【税制改正速報】令和2年度税制改正大綱 法人課税

令和2年度税制改正大綱 具体的内容 法人課税についてまとめました。
なお、令和2年度税制改正大綱の基本的考え方については、【税制改正速報】令和2年度税制改正大綱の記事をご覧ください。

イノベーション強化に向けた取組み

(国 税)

(1)オープンイノベーションに係る措置の創設

(注)中小企業におけるオープンイノベーションに係る措置については後掲。

青色申告書を提出する法人で特定事業活動を行うもの(以下「対象法人」という。)が、令和2年4月1日から令和4年3月 31 日までの間に特定株式を取得し、かつ、これをその取得した日を含む事業年度末まで有している場合において、その特定株式の取得価額の 25%以下の金額を特別勘定の金額として経理したときは、その事業年度の所得の金額を上限に、その経理した金額の合計額を損金算入できることとする。

この特別勘定の金額は、特定株式の譲渡その他の取崩し事由に該当することとなった場合には、その事由に応じた金額を取り崩して、益金算入する。ただし、その特定株式の取得から5年を経過した場合は、この限りでない。

(注1)上記の「特定事業活動を行うもの」とは、自らの経営資源以外の経営資源を活用し、高い生産性が見込まれる事業を行うこと又は新たな事業の開拓を行うことを目指す株式会社等をいう。
(注2)上記の「特定株式」とは、産業競争力強化法の新事業開拓事業者のうち同法の特定事業活動に資する事業を行う内国法人(既に事業を開始しているもので、設立後 10 年未満のものに限る。)又はこれに類する外国法人(以下「特別新事業開拓事業者」という。)の株式のうち、次の要件を満たすことにつき経済産業大臣の証明があるものをいう。

① 対象法人が取得するもの又はその対象法人が出資額割合 50%超の唯一の有限責任組合員である投資事業有限責任組合の組合財産等となるものであること。

② 資本金の増加に伴う払込みにより交付されるものであること。

③ その払込金額が1億円以上(中小企業者にあっては 1,000 万円以上とし、外国法人への払込みにあっては5億円以上とする。)であること。ただし、対象となる払込みに上限を設ける。

④ 対象法人が特別新事業開拓事業者の株式の取得等をする一定の事業活動を行う場合であって、その特別新事業開拓事業者の経営資源が、その一定の事業活動における高い生産性が見込まれる事業を行うこと又は新たな事業の開拓を行うことに資するものであることその他の基準を満たすこと。

(注3)次に掲げる場合は、特別勘定の取崩し事由に該当する。

① 特定株式につき経済産業大臣の証明が取り消された場合
② 特定株式の全部又は一部を有しなくなった場合
③ 特定株式につき配当を受けた場合
④ 特定株式の帳簿価額を減額した場合
⑤ 特定株式を組合財産とする投資事業有限責任組合等の出資額割合の変更があった場合
⑥ 特定株式に係る特別新事業開拓事業者が解散した場合
⑦ 対象法人が解散した場合
⑧ 特別勘定の金額を任意に取り崩した場合

(2)大企業につき研究開発税制その他生産性の向上に関連する税額控除の規定を適用できないこととする措置について、次の見直しを行う(所得税についても同様とする。)。

① その大企業の国内設備投資額が当期償却費総額の 10%を超えることとの要件について、当期償却費総額の 30%を超えることとする。

② 本措置の対象に、特定高度情報通信用認定等設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(仮称)の税額控除を加える。

(3)給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除制度における国内設備投資額が当期償却費総額の 90%以上であることとの要件について、当期償却費総額の 95%以上であることとする(所得税についても同様とする。)。

(4)交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年延長するとともに、接待飲食費に係る損金算入の特例の対象法人からその資本金の額等が 100 億円を超える法人を除外した上その適用期限を2年延長する。

(地方税)

(1)法人住民税及び法人事業税について、オープンイノベーションに係る措置の創設に関する国税の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。

(2)給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の中小企業者等の税額控除制度及び付加価値割の課税標準からの控除制度における国内設備投資額が当期償却費総額の 90%以上であることとの要件について、当期償却費総額の 95%以上であることとする。

5G(第5世代移動通信システム)

(国 税)

特定高度情報通信用認定等設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設

特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律(仮称)の制定を前提に、青色申告書を提出する法人で一定のシステム導入を行う同法の認定特定高度情報通信等システム導入事業者(仮称)に該当するものが、同法の施行の日から令和4年3月 31 日までの間に、特定高度情報通信用認定等設備の取得等をして、国内にある事業の用に供した場合その他の場合には、当該法人は、その取得価額につき、30%の特別償却と 15%の税額控除との選択適用ができることとする。ただし、税額控除における控除税額は、当期の法人税額の20%を上限とする(所得税についても同様とする。)。

