太陽光発電って儲かる? 融資 – 信販会社(アプラス、ジャックス)

太陽光発電事業とは、FIT(固定価格買取制度)による売電を行う投資事業です。

太陽光発電設備の購入は、アプラスやジャックスといった信販会社からの融資をメインに3基、4基購入される方が多いです。この記事では、太陽光発電事業を行うにあたって知っておきたいことを網羅的にご紹介します。

業者のセールストークに騙されないよう、ぜひ、基本的な知識を身に着けてください。

太陽光発電事業

太陽光発電事業とは

太陽光発電事業とは、太陽光発電設備(太陽光パネル)と土地を購入し、固定価格買取制度(FIT)によって、発電した電気を電力会社に売却する事業(投資)です。

固定価格買取制度によって20年間売電価格が固定されていることから、賃貸アパートのような空室リスクが無く、サラリーマンにとって、始めやすい投資の一つと言われています。

太陽光発電事業は表面利回りが10%程度と言われており、一見すると高利回りに見えます。また、20年間固定価格で電気を買い取ってもらえることから、安定的な収益を生み出せると言われています。

もちろん、注意点も多いので以下で確認していきましょう。

固定価格買取制度(FIT)とは

固定価格買取制度とは、国が20年間決められた単価で、発電した電気を買い取ってくれる制度です。

固定価格買取制度の創設当初は売電単価が42円/kWhでしたが、売電単価は年々減少し、2019年度新たに申請がされたものは売電単価が14円/kWhと、固定価格買取制度創設当初の3分の1にまで減少しています。

なお、過去に売電単価の申請がされた太陽光発電設備が現在販売されているため、今現在販売されている太陽光発電設備は売電単価が14円のものだけでなく、18円や21円、24円のものなどが出回っています。

売電単価が下がっているので利益が出ない?

固定価格買取制度による売電単価は年々減少しています。

一方で、太陽光発電設備(物件)そのものの値段も年々減少しているようです。従って、投資額に対する売電金額(表面利回り)自体は昔から大きく変わっていないと言われています。

しかし、太陽光発電設備に係る「メンテナンス費用」は、昔から大きく変わっていないと考えられます。なぜなら、メンテナンス費用は人件費をメインに構成されているからです。

人件費はここ数年あがり続けていますので、売電収入が減少する一方で人件費が上がり続けているのであれば、儲け(利益)は減少する一方です。

上記のような事情から、現在でも利益を出せる可能性はありますが、昔と比べると太陽光発電事業の利益率は下がっていると考えられます。

もちろん、業者も利益を確保する必要があるため、売電単価が下がればその分表面利回りを高く見せ、高値で設備を購入させようとしてくるケースさえあります。見極めが非常に大切です。

業者のシミュレーションは疑うこと

太陽光発電事業における表面利回りについて

太陽光発電事業における表面利回りは、だいたい10%が目安と言われることが多いです。空室リスクがある不動産投資と比べて利益を得やすい投資と言われていますが、実態はどうでしょうか。

表面利回りは年間売電収入÷設備投資額で計算されることが多く、例えば2,000万円の設備投資で年間売電収入が200万円であれば、200万円÷2,000万円で表面利回りが10%になります。ただし、設備投資額の中に土地代が含まれているかどうか、また、系統連系工事の負担金や農地転用費用などの費用が織り込み済みであるかどうかの確認は必須であり、これらが考慮されているかどうかによって表面利回りは簡単に変わってしまいます。

表面利回りから色々と経費がかかったあとの手残りが最終的な利回りになるため、表面利回りといった数値や10%という数値にあまり囚われる必要は無いでしょう。

売電収入が適正に計算されているか

周りに影となる遮蔽物が無いかの確認

太陽光発電は、太陽光パネルによって発電が行われますが、パネルメーカーによってパネルの出力が異なります。従って、どこのメーカーのものか確認することをお勧めします。また、それ以上にパネル設置場所の条件によって発電量が大きく異なります。

