投資信託で大損!?おすすめしない理由を投資家の税理士が解説

富裕層の方は「投資信託」を持っているケースが非常に多いです。

「投資をする余裕があるなら儲かっているだろう」と思うかもしれませんが、意外にも、大損している方がほとんどなのはあまり知られていません。

この記事では、次の3点について投資家かつ税理士の坂根が解説します

  • 投資信託でなぜ大損するのか
  • 投資信託をおすすめしない理由
  • 投資信託以外の投資

すべて無料で情報公開していますので、投資で失敗しないために、ぜひ最後までご覧ください。

投資信託で大損する理由5選

わたし自身、浅いながらも投資歴が7年あり、今まで投資家として色々と手を出してきました。

また、月間10万人が訪れる税理士による相続メディア「あんしん相続税」を運営しており、相続税申告に伴い多くの富裕層の方に携わってきた経験があります。その中で、「投資信託」を保有されている方を多く見てきました。

「投資する余裕があるなら儲かっているだろう」と思われるかもしれません。しかし、次のような理由によって、大損している方が多いのが実情です。

  • 投資信託は手数料のカタマリ
  • 投資信託の商品内容が複雑(わかりにくい)
  • 日本株の投資信託は利益率が低い
  • 新興国への投資信託は為替リスクが大きい
  • FPによる投資信託セミナーで買って大損

 

投資信託は手数料のカタマリ

投資信託は手数料のカタマリです。

日本の金融機関が手数料の高い投資信託を売り、顧客に大損をさせる事態が頻発していたため、金融庁が実態を公表したというニュースがありました(詳しくは金融庁の「「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標 (KPI)に関する調査」」などをご覧ください)。

だいたい投資額の0.5~3%ぐらいが毎年手数料として取られていきますが、その他にも購入時や売却時にも多額の手数料をとられるため、大損する可能性があります。

 

投資信託は商品内容がわかりにくい

「投資信託」という名前だけはカッコいい響きがありますが、銘柄が6,000近くあると言われており、どの商品が良いのか判断がむずかしいです。

名前はどれもかっこよく、たとえば次のような銘柄が挙げられます。

  • グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
  • グローバル・ソブリン・オープン(資産成長型)
  • MHAM株式インデックスファンド225

正直、名前だけ見てもどの銘柄が良いかわかりませんよね。したがって、実際に投資を行うにあたっては、各投資信託の「目論見書(もくろみしょ)」を確認する必要があります。

ただし、投資経験の浅い方にとっては読みにくく、どの投資信託が良いかわかりません。そのため、証券マンのセールストークにひっかかり、大損をする方が多いのです。

 

日本株への投資信託は利益率が低い

日経平均株価との連動商品など、日本株への投資信託は利益率が低く、手数料負けしてしまう可能性があります。なぜなら、日本企業は高度経済成長を終え、30年間株価が横ばいの状態だからです。

このような状況で日本株に投資する商品を買っても多額の利益は見込めません。もちろん、日本国債などへの投資信託も同様です。低金利時代なので利回りが1%もありません。

そのため、日本株や日本国債への投資信託で大損している方は多いです。

 

新興国への投資信託は為替リスクが大きい

「日本がダメなら新興国への投資信託なら良いのか」と問われれば、そうではありません。なぜなら、為替リスクがあるからです。

たとえばトルコリラ/円は10年で1/6に減価しています。600万円をトルコリラに変換した方は10年間で100万円になり、差し引き500万円の損失が発生しています。

トルコに住んでいるのであれば特に問題ないかもしれませんが、日本に住んでいる以上は、為替リスクはなるべく少ない方が良いでしょう。そうでなければ、為替で大損をしてしまい、立ち直ることができません。

 

FPによる投資信託セミナーで買って大損

FP(ファイナンシャルプランナー)という資格が最近有名になりました。ただし、FPは単なる民間資格であり、何かむずかしい特別な勉強をしているわけではありません。

そのため、自分で投資した経験もなく、何の専門家でもない「自称 お金のプロ」が、それっぽい肩書きをもとに保険や投資信託といった手数料の高い商品を売っていることが多いです。

中には、「お金のセミナー」「株や投資信託に関するセミナー」を無料開催し、そこで手数料が高い商品を販売する人さえいます。税理士などの士業と違って責任が少ないため、やりたい放題やれるからですね。

もちろん、中にはきちんとした人もいますが、こういった無料セミナーで大損する人も多いので気を付けましょう。

 

投資信託で大損って実際どれぐらいの金額?