(注1)上記の「一定のシステム導入」とは、特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律の認定導入計画(仮称)に従って実施される同法の特定高度情報通信等システム(仮称)の導入で、その早期の普及を促すものであってその供給の安定性の確保に特に資するものとして基準に適合することについて主務大臣の確認を受けたものをいう。
(注2)上記の「特定高度情報通信用認定等設備」とは、その法人の認定導入計画に記載された機械その他の減価償却資産で、一定のシステム導入の用に供するための一定のものをいう。

(地方税)

特定高度情報通信用認定等設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設

特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律(仮称)の制定を前提に、一定のシステム導入を行う同法の認定特定高度情報通信等システム導入事業者(仮称)に該当する法人が、同法の施行の日から令和4年3月 31 日までの間に、特定高度情報通信用認定等設備の取得等をして、国内にある事業の用に供した場合その他の場合に選択適用ができることとされる法人税の特別償却を法人住民税及び法人事業税に、税額控除を中小企業者等に係る法人住民税に適用する。

連結納税制度の見直し

(国 税)

連結納税制度を見直し、次のグループ通算制度へ移行する。
(1)グループ通算制度の基本的な仕組み

① 適用法人及び適用方法は、親法人及び各子法人が法人税の申告を行う点並びに青色申告の承認を前提とする点を除き、基本的に連結納税制度と同様とする。
② 親法人の電子署名により子法人の申告及び申請、届出等を行うことができることとするほか、ダイレクト納付についても所要の措置を講ずる。
③ グループ通算制度の適用法人は、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により法人税及び地方法人税の確定申告書、中間申告書及び修正申告書を提出しなければならないこととする。

(2)所得金額及び法人税額の計算

① 損益通算

イ 欠損法人の欠損金額の合計額(所得法人の所得の金額の合計額を限度)を所得法人の所得の金額の比で配分し、所得法人において損金算入する。この損金算入された金額の合計額を欠損法人の欠損金額の比で配分し、欠損法人において益金算入する。
ロ グループ通算制度の適用法人又は通算グループ内の他の法人の所得の金額又は欠損金額が期限内申告書に記載された所得の金額又は欠損金額と異なる場合には、期限内申告書に記載された所得の金額又は欠損金額を上記イの所得の金額又は欠損金額とみなして上記イの損金算入又は益金算入の計算をする。

② 欠損金の通算

イ 欠損金の繰越控除額の計算は、基本的に連結納税制度と同様とする。
ロ 通算グループ内の他の法人の当期の所得の金額又は過年度の欠損金額が期限内申告書に記載された当期の所得の金額又は過年度の欠損金額と異なる場合には、期限内申告書に記載された当期の所得の金額又は過年度の欠損金額を当期の所得の金額又は過年度の欠損金額とみなす。
ハ グループ通算制度の適用法人の当期の所得の金額又は過年度の欠損金額が期限内申告書に記載された当期の所得の金額又は過年度の欠損金額と異なる場合には、欠損金額及び中小法人等以外の控除限度額(欠損金の繰越控除前の所得の金額の 50%相当額をいう。)で期限内申告において通算グループ内の他の法人との間で授受した金額を固定する調整をした上で、その適用法人のみで欠損金の繰越控除額を再計算する。

③ 欠損金の繰越期間に対する制限を潜脱するため又は離脱法人に欠損金を帰属させるためあえて誤った当初申告を行うなど法人税の負担を不当に減少させる結果となると認めるときは、税務署長は、上記①ロ並びに②ロ及びハを適用しないことができる。

④ 通算グループ内の全ての法人について、期限内申告における所得の金額が零又は欠損金額がある等の要件に該当するときは、上記①ロ並びに②ロ及びハを適用しない。

⑤ 利益・損失の二重計上の防止

投資簿価修正制度を次の制度に改組する。

イ 通算グループ内の子法人の株式の評価損益及び通算グループ内の他の法人に対する譲渡損益を計上しない。
ロ 通算グループからの離脱法人の株式の離脱直前の帳簿価額を離脱法人の簿価純資産価額に相当する金額とする。
ハ グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入をする子法人で親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれないものの株式について、株主において時価評価により評価損益を計上する。

(注)グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入後損益通算をせずに2月以内に通算グループから離脱する法人については、上記イからハまでを適用しない。

⑥ 税率

税率は、通算グループ内の各法人の適用税率による。なお、中小法人の軽減税率の適用対象所得金額は、年 800 万円を所得法人の所得の金額の比で配分した金額とする。

(3)グループ通算制度の適用開始、通算グループへの加入及び通算グループからの離脱

① グループ通算制度の適用開始、通算グループへの加入又は通算グループからの離脱の際のみなし事業年度について、基本的に連結納税制度と同様とする。
② グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入に際して行う資産の時価評価について、対象外となる法人を次の法人とする。

