記帳・経理

飲食店の経理・記帳|毎日・毎月・決算で何をする?

税理士 坂根崇真

新宿で税理士事務所を開業した経験があり、現在も多くのお客様を支援しています。事務所の累計融資サポート実績は2億円以上。自身も累計1億円以上の借入経験があり、借り手の立場も踏まえ、サポートしています。元飲食店経営者のスタッフも在籍しており、飲食店開業支援に強みを持っています。

悩んでいる方
飲食店の経理は、毎日レジを締めて領収書を残しておけばよいのでしょうか。

毎日の売上と現金を資料で確かめ、その記録を月ごとの入金・支払・残高につなぎ、年末や決算日に在庫・設備などを整理するのが基本の流れです。レジ締めは大切な出発点ですが、入金待ちの売上、未払いの仕入、借入や設備も合わせて見ることで、店の帳簿がまとまります。

閉店後に片付けと翌日の仕込みを済ませ、レジの数字だけメモして帰る。しばらくして通帳を見ると、カードの入金や仕入先への支払がまとめて動き、どの日の取引か分からなくなる。こうした場面を想定すると、経理で困る理由は数字の計算だけではなく、店の資料が別々の場所にあることだと分かります。

この記事では、個人・法人の飲食店で、日々の記録を月次締めと決算へつなぐ全体の進め方を紹介します。経理を店主がすべて一度に覚えるより、いつ何を残し、どこで照合し、どの判断を専門家と整理するかを決めると、営業と両立しやすくなります。

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経理が整うと、店の数字を説明しやすくなる

飲食店では、売上が発生する日と銀行へ入金される日が違うことがあります。食材を受け取る日、請求書が届く日、仕入先へ払う日も同じとは限りません。店の営業とお金の動きが別の時期に進むため、通帳の増減だけでは、その月の売上や費用が見えにくくなります。

経理の役割は、これらをつなぐことです。何を販売し、何に費用がかかり、いくら未入金や未払いが残り、今どれだけ資金があるかを整理します。申告用の数字を作るだけでなく、「売上は伸びたのに支払が厳しい」「決済の入金が合っているか分からない」といった疑問を考える材料にもなります。

帳簿は、数字を入力することと、数字を説明できることの両方を意識すると使いやすくなります。例えば、カード売上の金額が入力されていても、どの精算明細とつながるか分からなければ、入金時に同じ売上をもう一度登録してしまうことがあります。

店の状況に合わせた経理の流れを作るとは、難しい帳簿を増やすことだけではありません。営業で作っている日報、仕入先から届く請求書、決済会社の明細などを、後からたどれる形に整えることです。

はじめに、店の資料と帳簿の関係を並べてみる

日報はレジに、カード明細は管理画面に、食材の請求書は納品書の束に、家賃は通帳に残っているかもしれません。まずは、自店でどんな資料が、どこに、どの周期で出てくるかを見てみます。

表は横にスクロールできます。

店で残る資料 帳簿でつなげる数字 見る目的
POS・レジの日報 決済別の売上、返金・取消 店で発生した売上を把握する
決済・デリバリーの精算明細 未入金の売上、手数料、入金 売上が資金へ変わる流れをたどる
食材の納品書・請求書 仕入、支払、未払い、在庫 食材の動きと費用・資金をつなぐ
経費の領収書、契約、給与記録 支出の用途、費用の期間、支払状況 店の費用を説明できるようにする
現金実査、銀行明細 現金・預金残高 帳簿と実際の残高を比べる

全部を新しい書式へ書き直すところから始めると負担が大きくなります。既にある資料を生かし、共通の日付や管理番号、対象期間が分かるようにしておくと、取引を結び付けやすくなります。

資料が出てくる場所を一覧にすると、取り忘れにも気付きます。決済明細は店主だけが取得できる、給与の情報は別の担当者が持っている、といった事情が分かれば、誰がいつ渡すかを決められます。税理士や記帳を担当する人へ任せる場合も、この資料の入口を共有することが役立ちます。

個人の事業には、所得税の申告が不要な場合も記帳・帳簿等の保存の制度があります。法人にも取引の記録と帳簿書類の保存が必要です。白色申告、青色申告、法人では帳簿や保存条件が違うため、自店の事業形態を最初にそろえておきます。

毎日することは、その日の営業を後からたどれる形にする

日々の経理を営業後の負担にしすぎないためには、後日では分かりにくくなる情報を優先して残すと続けやすくなります。その日の現金、取消や返金、レジ現金から払った経費、普段と違うお金の動きなどです。

