあります。ただし、定期預金などと比べれば高金利なため、決して無しではない選択肢だと思います。

 

仕組債

上記のようなEB債、株価連動債といった社債(仕組債)は利回りが5%などと高水準ですが、おすすめできません。

これらは一見お得に見えますが、投資先の会社の株価が下落した場合に、社債が株に転換される(つまり元本を毀損する)等のリスクを抱えています。

元本割れになったり、年利が下がり、0%に近い利回りで数年間お金が固定されてしまうものも珍しくありません。

仕組債は金融機関が絶対に儲かる仕組みになっており、投資家からしたら手を出さないほうが良い投資商品です。

 

外国債券

外貨建ての債券を買う場合、為替リスクがあります。選ぶなら、トルコリラ等の値動きが激しい新興国通貨ではなく、米ドル建ての方が良いでしょう。

わたしは好んで米ドル建ての劣後債を買っていた時期もありましたが、いまは世界的に利率が低すぎますね。

劣後債とは、会社の経営が危機に陥ったときに、資金の返済順位が遅い(普通の利付債よりあとに返済されるため、返済されない可能性が高くなる)などの条件がついている社債です。そのため、普通の利付債と比べると利回りが高いです。

上記の図で言うと右から2番目に書いてある数値が利率ですが、利付債2%、劣後債で1.7%など、個人的には無しの水準です(わたしは利率が4%か5%は無いと選択肢に上がりません)。

ただ、他に運用先が無いのであれば選択肢に挙げても良いのかもしれません。

 

債券ETF(上場投資信託)

債券に投資するETF(上場投資信託)があります。

いくつかありますが、2つご紹介します。

  • HYG(iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF)
  • BND(バンガード・米国トータル債券市場ETF)

HYGは、米ドル建ての高利回り社債に投資を行います。格付けが低く、債務不履行になる可能性がある投資を行うなど、少しリスクをとっているETFです。平均利回りは4.33%(2020年11月時点)、経費率が0.49%、経費率はETFにしては高めです。

BNDは米国市場全体の投資適格債券や公債などに投資を行います。そのため、比較的債務不履行などのリスクが低い投資を行うETFです。分配金の利回りは5.24%(2020年11月時点)、経費率(信託報酬)は0.035%と良心的です。

SBI証券DMM株で買うことができます。

 

債券ETFのメリット

債券ETFのメリットは、分散投資できるところです。

債券は、投資先企業が債務不履行に陥れば、利息だけでなく、投資した元本も失ってしまう可能性があります。

しかし、10社、20社に分散投資をしていれば、1社だめになったとしてもゼロにはなりません。

債券ETFを1つ買えば銘柄分散ができることは大きなメリットと言えるでしょう。

 

債券ETFの注意点

債券ETFの注意点を2つご紹介します。個人的にはETFより、生債券(ETFではない現物)の方が好みです。

  • 金利などの影響で値動きしてしまう(元本割れリスクあり)
  • 信託報酬がかかる(経費率)

金利が上がれば債券の価値が下落し、ETFの取引価格は下がります。

どういうことかと言えば、たとえば米国国債の金利が現在1%で、既に発行されている社債の金利が2%だとします。

この2つを比較した場合、金利差を考えて社債を選択する人も多いと思います。

しかし、米国国債の金利が3%まで上昇したとします。そうすると、既に発行されている社債(金利2%)と米国国債(金利3%)を見比べると、債務不履行になる可能性や金利の面からみて、明らかに米国国債の方が価値が高く、社債の方が価値が低くなります。このように、市場金利が上昇すれば、社債の取引価格(ETFの取引価格)が下落します。

 

債券投資は、資産運用方法の中では手堅い

債券投資は、発行した国や会社が債務不履行に陥らなければ安定した利息収入を得られるため、数ある資産運用方法の中でも比較的手堅いです。

まずは手数料が安いDMM株SBI証券で口座開設し、取り扱い銘柄を確認してみると良いでしょう。

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投稿者プロフィール

税理士 坂根崇真
税理士 坂根崇真
【プロフィール】
一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事
税理士

【寄稿実績など】
Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE
会計人コースWeb、事業承継・M&AならBatonz(バトンズ) 専門家コラム、名古屋大原学園 大原簿記情報医療専門学校

【メディア出演実績】
01CHANNEL(株式会社ウェイビー運営)
税理士2.0 AKIRAチャンネル(レッドスターコンサルティング株式会社運営)
TAKA World Peace(株式会社グローバルマーケット運営)

【著書】
相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (2021年発売予定)

【メディア運営】
税理士による相続メディア:あんしん相続税 などを運営(合計:月間10万PV)

【経歴等】
士業など専門家1,500人以上の団体の理事に就任している。業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人の出身であり、売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験も多数あり、創業から上場まで対応が可能である。また、Twitterでは1万人のフォロワーを有しており、経営者や士業が年間数百名参加する交流会を開催する等、強い影響力を持っている。

【事務所情報】
ブラッシュメーカー会計事務所:東京・神田にオフィスを構える税理士事務所です。

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