イ 適用開始時の時価評価課税の対象外となる法人

(イ)親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる子法人
(ロ)いずれかの子法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる親法人

ロ 加入時の時価評価課税の対象外となる法人

(イ)適格株式交換等により加入した株式交換等完全子法人
(ロ)通算グループ内の新設法人
(ハ)適格組織再編成と同様の要件として次の要件(加入の直前に支配関係がある場合には、aからcまでの要件)の全てに該当する法人

a 親法人との間の完全支配関係の継続要件
b 当該法人の従業者継続要件
c 当該法人の主要事業継続要件
d 当該法人の主要な事業と通算グループ内のいずれかの法人の事業との事業関連性要件
e 上記dの各事業の事業規模比5倍以内要件又は当該法人の特定役員継続要件

③ 上記②イ又はロの法人以外の法人のグループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入前の欠損金を切り捨てる。

④ 上記②イ又はロの法人のグループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入前の欠損金及び資産の含み損等について、次のとおり、支配関係発生から5年経過日と開始又は加入から3年経過日とのいずれか早い日まで、制限を行う。

イ 支配関係発生後に新たな事業を開始した場合には、支配関係発生前に生じた欠損金及び支配関係発生前から有する資産の開始・加入前の実現損から成る欠損金を切り捨てるとともに、支配関係発生前から有する資産の開始・加入後の実現損を損金不算入とする。
ロ 原価及び費用の額の合計額のうちに占める損金算入される減価償却費の額の割合が 30%を超える場合には、通算グループ内で生じた欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金(その法人の所得の金額を限度として控除ができる欠損金をいう。以下同じ。)とする。
ハ 上記イ又はロのいずれにも該当しない場合には、通算グループ内で生じた欠損金のうち、支配関係発生前から有する資産の実現損から成る欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。

⑤ 次の法人については、上記④の対象外とする。

イ 親法人との間(親法人にあっては、いずれかの子法人との間。ロにおいて同じ。)に支配関係が5年超ある法人

ロ 通算グループ内のいずれかの法人と共同事業を行う法人として、次の法人

(イ)加入の直前に親法人との間に支配関係がない法人で上記②ロ(ハ)に該当するもの
(ロ)開始又は加入の直前に親法人との間に支配関係がある法人で次の要件の全てに該当するもの

a 当該法人の主要な事業と通算グループ内のいずれかの法人の事業との事業関連性要件
b 上記aの各事業の事業規模比5倍以内要件又は当該法人の特定役員継続要件
c 当該法人の上記aの主要な事業の事業規模拡大2倍以内要件又は特定役員継続要件

(ハ)非適格株式交換等により加入した株式交換等完全子法人で共同で事業を行うための適格株式交換等の要件のうち対価要件以外の要件に該当するもの

⑥ グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入前の欠損金(現行:特定連結子法人の連結納税制度の適用開始又は連結グループへの加入前の欠損金)のうち上記③及び④により切り捨てられなかったものは、特定欠損金とする。

⑦ 通算グループからの離脱

イ 連結納税制度と同様に、通算グループから離脱した法人は、5年間再加入を認めない。
ロ 通算グループから離脱した法人が主要な事業を継続することが見込まれていない場合等には、その有する資産については、直前の事業年度において、時価評価により評価損益の計上を行う。

(4)各個別制度の取扱い

受取配当等の益金不算入等の個別制度については、親法人及び各子法人が申告を行うことに鑑み個別計算を原則としつつ、企業経営の実態や事務負担、制度趣旨・目的、濫用可能性等を勘案し、適切な仕組みとする。

(5)租税回避行為の防止

グループ通算制度に関しては、多様な租税回避行為が想定されることから、上記(2)③及び(3)②から⑦までの措置のほか、連結納税制度と同様に、包括的な租税回避行為防止規定を設ける。

(6)その他の整備

質問検査権、罰則等について連結納税制度と同様の措置を講ずる。

(7)グループ通算制度への移行にあわせた単体納税制度の見直し

① 受取配当等の益金不算入制度について、次の見直しを行う。

イ 関連法人株式等に係る負債利子控除額を、関連法人株式等に係る配当等の額の100分の4相当額(その事業年度において支払う負債利子の額の10分の1相当額を上限とする。)とする。