例えば、太陽光発電設備は南向きに設置された物件が良いとされていますので、設備の南方面に森や遮蔽物による影が無いかの確認は行っておくと良いでしょう。気になるようであれば、購入前に現地に行ってみることをお勧めします。

損失係数が織り込まれているか

パネルメーカー等が作成した売電シミュレーションの中には、損失係数が織り込まれていない場合があるので要注意です。

損失係数というのは、パネルの温度や上記の遮蔽物による影の考慮等によって、Maxで売電できた場合の発電量からどのぐらい減ることが見込まれているかの割合です。

概ね、パネルの最大出力×80%ぐらいの発電が見込まれると言われていますが、悪質な業者では、損失係数が一切織り込まれておらず、利回りを多く見せているケースもあるようです。

上述したように、パネルの発電量は設置場所の条件等によって大きく異なります。従って、パネルメーカーが作成した売電シミュレーションに対し、太陽光発電設備の販売業者が、損失係数を加味して計算を行っているのか、損失係数が何%で計算されているかの確認を行っておくことをお勧めします。

損失係数が何%であるか教えてくれない業者も多いですが、中には悪質な業者もいます。太陽光発電事業を行う場合、損失係数は必ず確認しておくべきポイントと言えるでしょう。

太陽光発電事業におけるランニングコストを確認

保険料が織り込まれているか

太陽光発電事業における保険料とは、災害保険、盗難保険、電気の出力抑制保険等を指します。

災害保険は、基本的に地震以外対応している場合が多いです。

気になる方はハザードマップを確認し、大地震が予測される地域かどうかを確認すると良いでしょう。

盗難保険は、近年話題のパネル等が盗まれた際、保証してくれるかどうかの保険です。また、電気の出力抑制保険とは、九州電力や東北電力管内で電力の買取が一時ストップした場合に保証してくれるかどうかという保険です。

今現在は数日間買い取りが止まったりするようなことは無く、せいぜい数時間止まることがあるレベルのようですが、今後過疎地域については買取がストップする期間が長くなる可能性もあることから、出力抑制保険が付いているかも確認すると良いでしょう。

草刈り等のメンテナンス費用

草刈り等のメンテナンス費用もバカにできません。

ご自身で1,000㎡、2,000㎡、3,000㎡といった広大な土地のメンテナンスを行うことは現実的ではありません。従って、メンテナンスについては業者に委託される方が多いです。

これらのメンテナンス費用は土地面積に関わらず一律の金額であることが多いため、売電収入が少ない小規模な発電設備の場合は、収入に対するメンテナンス費用の負担割合が大きくなるため注意が必要です。

なお、メンテナンスはシルバー人材センター等を活用される方も多いようですが、最近はとても人気で、依頼をしても長期間待つことになる場合があるようです。

メンテナンスを専門の業者に依頼できるかも確認しておくと良いでしょう。

太陽光発電事業において発生する経費まとめ

太陽光発電事業において発生する経費として、太陽光発電設備の購入費用、土地の購入代金の他、最低限以下の費用が挙げられます。

業者が作成するシミュレーションにおいて考慮されていない場合がありますので、ご自身でも必ずシミュレーションの作成を行いましょう。

・メンテナンス費用,保険料・・・約20万円

・パワコン交換費用・・・15年に一度、約150万円(業者談)

・借入利息・・・融資額×約 年2.2%(信販会社)

・税金の支払い・・・法人であれば利益×20%強の法人税等,年間7万円程度の維持費用(法人住民税)など

2,000万円の設備を購入し、表面利回りが10%であれば年間200万円の売電収入が得られます。ただし、上記のような経費を考慮すると実質的な利益はかなり小さくなるので注意が必要です。

