開業融資

飲食店が日本政策金融公庫で開業融資を申し込む流れ

税理士 坂根崇真

新宿で税理士事務所を開業した経験があり、現在も多くのお客様を支援しています。事務所の累計融資サポート実績は2億円以上。自身も累計1億円以上の借入経験があり、借り手の立場も踏まえ、サポートしています。元飲食店経営者のスタッフも在籍しており、飲食店開業支援に強みを持っています。

悩んでいる方
自分のお店を開きたいのですが、公庫の融資は何から始めればいいのでしょうか。物件もまだ契約していません。

まずは、開きたいお店の計画、必要な資金、物件候補の資料をそろえ、公庫の申込案内に沿って準備を進めましょう。一般的な流れは、準備・申込み、面談と審査、融資条件の確認、契約、入金です。申込みを済ませただけで借入額や入金日が決まるわけではありません。

ここでは、公庫を初めて利用して飲食店を開業する方に向けて、各段階で何をするかを整理します。制度の選び方や資金計画の全体像は、飲食店の開業融資ガイドで確認できます。

まだ資料が完成していなくても、現在決まっていることと、これから決めることを分ければ準備を始められます。物件契約や工事代の支払いが迫っている場合は、その期日を最初に書き出しておきましょう。

読みたいところから確認する

申込み前に、お店とお金の計画を一枚にまとめる

融資を申し込む前に、次の五つを説明できる状態にします。

  • どこで、誰に、どのような料理やサービスを提供するか
  • これまでの勤務経験を、お店の運営にどう生かすか
  • 内装・厨房設備・物件費用などに、いくら必要か
  • 自分で用意する資金と借入希望額がいくらか
  • 開業後の売上、支出、返済をどう見込んでいるか

最初からきれいな文章にする必要はありません。メニュー案、物件の募集図面、見積書、勤務経験のメモを並べ、創業計画書の数字とつながるように整理します。

例えば、計画書では20席なのに物件図面では厨房を広く取りすぎて16席しか置けない場合、売上の見込みも見直しが必要です。資料を集める作業と計画を考える作業は、行き来しながら進めると無理が出にくくなります。

公庫の「創業の手引+(飲食業)」は、資金調達の準備が整ってから物件の本契約を結ぶことを勧めています。契約前の確認が必要な方は、募集資料、想定する内装、支払条件をそろえて、申込窓口へ現在の段階を伝えてください。

準備の完成度を、項目ごとに分ける

物件も内装もメニューも決まっていないと、「もう少し固まってから」と準備を先延ばしにしやすいものです。反対に、物件だけ決まったために、資金の見通しがないまま申込みへ急ぐこともあります。お店の計画を一括で完成・未完成に分けず、項目ごとに現在の状態を確認しましょう。

例えばカフェを考えている方なら、提供するメニューと対象客は決めていても、物件は候補の段階、内装は概算、自己資金は残高を確認済み、といった状態があり得ます。この場合は、決まった項目を計画の土台にし、物件の条件が変わると影響する数字を仮置きとして区別します。概算を正式な見積と見せる必要はありません。

次に、「誰の回答を待っているか」を書きます。物件図面なら不動産会社、設備の見積なら業者、制度の対象や提出方法なら公庫、許可に関わる施設条件なら担当窓口です。一つの項目を自分だけで調べ続けるより、確認する相手を決めると、次の作業が見つかります。

申込み前に資料の不足が分かったら、現在の段階を添えて公庫へ準備方法を確認してください。この記事のチェック表で欄が埋まったことだけをもって、受付に必要な条件を満たしたと判断するものではありません。選んだ制度と、現在の申込案内をもとに進めます。

開業前と、開業後の申込みを区別する

同じ「飲食店の開業融資」でも、営業前の方と、営業を始めた方では説明する資料が変わります。営業前は、これから実行する計画と、その根拠となる見積や物件資料を整理します。営業後なら、計画に加えて実際に起きた売上や支払い、契約済みの費用を分けて伝えましょう。