ロ 関連法人株式等又は非支配目的株式等に該当するかどうかの判定については、100%グループ内(現行:連結グループ内)の法人全体の保有株式数等により行う。

② 寄附金の損金不算入制度について、損金算入限度額の計算の基礎となる資本金等の額を、資本金の額及び資本準備金の額の合計額とする。

③ 貸倒引当金について、100%グループ内(現行:連結グループ内)の法人間の金銭債権を貸倒引当金の対象となる金銭債権から除外する。

④ 資産の譲渡に係る特別控除額の特例について、100%グループ内(現行:連結グループ内)の各法人の特別控除額の合計額が定額控除限度額(年5,000 万円)を超える場合には、その超える部分の金額を損金不算入とする。

(8)適用関係

グループ通算制度は、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。また、連結納税制度からの移行に関する経過措置等を講ずる。

(以上につき付記参照

(地方税)

地方税においては、現行の基本的な枠組みを維持しつつ、国税の見直しに併せて、所要の措置を講ずる。

中小企業等の支援

(国 税)

(1)中小企業におけるオープンイノベーションに係る措置の創設

中小企業者で対象法人に該当するものが、令和2年4月1日から令和4年3月 31 日までの間に特定株式を取得した場合には、その取得価額の 25%の所得控除ができる。ただし、特定株式の譲渡その他の取崩し事由に該当することとなった場合には、その特定株式の取得から5年を経過している場合を除き、その事由に応じた金額を益金算入する。

(注)上記の「対象法人」及び「特定株式」は、上記1(1)及び(1)(注2)と同様とする。なお、特定株式の払込みに係る要件は、その払込金額が1,000 万円以上であることとする(再掲)。

(2)交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年延長するとともに、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年延長する。

(地方税)

法人住民税及び法人事業税について、中小企業におけるオープンイノベーションに係る措置の創設に関する国税の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。

地方創生の推進

(国 税)

(1)地方拠点強化税制の見直し

① 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

② 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の税額控除制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

イ 「給与等支給額が比較給与等支給額以上であること」との要件を廃止する。

ロ 地方事業所基準雇用者数に係る措置における税額控除限度額について、対象雇用者数から有期雇用又はパートタイムである新規雇用者数を除外した上、雇用者の増加割合にかかわらず、次の金額の合計額とする。

(イ)30 万円(移転型事業にあっては、50 万円)に、地方事業所基準雇用者数のうち無期雇用かつフルタイムの要件を満たす新規雇用者数に達するまでの数を乗じて計算した金額

(ロ)20 万円(移転型事業にあっては、40 万円)に、地方事業所基準雇用者数から新規雇用者総数(地方事業所基準雇用者数を超える部分を除く。)を控除した数を乗じて計算した金額
(注)地方事業所基準雇用者数は、増加雇用者数を上限とする。

ハ 地方事業所特別基準雇用者数に係る措置における地方事業所特別税額控除限度額を、40 万円(現行:30 万円)に、地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額(特定業務施設が準地方活力向上地域内にある場合には、30 万円(現行:20 万円)に、その特定業務施設に係る地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額)に引き上げる。

③ 地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に係る認定要件のうち特定業務施設の整備に関する要件について、既存施設におけるオフィス環境の整備(事務機器の増設等)を特定業務施設の整備とみなす(所得税についても同様とする。)。

(2)認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税額の特別控除制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を5年延長する。

① 税額控除限度額を、支出した寄附金の額の合計額の 40%(現行:20%)からその寄附金の支出について法人住民税の額から控除される金額を控除した金額(その支出した寄附金の額の合計額の 10%を上限とする。)とする。

② 地域再生計画に記載されるまち・ひと・しごと創生寄附活用事業について、対象事業に一定の補助金等による事業を加えた上、関係法令の改正を前提に、個別事業を認定する方式から包括的に事業を認定する方式に転換する認定手続の簡素化を行う。

③ 認定地方公共団体の受領する寄附金がその寄附金に関連するまち・ひと・しごと創生寄附活用事業費を上回った場合の適正化措置が講じられることを前提に、認定地方公共団体がその事業を行う前にその認定地方公共団体に対して支出する寄附金を対象寄附金とする。

(3)特定高度情報通信用認定等設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設(再掲)

特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律(仮称)の制定を前提に、青色申告書を提出する法人で一定のシステム導入を行う同法の認定特定高度情報通信等システム導入事業者(仮称)に該当するものが、同法の施行の日から令和4年3月 31 日までの間に、特定高度情報通信用認定等設備の取得等をして、国内にある事業の用に供した場合その他の場合には、当該法人は、その取得価額につき、30%の特別償却と 15%の税額控除との選択適用ができることとする。ただし、税額控除における控除税額は、当期の法人税額の20%を上限とする(所得税についても同様とする。)。