太陽光発電事業には賃借案件,売買案件の2種類がある

太陽光発電事業においては、賃借案件と売買案件の大きく2種類があります。どのような違いがあるか確認していきましょう。

賃借案件

太陽光発電設備を設置する際、土地を購入せず、借地権等の設定を行う(土地を借りる)ものを賃借案件と呼びます。

賃借案件の特徴は、20年間の固定価格買取制度終了後、敷金を基に設備撤去などを業者が行ってくれること等が挙げられます。

20年経過後に太陽光発電事業をやめる予定であれば、設備撤去費用の負担がいらないというのは大きなメリットになるでしょう。

売買案件

土地を購入し、その土地の上に太陽光発電設備を設置するものを売買案件と呼びます。

売買案件は、20年経過後も売電事業を継続できることがメリットです。現在も積水ハウス等が11円や8円で電気を買い取っていることから、固定価格買取制度終了後も一定程度の利益を上げられることが見込まれます。

ただし、売電単価が下がる一方で、草刈りや掃除などのメンテナンスにかかる人件費は下がらないと考えられることから、固定価格買取制度終了後の利益率は大きく下落することが見込まれます。

また、20年経過後に売電事業をやめたい場合、設備撤去費用が設備取得額の5%(2,000万円の物件であれば100万円)程かかると言われています(業者談)。

加えて、太陽光発電設備を設置する土地は田舎や山奥であることから、売却時の土地の価値は0円と考えておいて良いでしょう。太陽光発電事業における土地の代金は100万円~300万円ぐらいであることが多いですが、20年経過後に100万円の価値があるかと言われれば、恐らく無い(0円か、むしろマイナス)と推測されます。

太陽光発電事業における融資(ローン)

太陽光発電設備は、発電所1基あたり1,500~3,000万円程度とそれなりに高額なため、手元の資金に加え、融資を受けることが一般的です。太陽光発電事業においてよく使われる融資には、以下の2つがあります。

日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関(銀行)です。

日本政策金融公庫は、昔は太陽光発電事業に対してもばんばん融資を行っていたようです。しかし、最近では太陽光発電”事業”ではなく”投資”だよね?という理由からか、かなり融資審査が厳しくなっており、自宅などを担保に入れることや勤務先の副業許可を求められるケースもあります(日本政策金融公庫は建前として、投資に対してお金を貸さないスタンスをとっています)。

日本政策金融公庫は支店によって対応がまちまちですが、太陽光発電事業に対して全く融資を行わない方針の支店もあれば、融資の審査が甘い支店もあります。しかし、かつては融資審査が甘かった支店であっても最近はあまり貸さなくなってきている現状があります。

信販会社からの融資

信販会社とは

信販会社とは、販売信用取引(クレジット取引)を主たる業務とする会社のことです。

アプラスやジャックス、セディナ等が代表的です。クレジットカードを使った際、これらの名前を見かけたことがあるかもしれません。太陽光発電事業を行う際は、特にこの中でもアプラスとジャックスからの融資を受ける(お金を借りる)ケースが多いです。

信販会社からの融資は比較的利率(金利)が高いものの、勤務先などの信用力が高ければ、2,000万円などの高額融資であっても簡単に受けられるという特徴があります。

信販会社の融資条件 – 利率、期間

信販会社の融資条件は太陽光発電設備の販売業者によって異なります。

ただし、利率2.2%,期間15年が一般的です。中には利率2.15%等の業者もありますが、2.2%に上げるよう要求されているようです。これらの条件から大きく外れた条件を提示してくる業者については、利率が高くないか、もしくは利率が低いのであれば物件価格に低利率分が上乗せされていないか等の条件確認が必要になってくるでしょう。

なお、融資を受ける際は、融資利率以上の運用ができるのであればできるだけ長期間お金を借りた方が良いでしょう。期間20年で融資を受けられる物件も稀にあるため、見かけたら価格などの条件面をチェックし、検討することをお勧めします。