日報の売上だけ見れば済む日もあれば、両替、預入、立替などが重なる日もあります。記録する項目は店の運用に合わせて選べますが、「何が起きたか」が分かるメモがあると、月末の調査を短くできます。

売上は、決済方法が分かる状態で残す

現金、カード、QR決済、デリバリーなどは、お金が店へ入る経路が違います。日報で売上の全体と決済別の内訳が分かれば、現金実査や後日の入金と照合できます。

取消や返金があった日は、それが日報にどう反映されるかも残しておくと便利です。「売上の合計がいつもと違う」と後で感じても、当日の事情をメモしてあれば、同じ資料を何度も探す手間が減ります。

深夜まで営業するバーや居酒屋では、日付をまたぐことがあります。どの営業日の締めへ含めるか、レジの日報と店の管理で日付をどう扱うかをそろえると、売上集計を続けやすくなります。税務の対象期間に関わるところは、店の記録方法と合わせて整理します。

現金は、レジの数字と実際に数えた額を比べる

レジに残る現金は、現金売上だけで決まりません。釣銭の準備額、レジから払った経費、銀行への預入、両替なども関係します。売上が正しくても、これらの記録が抜けると残高が合わなくなることがあります。

日々の実査では、記録から計算した残高と、実際に数えた現金を比べます。合わないときに、まず数え直しや資料の確認ができるよう、差額と調べたことを残しておくと翌日の担当者にも引き継げます。

現金の差額があったこと自体を店主の記憶だけに置くと、後から原因を探すのが難しくなります。「預入の控えを探している」「経費の領収書はあるが出金メモがない」といった状態でも、その日のうちに残す意味があります。

仮定例:閉店時の現金が700円合わないとき

営業開始時の現金30,000円に、その日の現金売上45,000円が入り、レジから店の経費3,300円を払い、50,000円を銀行へ預けたとします。追加の両替や返金はありません。単位は円、売上と支出は税込の記録です。現金の照合を説明するための仮定で、当センターの顧客事例ではありません。

表は横にスクロールできます。

現金の動き 金額
営業開始時の現金 30,000円
現金で受け取った売上 +45,000円
レジから払った店の経費 -3,300円
銀行へ預けた現金 -50,000円
記録から計算した閉店時現金 21,700円
実際に数えた閉店時現金 21,000円
実査額-計算上残高 -700円

計算は、30,000+45,000-3,300-50,000=21,700円です。実査は21,000円なので、記録から想定する現金より700円少ない状態です。ここで分かったのは差額であり、原因までは決まっていません。

まず現金を数え直し、経費、預入、取消・返金、釣銭のやり取りなどを見直します。50,000円の預入の控えはあるか、3,300円以外にもレジから払ったものがあるか、担当者の交代時に現金が動いていないかなど、店の資料へ戻って考えます。

日報の売上45,000円を44,300円に変えると数字だけは合うように見えますが、差額の理由は分からないままです。売上の事実を残し、700円の差額を別に記録しておく方が、後で原因に合った処理を選びやすくなります。

原因がその日に分からない場合は、いつ、どれだけ、何を調べたかを残し、月次の整理へ引き継ぎます。税務上の最終的な扱いは事実に合わせて判断します。金額を帳簿へ合わせることと、取引を正しく説明できることを並行して進めるイメージです。

銀行へ預けた50,000円は、店の現金が預金へ移ったものです。新たな売上が増えたわけではありません。現金売上の記録と銀行入金を結び付けることで、同じ売上を二度入れることも防ぎやすくなります。

仕入と経費の資料は、用途も一緒に残す

食材や飲料の納品書は、営業が忙しいと厨房や棚へ置いたままになりやすい資料です。請求書が来たときに納品の内容をたどれるよう、対象期間と取引先ごとにまとめておくと、仕入と支払の確認が進みます。

経費の領収書は、何を買ったかだけでなく、何のために使ったかが分かると帳簿につなげやすくなります。同じ店で買ったものでも、厨房用の消耗品、店主の私物、設備として長く使うものでは整理の仕方が違うためです。

店と自宅で共用する通信費などは、利用実態が分かる情報を残します。用途や業務部分を知っているのは店主でも、領収書だけでは分からないことがあります。後から用途を聞かれる前に一言添える習慣があると、記帳する人とのやり取りを減らせます。