(注)上記の「一定のシステム導入」及び「特定高度情報通信用認定等設備」は、上記2(注1)及び(注2)と同様とする。

(地方税)

(1)地方拠点強化税制の見直し

① 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は中小企業者等の税額控除制度の適用期限を2年延長する。

② 中小企業者等の地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の税額控除制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する。

イ 「給与等支給額が比較給与等支給額以上であること」との要件を廃止する。

ロ 地方事業所基準雇用者数に係る措置における税額控除限度額について、対象雇用者数から有期雇用又はパートタイムである新規雇用者数を除外した上、雇用者の増加割合にかかわらず、次の金額の合計額とする。

(イ)30 万円(移転型事業にあっては、50 万円)に、地方事業所基準雇用者数のうち無期雇用かつフルタイムの要件を満たす新規雇用者数に達するまでの数を乗じて計算した金額
(ロ)20 万円(移転型事業にあっては、40 万円)に、地方事業所基準雇用者数から新規雇用者総数(地方事業所基準雇用者数を超える部分を除く。)を控除した数を乗じて計算した金額

(注)地方事業所基準雇用者数は、増加雇用者数を上限とする。

ハ 地方事業所特別基準雇用者数に係る措置における地方事業所特別税額控除限度額を、40 万円(現行:30 万円)に、地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額(特定業務施設が準地方活力向上地域内にある場合には、30 万円(現行:20 万円)に、その特定業務施設に係る地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額)に引き上げる。

③ 地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に係る認定要件のうち特定業務施設の整備に関する要件について、既存施設におけるオフィス環境の整備(事務機器の増設等)を特定業務施設の整備とみなす。

(2)認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人住民税法人税割額及び法人事業税額の特別控除制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を5年延長する。

① 税額控除率を、法人道府県民税法人税割については 5.7%(現行:2.9%)、法人市町村民税法人税割については 34.3%(現行:17.1%)、法人事業税については 20%(現行:10%)にそれぞれ引き上げる。

② 地域再生計画に記載されるまち・ひと・しごと創生寄附活用事業について、対象事業に一定の補助金等による事業を加えた上、関係法令の改正を前提に、個別事業を認定する方式から包括的に事業を認定する方式に転換する認定手続の簡素化を行う。

③ 認定地方公共団体の受領する寄附金がその寄附金に関連するまち・ひと・しごと創生寄附活用事業費を上回った場合の適正化措置が講じられることを前提に、認定地方公共団体がその事業を行う前にその認定地方公共団体に対して支出する寄附金を対象寄附金とする。

(3)特定高度情報通信用認定等設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設(再掲)特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律(仮称)の制定を前提に、一定のシステム導入を行う同法の認定特定高度情報通信等システム導入事業者(仮称)に該当する法人が、同法の施行の日から令和4年3月 31 日までの間に、特定高度情報通信用認定等設備の取得等をして、国内にある事業の用に供した場合その他の場合に選択適用ができることとされる法人税の特別償却を法人住民税及び法人事業税に、税額控除を中小企業者等に係る法人住民税に適用する。

私的年金等に関する公平な税制のあり方

(国 税)

確定拠出年金法等の改正を前提に、次の措置を講ずる。

(1)事業主が拠出する確定拠出年金法の事業主掛金及び中小事業主掛金について、確定拠出年金の加入可能要件並びに同法の簡易企業型年金及び中小事業主掛金納付制度の実施可能な事業主の対象範囲の見直しが行われた後も、引き続き損金算入する。

(2)確定給付企業年金制度の終了時における同制度から個人型確定拠出年金制度への年金資産の移換及び加入者の退職等に伴う企業型確定拠出年金制度から通算企業年金制度への年金資産の移換を可能とする見直しに伴い、退職年金等積立金に対する法人税における退職年金等積立金について、所要の措置を講ずる。

その他の租税特別措置等

(国 税)

〔拡充等〕

(1)高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

① 中長期的な計画に基づき行う省エネ投資の対象事業者にエネルギーの使用の合理化等に関する法律の認定管理統括事業者及び管理関係事業者を加える。

② 特別償却率を 20%(現行:30%)に引き下げる。

③ 関係法令の改正を前提に、中長期的な計画に基づき行う省エネ投資の対象資産から高効率工業炉等を除外する。

(2)事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度について、関係法令の改正を前提に、対象事業に肥料、農薬、配合飼料及び農業機械の卸売事業及び小売事業を加える(所得税についても同様とする。)。

(3)認定NPO法人について、関係法令の改正によりいわゆるパブリック・サポート・テストの総収入金額及び受入寄附金総額から民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律に基づき事業を実施するために受け取った助成金の額を除外する等の措置が講じられた後も、引き続き現行の措置を適用する。