投資信託で実際にどれぐらい大損しているのか、これは銘柄によって異なります。

そのため、先ほどご紹介した「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)(以下「グロソブ」)」。これを例にとって解説します。

 

グロソブで基準価額が投資額の半値以下に

グロソブは悪名高い投資信託として有名です。

2020年11月16日現在、基準価額が4,932円となっています。これは、1万円投資した金額が、1万円→4,932円と、半値以下になっているということです。

「こんな投資信託、だれが買うんだ」と思うかもしれません。

しかし、グロソブは過去一番売れた投資信託と言われており、2008年には資金を6兆円近く集めるに至ったそうです。なぜこんなに売れたのかと言えば、次の理由が挙げられます。

  • 証券会社の主力商品だったから
  • 分配金を毎月受け取れるため魅力的に見えたから
  • 外国債への運用なら安心と思われていたから

証券会社の主力商品だったから

グロソブは手数料が高い商品です。

そのため、証券会社が利益を出すために営業マンに発破をかけ、グロソブを販売するよう全社的に命じられたと言われています。

投資信託に詳しくない人は、営業マンのセールストークを信用して買ってしまったことでしょう。

 

分配金を毎月受け取れるため魅力的に見えたから

グロソブが売れた一番の理由は「分配金を毎月受け取れる」からだと言われています。

毎月お金が入ってくる投資信託を「毎月分配型」と呼びます。毎月分配型は毎月お金が入ってくるため、年金のように見え、一見するとお得です。

しかし、これは必ずしも儲かったお金から分配しているわけではありません。投資した元本を取り崩してでも毎月分配を行っています。

本来であれば、投資額を運用し続けて資産を増やしていくのが基本ですが、グロソブは、投資した元本を毎月切り崩してどんどん基準価額が下がっていったという経緯があります。

 

外国債への運用なら安心と思われていたから

グロソブの運用商品の大部分はOECD加盟国の外国債券等であったと言われています。

これは、投資格付けがAランク以上で安定したものに対する投資であり、日本国債のように「元本割れはしない」というイメージが強かったのかもしれません。

もちろん、国によってはデフォルトする可能性もありますし、為替変動によるリスクもあります。過去、一時期は円高も続いていましたので、その影響もあり、グロソブは更に価値を落としました。

 

特におすすめしない投資信託の選び方

次に、どういった投資信託がおすすめできないか簡単に解説していきます。

  • 毎月分配型の投資信託
  • 手数料が高い投資信託
  • 過去の成績が良く、利回りが高い投資信託

 

毎月分配型の投資信託

先ほど解説したように、毎月分配型の投資信託は元本を取り崩してまで分配し、毀損する可能性が高いです。

投資は短期トレードではなく、長期投資が基本です。毎日取引されていれば毎日売買手数料がかかってしまいます。

そのため、毎月決済して毎月分配を行うタイプの投資信託はおすすめしません。

 

手数料が高い投資信託

手数料が高い投資信託はおすすめできません。

だいたい安全に投資して得られる利益が年利3~5%ほどと言われています。

それにも関わらず、たとえばグロソブでは購入時に1.65%の手数料、換金時に0.5%、そして年間1.375%の手数料がかかります。

こんなに手数料が高くては、いくら利益を出しても手数料負けしてしまいますのでおすすめできません。

 

過去の成績が良く、利回りが高い投資信託

一概には言えませんが、過去の成績が良く、利回りが高い投資信託にも気を付けなければいけません。

過去にいくら成績が良くても、今後、その通りの成績を続けられるかと言えばそうではありません。

過去の数値はあくまでも参考とし、将来性を見て選びましょう。

 

投資信託で大損したときの対応

投資信託で大損したときの対応方法を4つご紹介します。どれも良い方法とは限りませんが、ときにはこういった対応も必要であるということを認識しておきましょう。

  • ナンピンする(買い増し)
  • 含み損を抱えたまま長期保有する
  • 損切りする(売却・換金する)
  • 損益通算、繰越控除を有効活用する

ナンピンする(買い増し)

