士業の違い(弁護士,司法書士,社会保険労務士,行政書士,公認会計士,税理士)

私たち税理士は、”士業”と呼ばれます。

士業というと固いイメージばかりで、あまり縁がないので業務内容について深く知らない方がほとんどではないでしょうか。そもそも士業とは何か、また、それぞれの士業の違いについて簡単にご紹介します。

なお、以下は筆者の個人的見解が含まれている点について、予めご了承ください。

士業とは

士業(しぎょう)とは、弁護士、司法書士、社会保険労務士(社労士)、行政書士、公認会計士、税理士など、”士”という言葉が含まれる職業のことを指します。

これら士業は基本的に国家資格であり、法律に基づき特定の業務に従事する知識や能力があることが資格によって証明されています。

従って、資格を持っていない方がこれらの資格に関する業務を行うと、法的処分を受けることがあります。理由としては、これらの者が行う業務が専門的であり、無資格の者が勝手に業務を行うと、依頼者に対して適切なアドバイス等がなされず不利益を被る可能性があることなどが挙げられます。

一見厳しいように見えますが、知識が無い人からのアドバイスが許されるのであれば、詐欺行為が横行し、依頼者が泣き寝入りするしかない事態が想定されます。

弁護士とは

皆さんご存じ弁護士は、弁護士法に基づき法律全般に関する業務を扱います。

弁護士は裁判所で活躍しているイメージが強いですが、身近なところでいうとリーガルチェックがあります。リーガルチェックとは、取引先と結ぶ予定の契約書の内容が自社にとって不利益を被るものでないか確認を受けることであり、金額が大きい契約を結ぶ際は、弁護士によるリーガルチェックを受けることで安全に取引を行うことができます。

また、ビジネスがうまくいっているときは問題ないかもしれませんが、必ずしもうまくいくとは限りません。トラブルが起きてから弁護士を捜した場合、トラブル発生から時間が経過してしまい、手遅れの状態になってしまうこともあります。

企業がトラブルに巻き込まれた際、すぐに相談できる顧問弁護士がいると会社にとって心強い味方となるでしょう。

司法書士とは

司法書士は、司法書士法に基づき登記関連などの業務を行います。

代表的な仕事内容は、登記(法務局への申請手続き)を依頼者の代わりに行うことです。会社の設立登記や、相続が起きた際に自宅の所有権をお子さんに移すこと(所有権移転登記)等が可能です。

また、会社名の変更を行う場合や、役員を変更する場合も登記が必要です。そのような場合に、定款(会社の規則)の作成から登記申請手続きまで、トータルでサポートしてくれる司法書士もいます。

社労士とは

社会保険労務士(社労士)は、社会保険労務士法に基づき社会保険手続きなどの業務を行います。

社労士の強みとするところは社会保険関連の業務の他、給与計算などが挙げられます。会社が給料を支払う際は源泉所得税や社会保険料の天引きを行いますが、天引きすべき金額の計算を行うことが可能です。

また、就業規則や雇用契約書の作成、社会保険に関する書類手続きの代行、従業員の入社時や退職時の手続きなど、起業当初にこれらの手続きを独自で行う余力が無いのであればトータルで依頼することをお勧めします。

行政書士とは

行政書士は、行政書士法に基づき書類作成などの業務を行います。

行政書士の業務範囲は非常に広く、何でも屋さんと言われることもありますが、業務範囲があまりにも広いため、皆それぞれ独自の強みを持っているケースが多いです(何らかの手続きに特化しており、得意分野以外については詳しくないことが一般的です)。

外国人労働者の受け入れ手続きに特化した行政書士、会社設立時の許認可(警備業や建設業など、開業するために公的機関の許可が必要な場合があります)取得に特化した行政書士など様々です。

主要な業務は書類の作成ですが、中にはボディガードをしている行政書士もいます。

公認会計士とは

公認会計士(会計士)は、公認会計士法に基づき監査業務を行います。

会社の資本金が5億円以上か負債が200億円以上の場合、作成した決算書について外部からのお墨付きが必要であり、その外部からのお墨付きを与えるのが公認会計士による会計監査です。会計監査を受けることによって、株主など会社外部の人間に対して適正な決算書が作成されている(適正な運営がされている)ことの証明を行うことができます。

なお、公認会計士は主に四大監査法人(Big4)と呼ばれる監査法人(※)に勤務しているため、独立開業している方は多くありません。

※四大監査法人・・・EY新日本有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwCあらた有限責任監査法人

税理士とは

税理士は、税理士法に基づき税金関連の業務を行います。

主な業務は税金関連の税務署等への書類の作成,提出代行や、確定申告(支払うべき税金の計算と書類の提出)のサポートです(その他、東京税理士会のWebページ等をご参照ください)。

なお、税理士というと節税のキーワードが挙がりがちですが、節税の支援は本来税理士業務ではないと考えられます。税理士は税に関する専門家として、独立した公正な立場において、法律に則って適正な納税のサポートを行うことを使命としているからです。

上記のように、本来であれば税理士は依頼者と税務署のどちらの立場にも立たず、独立した第三者目線で独自の専門的知見、法律の解釈に基づき意見をすべき立場と考えられます。ただし、依頼者の利益にならなければ仕事になりませんので、依頼者寄りのサポート(節税のサポート等)を行うことが一般的です。しかし、依頼者に寄りすぎて考えなしに経費を突っ込んだ挙句税務調査で否認され、依頼者と税理士で揉めるケースや、税務署と揉めないように税務署寄りの考えで物事を進める税理士(=知らないうちに依頼者が損をしている)も中にはいます。普段からコミュニケーションをとり、相談しやすい環境作りを行うことが大切です。

 

以上、各種士業のご紹介をしましたがいかがでしょうか。士業への相談は単発でも依頼可能なことが多いですが、単発の相談では会社の業務内容に対する理解が浅いため、一般的な回答にならざるを得ないこともあります。顧問の弁護士等がいると会社の業務内容を理解しているため、日常業務から生じる問題や疑問に対し、適切なアドバイスを受けることができます。

ブラッシュメーカー会計事務所は各種士業とのネットワークを持っているため、業務を行う中で困っていることが生じれば、対応できる専門家をご紹介致します。経営者が本業に集中するためには外部専門家のサポートを入れることも大切です。

問い合わせ内容の一例と男性。LINE対応可能。

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起業家必見!顧問税理士の選び方ガイド(前編)

起業する際、最初に顧問契約を結ぶのは税理士であることが多いですが、それは会社が家計簿のようなものを毎月作成しなければならないからです。なお、毎月資料を基に家計簿の作成が必須ですが、それに加えて、我々のように財務コンサルティング業務などを行う税理士もいますが、業務の提供内容は人によって様々です。

その節税方法は会社にとって有効か

税理士というと”節税”のキーワードが挙げられがちですが、実際に有効な節税というのはそれほど多くありません。支払うべき税金は支払い、もし有効な手段があれば活用しよう、ぐらいのスタンスが望ましいです。

なぜ決算書を作るのか

法人税は利益にかかる税金のため、赤字のうちは節税を考える意味がありません。まずはガンガン稼ぐことに注力すると良いでしょう。ブラッシュメーカー会計事務所では、財務面から利益を上げるためのサポートを行います。

注意事項
※1 本記事は2019年8月現在の法令等に基づき記載しています。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しています。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については、弊社では一切の責任を負いかねます。

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投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

ブラッシュメーカー会計事務所は、東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

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