〔延長〕

(1)倉庫用建物等の割増償却制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

(2)海外投資等損失準備金制度の適用期限を2年延長する。

(3)特定原子力施設炉心等除去準備金制度の適用期限を3年延長する。

(4)農業経営基盤強化準備金制度の適用期限を1年延長する(所得税についても同様とする。)。

(5)短期の土地譲渡益に対する追加課税制度の適用停止措置の期限を3年延長する。

(6)投資法人に係る課税の特例における再生可能エネルギー発電設備に係る措置の再生可能エネルギー発電設備の取得期限を3年延長する。

(7)退職年金等積立金に対する法人税の課税の停止措置の適用期限を3年延長する。

〔廃止・縮減等〕

(1)国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の特別償却等又は法人税額の特別控除制度について、研究開発税制の特例を廃止するとともに、関係法令の改正を前提に、対象事業から高度医療施設の近接の患者用宿泊施設の整備又は運営に関する事業、高度医療施設への外国人の患者の便宜となるサービスの提供に関する事業及び多国籍企業が行う統括事業を除外した上、制度の適用期限を2年延長する。

(2)国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、関係法令の改正を前提に、対象事業から水の確保が困難な地域における給排水システムの研究開発に関する事業、高度医療施設の近接の患者用宿泊施設の整備又は運営に関する事業、高度医療施設への外国人の患者の便宜となるサービスの提供に関する事業、映画等の文字等で特に付加価値の高いものの創作又は提供に関する事業及びプログラムを表現する文字等で特に付加価値の高いものの研究開発に関する事業を除外した上、その適用期限を2年延長する。

(3)革新的情報産業活用設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度は、所要の経過措置を講じた上、令和2年3月 31 日をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(4)再生可能エネルギー発電設備等の特別償却制度について、特別償却率を14%(現行:20%)に引き下げた上、その適用期限を1年延長する(所得税についても同様とする。)。

(5)耐震基準適合建物等の特別償却制度のうち耐震基準適合建物等に係る措置は、適用期限が到来したため、その規定を削除する(所得税についても同様とする。)。

(6)情報流通円滑化設備の特別償却制度は、適用期限の到来をもって廃止する。

(7)障害者を雇用する場合の機械等の割増償却制度について、対象資産から工場用の建物等を除外するとともに、機械装置の割増償却率を 12%(現行:24%)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

(8)企業主導型保育施設用資産の割増償却制度は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。

(9)金属鉱業等鉱害防止準備金制度は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。なお、令和2年4月1日から令和9年3月 31 日までの間に開始する各事業年度については、現行法による準備金積立率(80%)に対して1年ごとに8分の1ずつ縮小した率による積立てを認める経過措置を講ずる。

(10)特定災害防止準備金制度について、準備金積立率を 60%(現行:100%)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

(11)国家戦略特別区域における指定法人の課税の特例について、関係法令の改正を前提に、対象事業から高度医療施設の近接の患者用宿泊施設の運営に関する事業、国際会議等への外国人の参加者の便宜となるサービスの提供に関する事業及び外国会社、国際機関等に勤務する者の子女等を対象とした外国語による教育に関する事業を除外した上、その適用期限を2年延長する。

(12)法人の一般の土地譲渡益に対する追加課税制度について、次の措置を講ずる。

① 適用除外措置(優良住宅地の造成等のための譲渡等に係る適用除外)の範囲から次の譲渡を除外した上、その適用期限を3年延長する。

イ 都市再生特別措置法の認定整備事業計画に係る一定の都市再生整備事業の認定整備事業者に対する土地等の譲渡

ロ 都市計画区域内において行われる一団の宅地の造成(都市計画法の開発許可又は土地区画整理法の認可を受けて行われるものであること等の要件を満たすものに限る。)を行う者に対する土地等の譲渡

② 適用停止措置の期限を3年延長する。

(13)特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年(過疎地域に係る措置及び危険密集市街地に係る措置については、令和3年3月31日まで)延長する(次の⑤の見直しを除き、所得税についても同様とする。)。

① 既成市街地等の内から外への買換えについて、譲渡資産から工場の立地が制限されていなかった区域内にある建物又はその敷地の用に供されている土地等を除外する。

② 航空機騒音障害区域の内から外への買換えについて、譲渡資産が次の区域内にある場合の課税の繰延べ割合を 70%(現行:80%)に引き下げる。

イ 令和2年4月1日前に特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法の航空機騒音障害防止特別地区又は公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の第二種区域となった区域