まだ申告していないことと、取引の記録がないことは別です。営業を始めたばかりなら、日々の売上、仕入、家賃、口座の入出金などを残しておくと、現在の状況を確認できます。過去の申告書や法人の試算表をどの範囲で用意するかは、申告状況と現行の案内に沿って確認してください。

すでに別のお店を営んでいる方や、法人の新店舗として出店する方は、その事実も最初に伝えます。新店舗の計画だけを見せて、既存事業の借入や支払いをなかったことにはできません。既存事業と新店舗の資料を区別し、全体の資金調達がどうつながるかを確認します。

開業前に個人から法人へ変更する予定がある場合も、申込人、物件契約者、見積の宛名、送金口座が誰になるかを確認します。先に入力した情報だけを残して法人名へ進めるのではなく、どの時点で変更を伝えるか、申込先へ確かめてください。法人設立の手続きそのものは、別の準備として管理します。

申込窓口と融資制度を確認する

公庫の創業予定者向け案内では、通常、個人で創業する方は創業予定地、法人で創業する方は本店所在地の近くの支店が窓口になります。予定地が遠方の場合などは、住まいの近くの支店へ確認する案内もあります。

「新宿に住んでいるから、必ず新宿の同じ支店」と決めつけず、店舗予定地と個人・法人の別を伝えて確認しましょう。申込み前のオンライン・支店窓口での相談は、事前予約の案内があります。

飲食店では、創業向けの融資のほかに生活衛生関係の融資も検討対象になります。制度により資金使途や追加資料が違うため、最初に使う制度を確認すると、後から書類を取り直す手間を減らせます。

現行の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方を対象とする制度です。一方、公庫の創業期向けの原則無担保・無保証人の案内は、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象です。制度を使える期間と、この取扱いの対象期間を分けて確認します。

申込情報と電子データを準備する

事前確認では、何を聞くかを一枚にまとめる

制度についての質問、書類の質問、支払期日の質問が混ざると、必要な回答を聞き漏らしてしまいます。公庫へ事前確認をする場合は、まず業態、店舗予定地、個人・法人の別、開業前・開業後の状況を伝え、そのうえで分からない点を順に確認しましょう。

聞きたいことは、今の状態と、判断したいことを組にします。「営業許可はまだ取得前ですが、申込時に用意する資料と、その後の提出時点を確認したい」「設備見積が改訂予定ですが、どの段階で最新版を提出するか知りたい」といった整理です。単に「融資はできますか」と聞くより、準備の次の一歩を確認しやすくなります。

物件契約や工事着手金の期限がある場合は、希望する開店日だけでなく、支払う相手と現在分かっている期日も伝えます。ただし、期日を伝えればその日までの入金が保証されるわけではありません。借入先へ確認することと、貸主・業者と日程を調整することを並行して進めます。

回答を受けたら、制度名、申込方法、必要な準備、次に確認する時点を短くメモに残してください。知人が以前に借りた制度名や、古い申込様式と混ぜないようにします。個別に聞いた回答を、すべての飲食店に当てはまる条件として扱わないことも大切です。

インターネット申込みは、日本公庫ダイレクトへのログイン、申込情報の入力、書類のアップロードという流れです。会員登録が済んでいない場合は、その準備も必要になります。

設備資金の申込みには見積書を用意します。これから事業を始める場合や開始して間もない場合には、創業計画書を準備します。本人確認資料、送金先口座の資料、法人の場合の履歴事項全部証明書などは、現在の案内で自分に該当するものを確認してください。

営業許可がまだ取れていない段階で、許可証をどう扱うかも気になるところです。公庫の現行申込案内では、現在未取得でこれから取得予定の場合、申込時の許認可証の準備は不要とされています。ただし、営業に必要な許可が不要になるわけではありません。取得予定と提出時期、入金に関する条件を担当者に確認しましょう。

提出前には、氏名・屋号、店舗所在地、借入希望額、開業予定日が各資料で一致しているかを見直します。古い見積書と新しい計画書が混ざると、何が変わったのかを説明する手間が増えてしまいます。