アプラスかジャックス、どちらかしか使えないことも

太陽光発電設備を購入する際に使える信販会社は、アプラスとジャックスの2社であることが一般的です。

しかし、中にはアプラスかジャックス、どちらかの信販会社しか使えないというケースもあります。以前、付き合いのある太陽光発電設備の販売業者にヒアリングしたところ、トラブルを起こした販売業者が取引を停止され、どちらか一方の信販会社しか使えないことになっているというのが原因だそうです。

融資審査にかかる日数

信販会社の融資結果はだいたい1~3日程度で出るようです。業者によっては2週間,3週間かかるケースもありますが、一般的には融資審査の申し込み後、すぐに融資結果が出るという非常にスピーディな対応が見込まれます。

融資額はどのぐらいか

融資額は個人の属性によって大きく異なります。

人によっては1物件しか購入できない場合もあるようですが、一例として年収600万円代の方で2物件4,400万円(アプラス1物件2,200万円、ジャックス1物件2,200万円)、年収1,200万円の方で4物件8,000万円(アプラス2物件4,000万円、ジャックス2物件4,000万円)いけたケースもあるようです。

融資額を確認するため、物件を購入するつもりがなくてもまず一度融資審査に出してみるという方法もあります。10回20回と審査にかけていれば怪しまれるようですが、2、3回程度であれば以後の融資結果に特に影響は与えないそうです(業者談)。

住宅ローンは融資結果に影響するのか

住宅ローンを抱えていると、信販会社の融資が降りにくくなるのではないかと思われる方もいるかもしれません。

しかし実際はそんなことはなく、むしろプラスに働くケースが多いようです。ただし、住宅ローンを組んでいる間は自宅を担保に出せなくなる(既に住宅ローンで自宅を担保に出している)ため、日本政策金融公庫や銀行からの追加融資は厳しいかもしれません。なお、住宅ローンは一般的に金利がかなり低いため、住宅ローンの繰上返済を行ってまで、あえて条件の悪い融資を受ける必要はないでしょう。

信販会社を活用して物件を抑える

物件を購入する際は信販会社に融資申し込みを行い、融資結果が出てから太陽光発電設備の販売業者に物件を抑えてもらいます(他の方に物件を販売しないよう、確保してもらいます)。

なお、日本政策金融公庫からの融資を受ける場合は1か月2か月かかるため、一旦信販会社を活用して物件を抑え、その後日本政策金融公庫の融資審査に持ち込むという活用方法もあります。

賃貸マンションとの比較

空室リスクが無いのが太陽光発電事業の特徴ですが、上記のように、20年経過後の資産価値がほぼ0であること等を考えると、20年経過後も一定程度の価値がある都内マンションの方が優れているという見方もあります。もちろん、賃貸マンションは不動産相場の上下によって大きく利回りが変わり、また、うまく入居者を集められるか等の問題も抱えています。

いずれにせよ「投資」という言葉にだまされず、不動産投資や太陽光投資は、ひとつの「事業」と考えましょう。事業を始める際は綿密に検討を行う必要があります。太陽光発電は、それなりに高い投資案件のため、業者の選定ミスや、物件の選定ミスをしないよう、慎重に検討を重ねてください。

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なお、投資にあたってのリスク判断は必ずご自身で行ってください。

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注意事項
※1 本記事は2019年7月現在の法令等に基づき記載しております。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しております。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については弊社では一切の責任を負いかねます。

 

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投稿者プロフィール

税理士 坂根崇真 / インフルエンサー
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【プロフィール】
一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事
株式会社坂根ホールディングス 代表取締役
税理士 / インフルエンサー

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士業など専門家1,500人以上の団体の理事に就任している。業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人の出身であり、売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験も多数あり、創業から上場まで対応が可能である。また、Twitterでは7,000人のフォロワーを有しており、経営者や士業が年間数百名参加する交流会を開催する等、強い影響力を持っている。その他、オウンドメディアで140以上の記事を執筆している。

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