ナンピンとは、要するに買い増しを行うことです。

1口10,000円の投資信託が1口5,000円に落ちた際、買い増せば1口あたり7,500円((1万円+5,000円)÷2)と考えることができます。そのため、値上がりが見込める場合には、このように買い増しを行うケースもあります。

ただし、今後も下がりそうならナンピンはやめておきましょう。

 

含み損を抱えたまま長期保有する

将来反発し、値上がりが見込めるのであれば含み損を抱えたまま、長期保有するという選択肢も無しではありません。

もちろん、今後値上がりが見込めるというのが条件です。下がりそうなら手放しましょう。

 

損切りする(売却・換金する)

投資家になかなかできないのが「損切り」です。

損切りとは、要するに持っている投資信託を売却、換金することです。

いつか上がると信じていても、現実問題値下がり続けているのであれば売却してあきらめるのも一つの手です。

 

損益通算、繰越控除を有効活用する

所得税等の税金は、売却時の利益に対して課せられます。したがって、赤字の場合にはこれらの税金は課税されません。

また、もし他に利益が出ているものがあれば、その利益と、いま赤字が出ているものを相殺することができます。

赤字商品と一緒に利益が出ている商品をともに換金することで、被害を少なく留めることも一つの手段です。

 

大損したくない、投資信託でおすすめは?

「投資信託で大損するのはわかった、結局何を買えばいいんだ」という方も多いと思いますので、参考にこんなものがあるよというのをご紹介します。

※投資判断はもちろん自己責任です。

ETF(上場投資信託)

一言で投資信託といっても、中には株式市場に上場しているものがあります(EFT)。

その中でも、S&P500連動のインデックス投信は米国株市場の成長性を考えると比較的安全性が高いと言われています。具体的に言えば次の銘柄が挙げられます。

  • 米国上場のS&P500連動ETF(SPY、VOO、IVV)
  • 東証上場:(1655)BRJ iShares S&P 500 ETF

 

米国上場のS&P500連動ETF(SPY、VOO、IVV)

中でもS&P500連動のものが特にすすめられるケースが多いでしょう。

S&P500は、過去10年右肩上がりの成長を続けています。今後どうなるかはわかりませんが、いまの世界経済は米国がけん引していますので、選択肢としては十分にアリだと思います。

S&P500連動のETFで有名なものは次の3つです。

  • SPY
  • VOO
  • IVV

ただし、SPYは機関投資家向けで経費率が若干高いため、一般的にはVOOとIVVが選ばれることが多いです。

また、たとえばVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)という銘柄。

これは、アメリカの株式市場のほぼ100%に対して分散投資している銘柄であり、アメリカの「NYSE Arca」という証券取引所に上場しています。

日本企業は少子高齢化で今後成長がより鈍化すると考えられますが、米国企業は未だ成長を続けています。その観点から言えば、日本円で持っておくよりかは、良い選択と言えるかもしれません。

なお、アメリカで上場していても今は日本から簡単に買い付けることができますので、その点は心配ありません。DMM株なら手数料が安いので登録してみると良いでしょう。

 

東証上場:(1655)BRJ iShares S&P 500 ETF

先ほどのS&P500関連銘柄は、米国に上場されているものですので若干買いにくいかもしれません。

その点でいえば、東証上場の1655は、選択肢に上がるでしょう。

1655は日本で上場されていますが、内容としてはS&P500の銘柄を買い付けているため、S&P500と同様の値動きをしています。

そのため、上記で説明したVOOなどの買い付けがむずかしいようであれば選択肢に挙げられるでしょう。

 

 

投資信託以外の投資は?