入力する前と、送信した後の作業を分ける

入力する前は、計画書、採用する見積、申込人や店舗の情報を同じ版へそろえます。画面を開いてから数字を決めると、途中で別の見積を見つけて戻ることがあります。借入希望額、設備・運転資金の内訳、自己資金を、手元の資料で確認できるようにしてから入力すると進めやすくなります。

電子データは、ファイルが開くことと必要なページが読めることを確認します。資料ごとの詳しい集め方や版管理は必要書類の準備で扱うとして、ここでは「申込情報と添付資料が対応しているか」を見ます。例えば、店舗候補を変更したのに、以前の物件向けの設備見積を添付したままなら、変更の説明が必要です。

送信後は、申込みが完了したことを確認できる記録と、提出した資料の一覧を残します。入力を途中で保存した状態、資料を用意した状態、受付を終えた状態は違います。完了を確認できないときは、同じ申込みを繰り返す前に、現行の操作案内に沿って状況を確認してください。

連絡先も見直しましょう。申込時の連絡先で公庫からの連絡を受け取れるか、電話に出られない時間帯が多いか、メール等の案内を確認できるかを、自分の作業として整理します。指定された連絡方法に従い、思い込みで別の窓口へ資料を送らないようにします。

この段階で必要なのは、申込みをした事実と、次に受ける案内を追えることです。申込受付は、融資の承認や入金日確定とは分けて管理します。工事会社や貸主へ進捗を伝えるときも、「申込済み」と「融資決定済み」を使い分けてください。

面談と審査では、資料の数字を説明する

申込み後は、公庫からの連絡に沿って面談や追加資料の提出を進めます。公庫の案内では、資金の使い道や事業計画を確認し、関連資料や資産・負債の分かる書類を用意する流れになっています。店舗予定地の確認やオンライン面談の案内もあります。

面談では、立派な言葉を暗記するより、計画書の数字を自分のお店に置き換えて説明する準備が役立ちます。「客単価はメニューの組合せから考えた」「平日と週末で客数を分けた」「設備費はこの見積書に対応している」と、根拠をたどれるようにします。

計画が変わった場合は、変更前の資料を隠して数字だけ差し替えるのではなく、理由と影響を整理して伝えます。厨房設備を追加したなら、必要資金だけでなく、自己資金、希望額、支払日も一緒に見直してください。

審査中に結果や入金日を断定して、取り消せない発注を増やさないことも大切です。必要な追加資料、次の連絡方法、期日のある支払いを確認しながら進めましょう。

追加確認は、質問と回答を対応させて進める

公庫から追加の質問や資料依頼を受けたら、内容を一つずつ書き出します。質問、答えるために見る資料、現在分かっていること、確認が必要なこと、提出方法と期日を分ければ、何が残っているかを把握できます。質問への回答が終わったものと、依頼中の資料を同じ「対応済み」にしないようにしましょう。

例えば、厨房設備の費用について確認された場合は、採用した見積の対象機器や工事範囲をたどります。自己資金の経緯についてなら、残高だけでなく資金の出所を確認する資料へ戻ります。売上計画の質問なら、自分の営業日、提供方法、メニューに沿って説明します。面談での詳しい受け答えより、質問と根拠がつながる状態を作ることが、この工程の作業です。

業者や税理士の回答待ちで期限に間に合わない見込みなら、提出前に現在の状況を伝えて確認します。分からない数字を埋めたり、作業中の資料を完成版と見せたりする必要はありません。何が未確定で、誰に確認しているかを分かるようにしてください。

質問を受けて計画の不整合に気付いた場合は、計画そのものを直します。見積が変わったなら設備額と調達計画、支払日まで見直し、変更箇所をまとめて伝えます。質問の一項目に答えるだけで、他の資料を古い数字のまま残さないことが大切です。

提出した後は、資料名、版、提出日を記録します。「送ったはず」という記憶だけに頼ると、相手から再確認されたときに探す時間がかかります。追加提出の記録を申込記録の隣に置き、今どの工程にいて何を待っているかを更新しましょう。

