相続税対策の極意 – 収益物件を贈与せよ

相続税は亡くなった時の財産額に応じてかかる税金のため、相続税対策は、生きており、かつ、お元気なうちにしかできません。

前回は相続税対策として、お子さん,お孫さんに贈与を行う方法がよくとられていることと、その中でも毎年コツコツ110万円ずつ贈与を行う方法をご紹介しましたね(前回の記事はこちら)。確かに110万円ずつ贈与を行う方法は王道ですが、年齢やお持ちの財産額によっては、別の方法を行うことが相続税対策において有効な場合があります。今回は贈与による相続税対策のうち、110万円贈与以外の方法について、一つご紹介します。

収益物件の贈与(相続税対策)

収益物件とは何か

収益物件とは収益を生み出す物件、つまり、その物件を持っていることで利益を生み出してくれるモノのことを言います。具体的には投資用不動産。いわゆる賃貸アパート等がこれに該当します。

なぜ収益物件を贈与することが、相続税対策において有効なのか

収益物件を持ち続けていると財産が増える(支払うべき相続税が増える)

収益物件を持ち続けていると財産が増える。いいことじゃないか、と普通の方は思うでしょう。確かに財産が増えれば通常は嬉しいです。しかし、相続税の観点から考えるといかがでしょうか。

相続税は以前の記事でご紹介した通り、お亡くなりになった時点でお持ちの財産額に応じてかかる税金です。つまり、収益物件を持ち続け、財産が増えれば増えるほど、かかる相続税の金額も増えていってしまうというジレンマが生じます。

収益物件をお子さんに贈与するとどうなるのか

それでは、収益物件をお子さんに贈与するとどうなるのでしょうか。

財産額1,000万円の収益物件を子どもに贈与したとします。すると、まずお子さんには財産額1,000万円に対して贈与税の支払いが約180万円発生することになります(詳細な説明は省きます。詳しくは国税庁のWebページをご覧ください)。

しかしながら、その後、収益物件が年間200万円の利益を生み出したらいかがでしょうか。15年後には3,000万円の財産がお子さんに残ることになります。この場合、3,000万円の財産をお子さんに移転できたことになりますが、贈与税がかかったのは贈与時の財産価値1,000万円部分のみになります。つまり、3,000万円と1,000万円の差額2,000万円部分については贈与税も相続税もかからず財産の移転を行うことができたと言えるでしょう。

※お子さんは成人であることを前提としています。

このように、あえて110万円を超えた贈与を行うことで、結果として贈与税,相続税のトータルの支払いを抑えることができる場合があります。ただし、これはお持ちの財産額や家族構成によって、どのような方法を採るべきか対応が異なるため注意が必要です。

例えば財産額が数億円、数十億円ある方であれば収益物件の贈与も一つの方法ですが、財産額がそこまで多くない場合、コツコツ110万円の贈与を行う方法が最良の選択肢である場合もあります。なお、例えお子さんに対する贈与であっても、贈与契約書を結んでおかないと後日税務調査等でトラブルになる場合があります。また、収益物件の贈与を行う場合、贈与税がかかる財産価値の算定は税理士のサポートが無いと難しいでしょう。相続税対策のために贈与を行うのであれば、税理士にサポートを依頼されることをお勧めします。

関連記事です。

何をすれば良い?相続手続きの概要

相続税について備えるだけでなく、”相続”について備えを行っておくことも重要です。

贈与の極意 – 贈与を行うことが相続税対策になる理由

相続税対策においては色々な方法がありますが、その中でも王道なのは贈与です。

なぜ贈与を行うことが相続税対策につながるのか、その理由をご説明しています。

相続税の税務調査で問題になるのは銀行預金/貯金

相続税の申告を行った後、数年後に税務署の調査官が、税務調査という手続きを行いにくる場合があります。

その中でも問題になりやすいのは圧倒的に銀行預金です。お子さんへの贈与であっても贈与契約書を作成しておくことをお勧めするのは、税務調査が行われた際、調査官の方に納得していただくための材料として有効だからです。

財産が少なくても遺言書を書くべきメリット

相続税の対策を行うためには定期的な贈与などが有効ですが、まずは、仮に今相続が起こってしまった場合、どのぐらいの相続税が発生するのか税理士に依頼して概算金額を把握し、そのうえで遺言書を作成しておくと良いでしょう。

注意事項
※1 本記事は2019年6月現在の法令等に基づき記載しております。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しております。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については弊社では一切の責任を負いかねます。

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投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

ブラッシュメーカー会計事務所は、東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

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