青色申告のメリット(法人税) 赤字のときこそ必須

税金に馴染みが無い方であっても「青色申告」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。

この記事では、「青色申告」とは何なのか、何が青色なのか、青色申告を行うメリットなどについてご紹介します。

青色申告について

確定申告とは?

会社は年に1度、法人税等の税金を計算した書類の提出と、法人税等の支払いを行わなければなりません。

確定申告とは、この、支払うべき税金を計算し、その計算した書類(確定申告書)を税務署に提出する手続きを指します。

青色申告とは?

確定申告の方法に大きく2つあります。

1つが確定申告書を白色の紙で提出すること、これを白色申告と呼びます。

もう1つ、確定申告を青色の紙で提出すること、これを青色申告と呼びます。

ただし、現在は、上記のように申告書の右上に「青色申告」と書かれており、そこで白色申告か、青色申告か判別できるようになっています。

白色の紙で確定申告を行ったからといって問題になったケースは聞いたことがなく、また、現在は電子データによる確定申告(電子申告)がメインになりつつあるため、青色申告という呼び方は単なる過去の名残りとなっています。

もちろん、確定申告を「白色申告」と「青色申告」とわけていることには理由があり、青色申告を行う場合、様々なメリットが存在します。

ただし、青色申告は単純に、青色の紙で申告書を提出すれば良いというものではありません。

青色申告に限った話しではありませんが、税金の取り扱いでメリットを受けるためには、基本的に要件があります。

以下では、青色申告のメリットや、青色申告を行うための手続きについて確認していきます

青色申告のメリット

赤字の繰越ができる

法人税等は、会社が1年間で儲けた利益(所得)に対してかかる税金です。

従って、赤字が生じた年については法人税等の支払いがほとんど生じません(※)。

ただし、この考えに基づけば、以下のように赤字が生じた年の翌年に利益が出た場合は原則通り税金が発生します。

白色申告利益法人税等
(会社維持コスト除く)
備考
今年△100万円0赤字のため、会社維持コストのみかかる※
翌年40万円約8~12万円利益40万円に対し、税金(20~30%程度)がかかる

 

一方で、青色申告を行う場合は赤字の繰越ができるため、以下のように翌年以降に生じた利益と通算し、節税を行うことができます。

青色申告利益法人税等
(会社維持コスト除く)
備考
今年△100万円0赤字のため、会社維持コストのみかかる※
翌年40万円0翌年の利益40と今年の赤字100を合計すると通算赤字(△60)で利益が出ない。
従って、維持コストのみかかる

※赤字であっても、会社の維持コストとして法人住民税が年最低7万円(東京都23区の場合)かかります。

うちの会社は赤字にならないと開業前に考えていたとしても、特に開業初年度は支払いが先行し、赤字になりがちです。

色々と設備を調達したり従業員の給与を支払ったり、事業を行ううえでは売上がたつ前に各種経費の支払いが先行します。

節税のための最低条件

会社が設備投資などを行った場合に、法人税等の税額控除(節税)を行える場合があります。

ただし、こういった節税メリットを受けられるものは青色申告が最低条件となっているものが多いです。

従って、会社を経営するうえで青色申告は必須です。

他にも色々と青色申告のメリットはありますが、反対に白色申告を行うメリットが無いため通常は青色申告を行います。

 

青色申告の要件は大きく2つ

青色申告は、ただ青色の紙で出せば良いという単純なものではありません。

青色申告の要件を満たし、事前に税務署の許可をもらう必要があります。

 

税務署の事前承認が必要

青色申告を行いたい場合、事前に税務署に書類を提出し、青色申告を行うことについて許可を受けなければなりません。

具体的には、法人設立後3か月以内などの期間内に、税務署に対して「青色申告を行います」ということをお知らせするための書類(青色申告の承認申請書)を提出する必要があります。

なお、「会社設立時にだれに依頼するか」という点で注意が必要です。

司法書士でも会社設立のサポートは可能ですが、青色申告の申請書などの作成を行うことはできません。

青色申告の申請書などの書類は「税務書類」であり、税務書類の作成サポートは税理士にしか行うことができない業務とされているからです(税理士以外がサポートした場合、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金が科されます)。

一方で、会社の設立登記は司法書士しかサポートすることができません。

従って、ブラッシュメーカー会計事務所では、提携の司法書士と連携し、法人の設立から青色申告の申請書などの提出サポート、或いは融資の支援など、起業に関連する法律業務を一貫してサポートが可能です。