予定が変わったら、次の工程へ進む前に立ち止まる

物件が借りられなくなった、工事費が増えた、営業内容を変えたなど、申込み後に計画が動くことがあります。その場合は、変更した点が融資の説明に影響するかを整理し、申込先へ伝えます。希望する融資額が同じでも、予定地や資金の使い道が変われば確認が必要になることがあります。

変更があるのに、当初の資料のままで審査を進めてもらい、後で自分の判断で使い道を変える方法は避けたいところです。どの資料を差し替えるか、どの段階で再確認するかを聞き、回答に沿って進めてください。変更の取り扱いをこの記事から一律に決めるものではありません。

物件を変更する例では、所在地だけでなく、席数、賃料、必要設備、内装の範囲も変わり得ます。新しい図面へ置き換えただけで準備が終わったとはいえません。計画の前提を見直し、変更によって追加で取得する資料を一覧にします。

事業の進め方を変更すること自体を悪いこととして隠す必要はありません。大切なのは、現在の事実に合った計画と資料で確認を受けることです。すでに契約や支払いをした部分があれば、その事実も分けて伝えます。過去の支払済み設備が対象になると自己判断せず、具体的な状況で取り扱いを確認します。

開業資金や事業計画の準備でお困りの方へ。お店の計画やお悩みをお聞かせください。

融資が決まったら、条件を確認して契約する

融資の決定と、口座への入金は別の段階です。公庫の手続案内では、決定後に契約手続きを行い、契約の完了後に金融機関の口座へ送金されます。

契約へ進む前に、借入額、設備資金・運転資金の使い道、金利、返済期間、据置の有無、返済開始時期を確認します。希望額と決定額が違うときは、その条件で工事・設備代を払えるか、開店後の運転資金が残るかを先に見直しましょう。

電子契約を使う場合も、現在の申込案内に沿って必要な準備を確認します。利用申込書の提出条件などは変更されることがあるため、以前に借りた知人の手順だけで進めない方が安心です。

送金先の名義や口座情報に誤りがあると、最後の手続きで立ち止まることがあります。入金が確認できたら、契約で確認した資金使途に沿って支払い、請求書、領収書、振込控えをまとめて残します。

決定条件で計画を実行できるか、確認してから契約する

結果の連絡を受けると、急いで業者へ発注したくなるかもしれません。まず、決まった金額と条件を自分の計画へ置き換えて確認しましょう。希望額から変わった場合は、資金計画の不足、工事や設備の変更、開店後に残す資金への影響を確かめます。

条件を確認する際は、「借りられる額」だけを見ず、返済の開始、期間、金利、資金使途などを、案内された内容で整理します。説明で分からない用語があれば、そのまま同意する前に確認してください。制度ページの上限と、自分に提示された条件が同じとは限りません。

減額された場合は、追加の借入を予定額として足して解決したことにしないようにします。設備を減らす、発注内容を見直す、開業の規模や時期を変えるなど、実行できる計画を検討します。他の金融機関からの調達を考える場合も、実際に決まった資金と検討中の資金を区別して説明します。

返済については、借入金が入った日に売上が増えたわけではなく、借入元本の返済と利息も同じ項目ではないことを押さえます。ここでは詳しい返済計算を重ねませんが、提示された返済予定と、事業・生活の支払いを両立できるか確認する作業は必要です。内容が変わった計画は、契約前に申込先へ確認しましょう。

電子契約の完了と、着金を別々に確認する

契約の案内を受けたら、対象となる契約、必要な操作や書類、指定された期限を確認します。メールを受け取っただけ、画面を開いたまま、という状態を完了と数えないようにしてください。本人や法人代表者が行う手続きと、支援者が準備を手伝う作業の範囲も分けます。

電子契約は公庫の現行の案内に従って進めます。以前に利用した方の記憶だけで必要書類を決めず、今回の申込みに適用される手順を確認しましょう。送金先の口座情報に変更がある場合は、どの段階でどの資料を提出するか、担当者へ確認してから訂正します。

