その節税方法は会社にとって有効か

“節税”という言葉はよく使われますが、実際に会社にとって有効な節税手法というのはあまり多く存在しません。なぜなら、儲けた利益に対して法人税などの税金をかけると国が決めているのに、そこに抜け穴があったら塞がれて当然だからです。

たまに節税商品というものを扱っている業者がいますが、実際はただの脱税(犯罪)に近いものであったり、そもそも税金の支払いは抑えられるけれど、それ以上に無駄な買い物(無駄な支払い)をしてしまう商品も少なくありません。

今回は、節税の種類と、合法的な節税手段について確認していきます。

節税の方法は大きく4種類

節税の方法は、大きく4種類あります。

1つ目に、お金を一旦使うけれどあとから回収する(税金の支払いを先延ばしにする方法)。2つ目に、昔から持っている余分な資産を整理する方法。3つ目に、会社と個人の税率差を活かした節税方法。4つ目に、お金を使う節税方法です。

厳密には他にもありますが、メインはこの4つです。

税金の支払いを先延ばしにする

法人税等は利益に対してかかる税金です。だいたい得られた利益の20%~30%程度を国に支払うことになります。

見方を変えると、経費を計上すれば利益を圧縮できるため、法人税等の税金の支払いを抑えることができます。以前は節税手段として全損保険というものがあり、一旦お金を支払い全額経費に計上して利益を圧縮。数年後に解約してお金が戻ってくる(戻ってきたときの利益になり、税金を支払う)というものがありました。

また、例えば、期末に大きな売上(商品の販売やサービスの提供)が発生することが予測される場合は、司法書士等に依頼し、決算期を変更(前倒し)することによって当期の利益を抑え、法人税等の支払いを抑えるという方法もあります。

ただし、これらの手段はただ単に税金の支払い時期を先延ばしにするだけなので、長い目で見れば効果がありません。

昔から持っている余分な資産を整理する

例えば得意先に請求しても回収できないお金がある場合、回収を放棄することによって経費化したり、過去に購入して余剰在庫となってしまった商品を廃棄等することによる経費化(※)の手段があります。

商品は基本的に、販売するか、著しく陳腐化等しない限り仕入代金を経費化できません。

この手段は、お金を使わずに経費を計上することができるため、方法としてはアリだと思います。ただし、税務上の判断が難しいことが多く、事前に検討が必要となります。また、これらは1回限りの方法であり、そもそも債権回収に力を入れたり余剰在庫を抱えないように努力すべきでしょう。

税率差を活かした節税

会社の税率(法人税等)は利益の20%~30%程度ですが、個人の所得税は15%~55%程です。従って、社長の給料をいくらにするかによって、会社の税率と個人の税率差を活かす節税方法があります。

また、社長が高齢の場合には、会社に利益を残すか、社長個人にお金を残すかによって相続税の節税対策につながることがあります。

なお、この方法は社長1人のようなプライベートカンパニーの場合にとりやすい節税策です。会社規模が大きくなると自分1人の意思では決められない場合もあるため注意が必要です。

お金を使う節税

繰り返しとなりますが、法人税等は利益に対してかかる税金です。従って、経費を計上することによって利益を圧縮し、税金の支払いを抑えるという方法があります。

ただし、法人税等はあくまでも利益の20%~30%程度です。100万円の経費を払ったとしても、節税効果はその20%~30%、20~30万円程度です。無駄な経費を使うぐらいであれば、素直に利益を残して税金を支払ったほうが良いでしょう。

なお、従業員に賞与で報いることで従業員のやる気アップ + 経費化による法人税の節税 + 給与を伸ばした場合の法人税の節税(所得拡大促進税制)という方法もあります。お金は出ていきますが、会社は社長1人で運営するものではありませんから、どうしても税金を支払いたくない場合にはこういった選択肢も悪くはないでしょう。

設備投資にお金を使う場合の節税

国は今、日本経済の発展のために設備投資にお金を使うよう促しています。

例えば、以下の資産への設備投資であれば、最大で設備投資額の10%の法人税の節税を行うことができる可能性があります。

機械装置(大型の製造設備など)160万円以上
ソフトウェア70万円以上
工具・器具備品30万円以上
建物附属設備(空調設備など)60万円以上

また、購入するモノが最新鋭のモデル等であり、メーカーから工業会の証明と呼ばれるものが発行可能な場合、固定資産税を3年間免除できる可能性もあります。

この措置はあくまでも期間限定のため、いずれは無くなることが予測されます。

ブラッシュメーカー会計事務所では、設備投資にあたっての融資のサポートや、これらの節税手段のサポートの対応が可能です。ご興味がある方は、まずはこちらからお問い合わせください。

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パソコンを買っただけで固定資産税がかかる

固定資産を購入した場合、年1.4%の固定資産税がかかります。固定資産税の3年間免除は、認定経営革新等支援機関と呼ばれる税理士事務所などに限ってサポートが可能ですが、意外にも実務経験が無い税理士は多いので注意が必要です。

税金対策(節税)よりも利益が大事

法人税等の税金は、赤字の状態であれば会社維持コスト程度しかかかりません。節税を考える前に、まずは利益を伸ばすことをお勧めします。

法人設立による節税術 – 高年収サラリーマン

高年収サラリーマンが不動産投資などを行う際は、法人を立ち上げて利益を法人で計上することによって、個人と法人の税率差を活かした節税を行うことができます。

資本金はいくらにするべきか

設立時の資本金を1,000万円未満にすることによって、会社設立から2年間は消費税の確定申告,納税義務を無くすという節税方法もあります。

注意事項
※1 本記事は2019年7月現在の法令等に基づき記載しています。
※2 本記事は一般的なケースに基づき記載しています。実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については、弊社では一切の責任を負いかねます。

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投稿者プロフィール

ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
ブラッシュメーカー会計事務所 共同代表・税理士 坂根崇真
業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人を経て、ブラッシュメーカー会計事務所を共同で創業。 売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験など、幅広い業務提供の経験を有する。
現在は代表の河野と共に、主にベンチャー企業・中小企業向けに税務相談・申告書作成や財務コンサルティング業務を提供し、また、自社Webにて120以上の記事を執筆している。

ブラッシュメーカー会計事務所は、東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

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