従業員が店の買い物を立て替えた場合は、元の支出の資料と、店から精算した記録を結び付けます。立替の支出と精算の両方を別々の経費にすると重複しやすいため、同じ取引の流れとして見えるようにします。

この段階で、すべての税務判断をその日のうちに終える必要はありません。日付、相手、内容、用途、支払状況が残っていれば、判断が必要なものを分け、帳簿を整理する時点で扱えます。

毎月は、店の資料と帳簿の残高をつなぐ

日々の記録を集めただけでは、未入金や未払いが残ったままになりがちです。月ごとの整理では、売上、入金、請求、支払、残高の関係を確かめ、翌月へ何が続くかを見えるようにします。

「今月も入力が終わった」で区切るより、現金と預金が合うか、決済の入金待ちを説明できるか、支払予定の請求書がまとまっているかまで見ると、数字を使いやすくなります。

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月次で見るもの 確かめたい状態
売上 日報の月合計と帳簿がつながる
現金・預金 実査・銀行明細と帳簿の残高がつながる
決済の未入金 どの売上が、いつ入金されるか分かる
仕入・経費の未払い どの請求が未払いか、支払予定をたどれる
原価と在庫 仕入額だけでなく、在庫や廃棄等を踏まえて見られる
設備・借入 取得、残高、返済元本と利息を区分できる
不明な数字 差額、資料不足、判断待ちが一覧になっている

毎月の作業を一度に終えようとして止まるときは、資料がそろった部分と、相手先の情報待ちの部分を分けられます。請求書が未着なのか、処理の判断が必要なのか、数字が合わないのかが分かれば、担当者や次の行動も決めやすくなります。

分からない取引は、何が分からないかを残す

月次で手が止まったものを、一つの「不明」の箱へ入れると、翌月も同じところから探し始めることになります。資料が届いていない、金額が合わない、用途が分からない、税務の判断をしたい、と理由を分けると、次の行動が見えやすくなります。

資料待ちなら取得する人や取引先を決められます。用途が不明なら、買った人や使っている人へ確かめられます。税務の判断で止まっているなら、明細と用途をまとめて専門家へ伝える材料になります。すぐ答えを出せなくても、作業がどこまで進んだかを残せます。

この記録は、経理を担当する人の交代や外部へ依頼する場面でも役立ちます。「入力が終わっていない」だけでなく、なぜ途中なのかが分かれば、店側でできる準備と依頼したい作業を分けて話せるためです。店主の記憶だけに頼らず、月の整理から次の担当者へ渡せる形にします。

カードやQR決済は、売上と入金を両方見る

キャッシュレス売上は、売上の発生と銀行入金が別の日に動くことがあります。月末に入金待ちが残っていれば、その金額が翌月の明細へつながるかを見ます。手数料や返金など、売上と入金の差を説明できる精算明細も使います。

通常の個人の所得税では、代金の入金だけで収入を計上する年を決めるものではありません。現金主義の特例を適用する場合などは、自店の方法に合わせて整理します。どの方法で帳簿を付けているかが分かると、月末や年末に同じ考え方で処理を続けられます。

決済サービスが増えたときは、サービスごとに明細の出方や精算の時期を把握します。細かな操作方法は使うサービスの現行マニュアルに沿い、店の帳簿とのつながりを共通の視点で見ます。複数のサービスを一つの入金と考えず、それぞれの流れが説明できることが目標です。

銀行残高と、月の利益は別の情報

銀行口座には、売上入金のほか、借入の入金、返済、設備の購入、店主との資金のやり取りなども出てきます。通帳残高が増えた理由が、売上によるものとは限りません。

月次では、収入と費用から見る利益、未収未払を含む残高、実際の資金の動きを並べます。利益の資料だけ見て支払を判断するより、翌月の仕入や給与、借入返済へつながる金額も分かると、店の状況を話しやすくなります。

預金が減った月に、「経費が増えたはず」と入力から考えるのではなく、何の支払で減ったかを資料から見ることが役立ちます。資金移動なのか、返済なのか、費用なのかが分かると、その月の数字の意味が変わります。

食材の仕入を、原価や在庫へつなげる

食材を受け取った量と、売れた料理、残った在庫は別々の情報です。まとめ買いをした月は仕入が増えても、その分がすべて使われたとは限りません。仕入と原価を分けて見ると、月の営業の状況を考えやすくなります。

在庫を把握するには、店の商品の特性と運用に合う資料が必要です。食材、酒類、消耗品など、残り方や数え方が違うものを分け、どの時点の記録かが分かるようにしておきます。具体的な棚卸作業は、扱う品目に合わせて整えます。