まずはお気軽にお問い合わせください。

複式簿記などの会計ルールに従う

青色申告を行うためには、日々の取引を会計のルール(複式簿記)に従って帳簿付けを行う必要があります。

青色申告を行う会社は、資産,負債などに影響を及ぼす一切の会社取引について、複式簿記の原則に従って整然かつ明瞭に記録し、その記録に基づいて決算を行う必要があります。

また、青色申告を行う会社は、仕訳帳・総勘定元帳・棚卸表など必要な書類を備えなければならず、かつ、その事業年度終了の日(3月決算の会社であれば3/31)現在における貸借対照表(B/S)及び損益計算書(P/L)などの書類を作成しなければなりません。

上記の内、棚卸の在庫管理は会社が行う必要がありますが、仕訳帳や総勘定元帳など、会計に関連するものは、経理部が無ければ税理士に作成を依頼するケースが一般的でしょう。従って、会計ルールに従うという点が問題になるケースは少ないです。

ただし、通常起業当初は税理士に帳簿作成も依頼されることが一般的なため、青色申告によって法人税の確定申告を行ううえで気にする点は多くないでしょう。

青色申告を行っていない場合のデメリット

法人税には、推計課税と言って、税務署が推測で支払うべき税金を決めることができる取り扱いがあります。

そもそも、法人税は会社が自ら支払うべき税金を計算し、支払う制度となっています。

しかしながら、会計ルール等に従っておらず、青色申告を行っていない(適当な申告を行っている)場合、税務署が資料を基に支払うべき税金を推測し、支払わせることが可能となっています。

もちろん、適正な書類の備え付けが要件とされている青色申告を行っている会社であれば、推計課税を受けることはありません。

青色申告を行う会社は、税務調査を受け、調査によって申告に誤りや税務署と法解釈の相違がある場合等に限って罰金等のリスクを負います。

一方で、会計ルール等に従わず、青色申告を行っていない会社については、税務署による推計課税のリスクを負っているという点に注意が必要です。

 

以上、青色申告のメリットや手続きについて、簡単にご紹介しましたがいかがでしょうか。

青色申告に限らず、税金の取り扱いは、知っていれば税金を減らせることがある一方、知らないでいると大損するケースも少なくありません。

税理士は会社の中身をすべて逐一把握しているわけではないため、面談頻度があまりにも少ないと、お客さんも税理士も気が付かないうちに提出すべき、提出した方が良い書類の提出が手遅れになってしまうケース。

連携不足によって中途半端な決算書や申告書が作成された結果、税務調査で問題になったり、融資を受けにくくなることもあります。

依頼する税理士を探す際は、常日頃から相談しやすい方、コミュニケーションを取りやすい方を探すことも大切です。

ブラッシュメーカー会計事務所では、毎月若しくは3か月に1度お会いする機会を設けることをお勧めしています。

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税理士には色々なタイプの方がいますが、税金に関する基礎の知識が無い方に丁寧に説明してくれるかどうか、気軽に相談に応じてくれるかどうか等、ご自身のニーズに応じて依頼する方を検討しましょう。

まずはご自身が依頼すべき税理士像を明確化することが大切です。

注意事項
※  本記事は、2019年7月現在の法令等に基づき記載しております。
※2 本記事は、一般的なケースを記載しておりますので、実際の申告等にあたっては顧問税理士等へご相談ください。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失については、弊社では一切の責任を負いかねます。

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投稿者プロフィール

税理士 坂根崇真 / インフルエンサー
税理士 坂根崇真 / インフルエンサー
【プロフィール】
一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事
株式会社坂根ホールディングス 代表取締役
税理士 / インフルエンサー

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士業など専門家1,500人以上の団体の理事に就任している。業界最大手のデロイトトーマツ税理士法人の出身であり、売上高数千億円規模の外資系企業の申告や、個人資産百億円規模の方の税務相談経験も多数あり、創業から上場まで対応が可能である。また、Twitterでは7,000人のフォロワーを有しており、経営者や士業が年間数百名参加する交流会を開催する等、強い影響力を持っている。その他、オウンドメディアで140以上の記事を執筆している。

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ブラッシュメーカー会計事務所:東京・市ヶ谷にオフィスを構える税理士事務所です。

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