契約完了を確認した後も、口座の入金を確認するまでは、その資金を支払える残高として扱いません。取引先に「契約手続きを進めている」と伝えることと、「入金を確認した」と伝えることを分けます。支払いの約束がある方は、相手と合意した日程を見直す必要がないかも確認してください。

入金確認後は、借入金が入った日、入金額、送金先を記録し、資金使途に対応する支払いを管理します。設備業者への振込や運転資金の支払いを、個人の別用途の支出と混ぜないようにします。使途の変更が必要になった場合は、契約で確認した条件に戻り、公庫へ取り扱いを確かめましょう。

工程と資料をつなぐ確認表

次の表は、この記事用に作成した準備表です。公庫の公式な提出書類一覧ではなく、工程ごとに手元で確認するためのものです。実際の提出物は、選んだ制度と申込窓口の指示を優先してください。

表は横にスクロールできます。

工程 手元で確認する資料 次へ進む前の確認
事前準備 お店の概要、物件候補、資金の内訳 未確定事項と支払期日が分かるか
申込み 創業計画書、該当する本人・法人・設備資料 申込情報と資料の最新版が一致するか
面談・追加提出 売上根拠、資金の履歴、追加見積 質問への回答と追加提出の期日が分かるか
条件確認 決定額、返済条件、資金使途 変更後も支払いと運転資金が足りるか
契約 案内された契約資料、送金先口座 必要な手続きを終えたか
入金後 入金記録、請求書、支払控え 支払いと使途を対応させて残せるか

各行に「担当する人」「次の期日」を書き足して使うと、どこで止まっているかが分かります。ご自身、施工会社、不動産会社の作業を分け、金融機関へ確認する項目は一か所にまとめておきましょう。

工程表は、予定と実績を別の欄にする

予定表には、希望日だけでなく、実際に完了した日を残してください。申込予定日と受付日、面談希望日と実施日、契約準備日と完了を確認した日は、同じとは限りません。日付が動いた理由も一行で書けば、残っている作業を確認できます。

状態の表示は、「自分が作業中」「相手へ依頼中」「連絡待ち」「確認完了」など、自分が次に動く必要があるかが分かる言葉にすると便利です。連絡待ちでも、別の資料は自分で準備できる場合があります。すべてを止めるのではなく、依存する作業と並行できる作業を分けましょう。

週数や標準日数をこの記事から当てはめる必要はありません。業態や計画、確認資料、契約の準備によって進行は変わります。自分の工程表では、未確定の日を無理に確定表示せず、いつ誰に状況を確認するかを記入します。急ぐ理由があるときは、期日のある支払いを含めて伝えます。

準備を依頼するときは、誰が何をするかを決める

開業準備では、金融機関、施工会社、不動産会社、税理士などに、別々の確認が必要になります。支援を依頼するときも、計画の整理、資料の確認、手続きの進行把握のうち、どこを依頼するかを明確にすると、ご自身の作業を進めやすくなります。

事業者が判断すること、公庫が判断すること、契約や許可を専門の窓口へ確認することを混ぜないようにしましょう。支援を受ければ審査が省略される、許可や契約の代行まで当然に含まれる、という前提にはしません。依頼する範囲と、他の専門家への確認が必要な事項を確かめます。

一緒に整理する価値は、難しい言葉で計画を飾ることより、どの工程で何が足りないかを早く見つけることにあります。物件の資料が取れないなら取得先を、数字が合わないなら見積と計画の関係を、日程が厳しいなら支払条件を確認する、というように次の作業へつなげます。

ご自身も、依頼した内容と受け取った回答を保管してください。最終的に自分のお店の計画と資料を説明できる状態にすることが大切です。進捗が分かる一枚の表があれば、業者から新しい見積を受け取ったときも、どの工程へ戻る必要があるかを判断しやすくなります。

申込み前によくある迷い

予約相談をしたら、申込みまで済んだことになりますか?