ロ 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律の第二種区域

③ 都市機能誘導区域の外から内への買換えを適用対象から除外する。

④ 防災再開発促進地区内における防災街区整備事業に関する都市計画に基づき危険密集市街地内で行われる土地等の買換えについて、次の見直しを行う。

イ 建築基準法の改正に伴い、同法の耐火建築物又は準耐火建築物を建築するために譲渡をされるものであることとする譲渡資産に係る要件における耐火建築物又は準耐火建築物の範囲に耐火建築物又は準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物を加える。

ロ 対象となる危険密集市街地について、その区域の不燃領域率が 40%未満である区域に限定する。

⑤ 長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物等への買換えについて、所要の経過措置を講じた上、買換資産から鉄道事業用車両運搬具を除外する。

⑥ 一定の船齢の日本船舶から環境への負荷の低減に資する一定の日本船舶への買換えについて、次の見直しを行う。

イ 外航船舶及び内航船舶について、買換資産の船齢が法定耐用年数以下であることとする要件を加える。

ロ 港湾の作業船について、譲渡資産に係る船齢要件を 35 年未満(現行:40 年未満)に引き下げる。

(14)中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置について、所要の経過措置を講じ、設備廃棄等欠損金額の特例を廃止した上、不適用措置の適用期限を2年延長する。

(15)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する(次の①の見直しを除き、所得税についても同様とする。)。

① 対象法人から連結法人を除外する。

② 対象法人の要件のうち常時使用する従業員の数の要件を 500 人以下(現行:1,000 人以下)に引き下げる。

(地方税)

〔新設〕

電気供給業を行う法人の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、収入金額に対する事業税を課される他の電気供給業を行う法人から非化石証書(非化石エネルギー源に由来する電気(固定価格買取制度の対象となるものを除く。)の非化石電源としての価値を取引可能にするための、当該価値を有することを証するものをいう。以下同じ。)を購入し、又は卸電力取引所を介して自らが販売を行った非化石証書を購入し、これらの非化石証書を利用して非化石エネルギー源に由来する電気として供給を行う場合の当該電気の供給に係る収入金額のうち、当該非化石証書の購入に係る料金として支払うべき金額に相当する収入金額を追加する措置を講ずる。

〔延長〕

(1)銀行等保有株式取得機構に係る法人事業税の資本割の課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。

(2)電気供給業を行う法人の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、他の電気供給業を行う法人から託送供給を受けて電気の供給を行う場合の当該電気の供給に係る収入金額のうち、当該電気の供給に係る託送供給の料金として支払うべき金額に相当する収入金額を追加する課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。

〔廃止・縮減等〕

(1)国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の特別償却制度等について、研究開発税制の特例を廃止するとともに、関係法令の改正を前提に、対象事業から高度医療施設の近接の患者用宿泊施設の整備又は運営に関する事業、高度医療施設への外国人の患者の便宜となるサービスの提供に関する事業及び多国籍企業が行う統括事業を除外した上、制度の適用期限を2年延長する。

(2)国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の特別償却制度について、関係法令の改正を前提に、対象事業から水の確保が困難な地域における給排水システムの研究開発に関する事業、高度医療施設の近接の患者用宿泊施設の整備又は運営に関する事業、高度医療施設への外国人の患者の便宜となるサービスの提供に関する事業、映画等の文字等で特に付加価値の高いものの創作又は提供に関する事業及びプログラムを表現する文字等で特に付加価値の高いものの研究開発に関する事業を除外した上、その適用期限を2年延長する。

(3)革新的情報産業活用設備を取得した場合の特別償却又は中小企業者等の税額控除制度は、所要の経過措置を講じた上、令和2年3月 31 日をもって廃止する。

(4)電気供給業を行う法人の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において、一般送配電事業者の収入金額のうち、使用済燃料再処理等既発電費に相当する金額を控除する措置は、適用期限の到来をもって廃止する。

その他

(国 税)

(1)国有林野の管理経営に関する法律の改正に伴い、同法の樹木採取権を法人税法上の減価償却資産(無形固定資産)とし、その耐用年数を樹木採取権の設定の通知において示された存続期間の年数とする(所得税についても同様とする。)。
(2)会社関係制度の見直しを前提に、次の措置を講ずる。

① 譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例等について、法人に対する役務提供の対価として交付される譲渡制限付株式でその譲渡制限付株式と引換えにする払込み又は給付を要しない場合のその譲渡制限付株式を対象に加える。

② 法人の支給する役員給与における過大な役員給与のうち形式基準について、定款等により役員に対して支給することができるその法人の株式又は新株予約権の上限数を定めている法人のその株式又は新株予約権に係る限度額を、その定められた上限数に支給時等における価額を乗じて計算した金額とする。