もちろん、投資信託以外にも投資手法は色々あります。

いくつか解説していきますね。

債券投資(社債)

社債とは、簡単にいえば会社の借金です。投資家としては会社に対してお金を貸していることになり、そこから得られる利息が利益になります。

そのため、会社の経営が傾かない限り安定した利益を生むことができるため、比較的安全な投資と言えます。

もちろん、株式投資と比べると利回りは低くなりますが、資金に余裕があるなら選択肢としてはアリだとおもいます。

社債も証券会社から買い付けを行うことができますね。詳しくは【手堅い債券投資】外国債券や国内債券、利回りについて税理士が解説でご紹介しています。

 

太陽光発電投資

太陽光発電投資とは、田舎の土地を買い、そこに太陽光発電パネルを設置して電力会社に売電する投資です。投資される方はサラリーマンが多いですね。

太陽光発電投資も、比較的安定した利益を生み出すことができます。なぜなら、太陽は毎年日射量がそこまでぶれないからです。そのため、一種の債券的価値があると言えます。

もちろん、危ない業者も多くいるため、業者選びは慎重に行わなければいけません。

どういう業者を選べば良いかなど、詳しくは「太陽光発電は儲かる? 信販会社(アプラス、ジャックス)など税理士が解説」をご覧ください。

 

仮想通貨(暗号資産)

仮想通貨(暗号資産)はハイリスクハイリターンですね。個人的にはあまりおすすめできません。

ただし、興味があれば「仮想通貨取引の始め方と確定申告が必要な人について税理士が解説」で解説しているため、そちらをご覧ください。

今後、ビットコイン(BTC)の発行量がもうすぐ上限に至ると言われており、3倍、4倍(人によっては1BTC 3,000万円)に上がるのではという声もあります。もちろん、仮想通貨は株と違って会社の成長などが価格に反映されるものではなく、博打の側面が大きいです。

もしお金を使うとしても遊び程度にしておいた方が無難でしょう。

 

アメリカの個別株

アメリカの会社に投資するにあたって、いまどき英語は必要ありません。

たとえば、世界をけん引している次の会社にも日本から投資することができます。

  • Google
  • Amazon
  • Facebook
  • Apple
  • Microsoft
  • CRM(セールスフォース)
  • KO(コカ・コーラ)

今の株価が高くないか見極める必要はありますが、圧倒的成長を見込める会社の株を買うことで、株価が数倍、数十倍に跳ね上がることもあるのが米国株式市場の魅力です。手数料が業界最安のDMM株あたりで買うと良いでしょう。株については、株の始め方、やり方を初心者向けに投資家の税理士が解説でより詳しく解説しています。

定期預金

定期預金は、ミドルリスクローリターンもしくはローリスクローリターンの投資商品です。

いまは超低金利時代なので年利0.003%だそうです。100万円預けて利息が1年間で30円です。インフレしたときに損することになりますし、普通預金で十分ですね。

定期預金とは?メリットや仕組みを投資家の税理士が解説でより詳しく解説しています。

 

不動産投資

不動産投資は、知識が無い状態で不動産会社のセールスマンにすすめられて購入するのはやめておいた方が良いでしょう。不動産は、知識が無いとカモにされてしまうからです。

不動産投資はやめとけ!リスクが高いワンルーム投資:税理士が解説で、不動産投資のリスク等について解説しています。

 

日本の投資信託は大損する可能性高いのでおすすめしない

説明したように、日本の証券会社の窓口などで買う投資信託は、大損する可能性もありますのであまりお勧めはできません。

DMM株SBI証券で、VOOやVTI、1655の方がリスクは低いかなと思います。

また、投資はリスクをどれだけ許容できるかによって最適解が異なります。自身にあった、最適な投資手段を選択しましょう。

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投稿者プロフィール

税理士 坂根崇真
税理士 坂根崇真
【プロフィール】
一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事
税理士

【寄稿実績など】
Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE
会計人コースWeb、事業承継・M&AならBatonz(バトンズ) 専門家コラム、名古屋大原学園 大原簿記情報医療専門学校

【メディア出演実績】
01CHANNEL(株式会社ウェイビー運営)
税理士2.0 AKIRAチャンネル(レッドスターコンサルティング株式会社運営)
TAKA World Peace(株式会社グローバルマーケット運営)

【著書】
相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (2021年発売予定)

【メディア運営】
税理士による相続メディア:あんしん相続税 などを運営(合計:月間10万PV)

【経歴等】
士業など専門家1,500人以上の団体の理事に就任している。業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人の出身であり、売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験も多数あり、創業から上場まで対応が可能である。また、Twitterでは1万人のフォロワーを有しており、経営者や士業が年間数百名参加する交流会を開催する等、強い影響力を持っている。

【事務所情報】
ブラッシュメーカー会計事務所:東京・神田にオフィスを構える税理士事務所です。

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