予約相談と融資の申込みは別です。相談後に何を用意し、どの方法で申し込むかを確認してください。申込みを受け付けた記録と、追加資料の依頼を残しておくと進捗を把握できます。

希望する開業日に、必ず入金してもらえますか?

入金日は、審査、追加資料、契約手続きなどによって変わります。開業希望日だけでなく、保証金や工事着手金を払う日を伝え、どの支払いに間に合わせる必要があるか確認します。日程に余裕がない場合は、支払条件や開業予定を見直すことも含めて考えましょう。

申込みを手伝ってもらうには、計画書を完成させる必要がありますか?

ご依頼を検討する段階では、現在決まっていること、手元の資料、困っている工程が分かれば、必要な準備を整理しやすくなります。未完成のメモと正式な提出資料を分け、どの作業を依頼するか確認して進めます。

連絡待ちの間に、進めてよい作業はありますか?

追加資料の整理、業者への見積条件の確認、計画の数字の照合など、融資が決まる前でも行える準備があります。一方、取り消しにくい契約や発注は、その費用を払えるかを確認して判断します。融資結果を前提にしない準備と、結果や入金が必要な作業を分けておきましょう。

申込み後に連絡が見当たらないときは、どうしますか?

まず受付を確認できる記録、登録した連絡先、案内された連絡方法を確認します。入力途中のままになっていないか、メール等の案内を見落としていないかも、自分の側で確認できる項目です。受付状況が分からない場合や、支払期限が迫っている場合は、申込先へ現在の状況を伝えて確認してください。

公庫の現行案内でも、申込後の連絡に時間を要する場合があることが示されています。何日で連絡が来るかを、この表から約束することはできません。確認する際は、申込人、申込日、受付を確認できる情報、聞きたい工程を手元に用意し、別の申込みを重ねる前に状況を確かめましょう。

これから最初にする作業を、一つに絞るなら?

業態、予定地、個人・法人の別、今ある資料、直近の支払期日を一枚へ書き出します。次に、その中で確認が必要な項目を一つ選び、担当する相手と次の行動を決めましょう。例えば見積が未取得なら業者へ条件を伝える、申込窓口が分からないなら公庫へ予定地を伝える、という進め方です。

全部を同時に完成させようとすると、どこから始めるかで立ち止まりやすくなります。一つの回答を受け取ったら、計画や工程表へ反映し、次に必要な確認へ進みます。これを続けて、申込みに必要な準備と、契約・着金までの作業をつなげていきましょう。

物件や開業日が変わっても、そのまま進められますか?

変更した事実と影響する資料を申込先へ伝え、取り扱いを確認します。住所だけでなく、費用、設備、売上計画、支払日が変わる場合があります。申込済みだから変更を伝えなくてよいと考えず、現在の計画に合った資料へ更新してください。

不足しているものを、一度に把握する方法はありますか?

工程表の各行に、現状、必要な資料、確認する相手、次の行動を書きます。例えば「申込前、見積改訂待ち、施工会社へ確認、受領後に設備額を更新」と書けば、止まっている理由が見えます。公式に求められる条件は公庫へ確認し、独自の表は進行を管理する補助として使いましょう。

新宿で飲食店を開業する方は、業態、店舗候補、手元の自己資金、借入希望額、直近の支払期日を添えて、お悩みをお聞かせください。「まず何をそろえるべきか分からない」という段階から、お店の計画に沿って準備を考えていきましょう。

制度・申込案内の確認日:2026年10月13日。参照資料:日本政策金融公庫「創業予定の方」「インターネット申込(事業資金)」「創業融資のご案内」「創業の手引+(飲食業・令和7年9月)」。

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税務監修:税理士 坂根崇真

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税理士 坂根崇真

新宿で税理士事務所を開業した経験があり、現在も多くのお客様を支援しています。事務所の累計融資サポート実績は2億円以上。自身も累計1億円以上の借入経験があり、借り手の立場も踏まえ、サポートしています。元飲食店経営者のスタッフも在籍しており、飲食店開業支援に強みを持っています。

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