③ 法人の支給する役員給与における業績連動給与の手続に係る要件について、独立職務執行者から除外される親法人の業務執行者等に該当していた者の範囲を見直す。

④ その他所要の措置を講ずる。

(3)国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度について、対象となる国庫補助金等の範囲に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法に基づく助成金で燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業等に係るものを加える(所得税についても同様とする。)。
(4)「時価の算定に関する会計基準」の導入に伴い、次のとおり整備を行う。

① 売買目的有価証券の時価評価金額について、次の見直しを行う。

イ 市場有価証券(取引所売買有価証券、店頭売買有価証券、取扱有価証券及びその他価格公表有価証券をいう。)について事業年度終了の日における公表最終価格がない場合の時価評価金額は、直近公表最終価格に基づき合理的な方法により算出した価格(現行:直近公表最終価格)とする。
ロ 上記イの市場有価証券以外の有価証券(株式又は出資を除く。)の時価評価金額は、その有価証券に類似する銘柄の有価証券について公表された事業年度終了の日における最終の売買価格又は利率その他の指標に基づき合理的な方法により算出した価格とする。
ハ 上記イ及びロの合理的な方法により算出した価格について、その方法を採用した理由その他その算定の基礎となる事項を記載した書類を保存しなければならないこととする。

② 有価証券に係る評価損の計上事由について、価額の著しい低下を評価損の計上事由とする有価証券の範囲を上記①イ及びロの有価証券とする等の見直しを行う。

③ 短期売買商品等(仮想通貨を除く。)の時価評価金額について、上記①と同様の見直しを行う。

④ デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入について、未決済デリバティブ取引に係るみなし決済損益額(市場デリバティブ取引等の最終市場価格による授受額を除く。)の算定に用いた合理的な方法を採用した理由その他その算定の基礎となる事項を記載した書類を保存しなければならないこととする。

⑤ 貸倒引当金の対象となる金銭債権から債券を除外する(所得税についても同様とする。)。
(注)上記の改正は、令和2年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用する。なお、同日から令和3年3月 31 日までの期間内の日を含む各事業年度における事業年度終了の日における公表最終価格がない市場有価証券及び市場有価証券以外の有価証券(株式又は出資を除く。)並びに事業年度終了の日における公表最終価格がない短期売買商品等(仮想通貨を除く。)の時価評価金額について、現行法の規定による評価額によることができる経過措置を講ずる。

(5)デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入について、連結法人が他の連結法人との間で行ったデリバティブ取引(その連結法人又は他の連結法人のいずれかがヘッジ手段として指定しているものを除く。)については、連結所得の金額の計算上みなし決済損益額を計上しないこととする。
(6)マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正を前提に、次の措置を講ずる。

① 敷地分割組合(仮称)を公益法人等とみなして、収益事業から生じた所得以外の所得について非課税とする。
② マンション敷地売却組合の業務範囲の見直し後も、引き続き公益法人等とみなす。

(7)森林組合法の改正を前提に、森林組合の組合員資格の見直し等が行われた後も、森林組合及び森林組合連合会を引き続き協同組合等(法人税法別表第三)とする。

(地方税)

(1)電気供給業に係る法人事業税の課税方式の見直し

① 電気供給業のうち、発電事業及び小売電気事業に係る法人事業税について、資本金の額又は出資金の額(以下「資本金」という。)1億円超の普通法人にあっては収入割額、付加価値割額及び資本割額の合算額によって、資本金1億円以下の普通法人等にあっては収入割額及び所得割額の合算額によって、それぞれ課することとし、標準税率を次のとおりとする。

イ 資本金1億円超の普通法人

収入割 0.75%
付加価値割 0.37%
資本割 0.15%

ロ 資本金1億円以下の普通法人等

収入割 0.75%
所得割 1.85%

② 収入割額、付加価値割額及び資本割額の合算額又は収入割額及び所得割額の合算額により法人事業税を課される法人の特別法人事業税の額は、基準法人収入割額に 40%の税率を乗じて得た金額とする。

③ その他所要の措置を講ずる。

(注1)上記の改正は、令和2年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

(注2)「地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)」(平成 22 年

4月1日総税都第 16 号総務大臣通知)において、収入金額によって課税されている他の同種の事業者との公平性が確保されるよう趣旨を明確化する。
(2)国税における諸制度の取扱い等を踏まえ、その他所要の措置を講ずる。

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税制改正勉強会-令和2年度税制改正

2019年12月28日に、税理士および税理士事務所の職員を対象に、令和2年度税制改正勉強会を開催します。

注意事項
※1 本記事は2019年12月12日に公表された、与党税制改正大綱に基づき記載しております。
※2 2019年12月12日現在、閣議決定されていないため、実際の改正内容と異なる場合があります。
※3 本記事に記載された内容に従って行動された結果生じた損失について、弊社では一切の責任を負いかねます。

 

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