廃棄、自家消費、まかないなど、販売以外に使ったものの記録も、原価や税務の整理の材料になります。営業中に起きたことを後から全部思い出すのは難しいため、自店で残せる記録を選んでおくと使いやすくなります。

経理全体の流れとしては、仕入の資料を残し、必要な在庫や用途の情報を集め、月次や決算へつなぐことを意識します。毎日の記録から切り離された年末作業にせず、普段の営業とつながる形を作ることに意味があります。

これから新宿で飲食店を開く方は、税務の準備と一緒に開業資金の計画も整えておきましょう。融資支援の内容や担当者は、下のページでご覧いただけます。

設備と借入は、支払額だけで費用にしない仕組みを作る

厨房設備の購入や内装工事があると、店の預金が大きく動きます。これらは通常の食材や日々の経費と整理の仕方が違うため、資料を別にまとまるようにしておくと、その後の判断が進みます。

設備の取得では、何を買い、いつ取得し、いつ使い始めたかを残します。長く使う資産は通常、減価償却によって使用期間へ費用を配分します。少額資産などの特例の扱いも、金額だけでなく取得時期や申告の条件が材料になります。

借入は、入金、残高、返済元本、利息が分かる資料をそろえます。元本返済は借入残高を減らす取引で、事業用の利息は費用として別に扱います。返済の引落額を丸ごと経費に入れるより、明細と対応させることで残高も確かめられます。

設備を借入で買った場合は、設備の取得と借入、毎月の返済と減価償却が、それぞれの資料で続いていきます。申告へ使う費用の数字と、資金の流れが分かれる場面です。月次でこの関係を整えておくと、決算時に支払の経緯から調べ直す負担を減らせます。

税務の専門家と帳簿を整理する場合も、設備の用途や実際の使用開始日は店から伝える情報です。購入の明細と、店で使っている事実の両方があると、判断に使う材料がそろいます。

年末・決算は、毎月の記録に整理を加える

個人は原則として12月31日、法人は自社の決算日に、在庫や残高、年をまたぐ取引を整理します。毎月の記帳と照合が進んでいれば、決算は1年の取引をすべて調べ直す作業ではなく、その記録へ必要な整理を加える形になります。

年末の食材や酒類の棚卸、未入金の売上、未払いの請求、前払い、設備、借入残高などを順に見ます。月次で残していた不明点も、どこまで分かったかを振り返り、判断が必要なものをまとめます。

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決算へ引き継ぐもの 用意しておくと役立つ情報
在庫 決算日の数量と金額が分かる表・元資料
未入金の売上 売上の期間、相手先、後日の入金状況
未払い・前払い 請求内容、対象期間、支払状況
設備 品目、取得・使用開始日、明細、従来の資産資料
借入 残高、返済元本、利息の資料
判断待ちの取引 用途や事情、判明している事実のメモ

この整理を基に、個人の決算書・収支内訳書や法人の決算書を作成します。所得税や法人税、消費税などは、その事業形態と課税状況に合わせて進めます。

決算で見つかった不足は、翌年の運用へ戻す材料です。設備資料が探しにくかったなら取得時にまとめる、入金待ちが分からなかったなら決済明細の取得を定期化する、といった改善につながります。

紙と電子の資料を、探せる形で保存する

経理の資料は、紙の領収書だけでなく、メール、ウェブの管理画面、電子で送られる請求書などにも分かれています。保存の仕方を決めるときは、資料が紙で届いたのか、電子で受け取ったのかを分けて考えます。

電子取引の請求書等は、電子データで保存する取扱いが基本です。原則の保存では、改ざん防止、画面等での確認、日付・金額・取引先による検索などの要件があります。検索要件の免除や猶予措置には条件があるため、自店に当てはまる運用を選びます。

「印刷して同じ封筒へ入れたので終わり」と思っている資料があれば、元の電子データもどこに残るかを見るところから始められます。取引先の画面にあるもの、メール添付で届くもの、店の端末で取得するものを一覧にすると、保存の漏れを探しやすくなります。

紙を撮影して元の紙に代えるスキャナ保存は、電子取引とは別の要件があります。スマートフォンで写真を残している場合も、元の紙をどう扱うかと、税務の保存条件を合わせて整理します。

個人・法人、申告の種類、資料の種類で保存期間や条件も変わります。記帳の担当を替えるときやソフトを変更するときは、過去の帳簿と証拠を取り出せる状態を引き継ぐことが大切です。保存を単なる片付けではなく、数字を後から説明するための仕組みとして考えると、店の運用へ組み込みやすくなります。

会計ソフトは、記録の流れが分かると使いやすくなる

レジや銀行明細を会計ソフトへ取り込めると、入力の負担を減らせる場合があります。ただ、取り込まれたデータが何の取引を表すかは、店の運用と合わせて整理します。

例えば、レジ連携で売上を取り込み、銀行明細でも入金を取り込む場合、どちらも新しい売上として登録すると重複することがあります。売上とその回収をつなぐ処理が分かれば、自動取込の後でどこを見るかも決めやすくなります。

利用できるサービスや消込方法は製品によって違います。freeeの公式飲食店向けマニュアルも、レジ・決済連携と未決済取引の消込みを別の工程として案内しています。製品の現在の仕様を見ながら、自店で残す資料と帳簿の数字を対応させて使います。

ソフトを選ぶ前に、店のレジ、決済、店舗数、入力する人、資料を受け渡す人を整理すると、必要な機能を考えやすくなります。便利な連携があるかに加え、差額が出たときに元の資料へ戻れるかも、日々の運用には重要な視点です。

自分の店で続けられる作業表を作る

毎日、毎月、決算の仕事をまとめた作業表があると、店の営業と経理の分担を話しやすくなります。次は、役割を考えるための整理例です。法令が一律にこの周期や締日を指定している表ではなく、店の支払日や営業の仕方に合わせて調整するものです。

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周期 店で集める・確かめるもの 帳簿へつなぐもの
営業日ごと 日報、実査、取消・返金、出金・仕入資料 売上と現金の動き、差額
毎月 決済・銀行明細、請求書、給与、必要な在庫 残高、未収未払、月次の収入と費用
年末・決算 棚卸、設備・借入残高、年をまたぐ取引 決算の整理と申告の数字
随時 設備購入、契約・従業員・事業形態の変更 取引の判断と必要な手続き

作業の名前だけでなく、終わった状態も一緒に決めると使いやすくなります。「明細を取得する」なら保存場所まで、「現金を確認する」なら差額と調査のメモまで、という形です。次の担当者がどこから作業を始めるかが分かります。

店主が仕入や営業を担当し、家族が資料をまとめ、外部の専門家が税務を整理するなど、役割は店によって違います。誰が何を知っているかを踏まえると、店主にしか分からない用途や、資料だけで進められる作業を分けやすくなります。

担当者が休んでも資料が見つかるよう、保管場所と取得方法を共有しておくことも役立ちます。店の運用を大きく変えなくても、資料を置く場所と不明点を残す場所が決まるだけで、月末の作業を始めやすくなります。

記帳を依頼する価値は、数字を店の判断へつなぐこと

経理を自分で続けるか、支援を受けるかを考えるときは、入力の量だけでなく、照合や判断で止まっているところを見てみます。日報や領収書が残っていても、決済の未入金、設備の処理、私用が混ざる支出などで手が止まることがあります。

税務の専門家と整理することで、何の資料が不足しているか、どの数字を合わせればよいか、どの扱いを判断するかが見えやすくなります。店側の仕事を残す部分と依頼する部分を選ぶ材料にもなります。

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困っている状態 最初に伝えられること 整理すると得られるもの
売上と入金が合わない 使う決済サービス、合わない期間、ある明細 差額の原因を調べる順番
記帳がたまっている 入力済みの期間、残る資料、営業の状況 次へ進める作業の範囲
設備や借入が増えた 明細、使用開始、返済資料 費用と資金の関係
月次の数字を見ても分からない 知りたいこと、支払や売上の悩み 店の判断へ使う見方
開業前に経理を決めたい レジ・決済・資料の予定、役割 日々続けられる記録の入口

支援の実際の分担は、店の資料、事業形態、依頼する内容に合わせて決めます。店主が資料をそろえる必要があるところと、専門的な判断を求めたいところを一緒に整理すると、期待する支援を伝えやすくなります。

毎月の帳簿が整うと、年末や決算に初めて問題へ気付く機会を減らしやすくなります。営業の忙しさを踏まえ、続けられる資料の残し方を作ることも、経理支援を考える価値の一つです。

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使っているレジや決済サービス、個人・法人の別、入力済みの期間、手元の資料が分かると、必要な整理を考えやすくなります。全部を調べ終えてからでなくても、分かることと不明なことを分けて伝えられます。

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税務監修:税理士 坂根崇真

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