開業手続き・許認可

飲食店開業の手続き・許可・届出|窓口と期限を整理

税理士 坂根崇真

新宿で税理士事務所を開業した経験があり、現在も多くのお客様を支援しています。事務所の累計融資サポート実績は2億円以上。自身も累計1億円以上の借入経験があり、借り手の立場も踏まえ、サポートしています。元飲食店経営者のスタッフも在籍しており、飲食店開業支援に強みを持っています。

悩んでいる方
飲食店を開くには、どの窓口へ何を届け出ればよいのでしょうか? 工事と手続きを進める順番に迷っています。

飲食店を開くときは、物件と営業内容を整理し、保健所・消防署・税務署などの手続きを、工事や資金の支払いと並行して進めます。営業許可を取る準備、消防の届出、開業後の税務は、それぞれ担当する窓口と期限が違います。最初から一枚の予定表にまとめると、次に何をすればよいか見えやすくなります。

たとえば、気に入った居抜き物件が見つかり、厨房の見積書も届いた場面を考えてみてください。先に工事を頼むか、保健所へ図面を持っていくか、法人を作るか。決めたいことが重なる時期です。この段階では、申請書をすべて書くより、営業の名義、作る料理、客席、営業時間をそろえて担当機関へ伝えることが役に立ちます。

この記事は、カフェ、居酒屋、ラーメン店、レストラン、一般のバーなどの開業を準備する方の全体ガイドです。営業許可・消防の説明は新宿区と東京消防庁、税務期限は国税庁の案内を2026年10月11日に確認した内容に基づきます。新宿区外では、施設基準や届出先を予定地の担当機関に合わせてください。

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まず「どんな店を、誰の名義で開くか」を一枚にする

飲食店の手続きは、店の名前だけでは決まりません。同じカフェでも、店内で飲食してもらう店と、持ち帰り食品の販売が中心の店では、伝えるべき営業内容が変わります。キッチンカーや食品製造を行う場合も、実際の調理・保管・販売方法が判断の出発点です。

最初に、個人で開くのか、法人を設立して開くのかを整理します。そのうえで、店舗の住所、営業開始の予定、店内と持ち帰りの扱い、酒類の提供、営業時間を書き出しましょう。まだ決まらない欄は空欄のままでも構いません。「検討中」と分かる形にしておくと、相談時に何を決めればよいか話しやすくなります。

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最初にまとめる項目 書き出す内容
営業する人・会社 個人の氏名、設立予定又は設立済みの法人、営業の名義
場所 候補物件の住所、階、広さ、図面、現在の使われ方
食事の提供方法 店内、持ち帰り、配達、製造販売、移動販売
営業の時間 開店・閉店の予定、酒類を提供する時間
設備と人 厨房、火気、客席、従業員、食品衛生責任者の予定
日程 契約、着工、工事完成、検査、営業開始の希望日

この一枚は、保健所だけでなく、消防署、工事業者、融資先にも共通の前提として使えます。窓口ごとに店の説明が少しずつ変わると、返ってくる回答の条件も変わります。図面や営業時間を変更したら、この表も更新しておくと後の照合がしやすくなります。

物件を選ぶときは、見た目と営業に必要な条件を一緒に見る

内装がきれいで厨房が残っている物件は、早く開けそうに感じられます。そこで、何が残り、何を変える予定かを図面に書き込んでみてください。客席、手洗い、厨房の配置、火気を使う設備などが見えると、担当機関へ具体的な質問を持っていけます。

「以前も飲食店だった」という情報は参考になりますが、これから自分が行う営業と同じ条件とは限りません。メニューを増やす、厨房の区画を変える、営業時間を延ばす、といった変更があるなら、予定する営業内容を伝えたうえで考えることが大切です。設備が使えそうかという工事の話と、手続き上どのように扱われるかという話をそろえて進めましょう。

居抜き物件の営業許可については、新規許可と事業譲渡による承継のどちらの手続きになるかを保健所へ伝えます。前の店の許可証が残っている場合も、営業する人や会社、譲渡の内容を整理して扱いを確かめます。許可証の存在だけで営業開始日を決めず、名義と予定する営業の関係を先に整えると安心して次へ進めます。

物件契約を考える際は、契約前に分かる条件と、図面や計画を具体化してから決まる条件を分けておくと便利です。工事の変更が生じた場合に費用や日程をどう扱うかも、契約相手と話しておきましょう。開業費用の見積書には、営業開始に必要な工事と、営業後に追加してよい設備を区分して書いてもらうと、資金計画にも使いやすくなります。

担当機関は「営業・建物・税務・雇用」で整理する

窓口が多く感じられるときは、担当する内容から分けると整理できます。保健所は食品や施設、消防署は防火や設備、警察署等は営業形態に応じた規制、税務署は税金に関する届出や申告を扱います。従業員を雇う場合は、労働・社会保険の手続きも予定に入ります。

一つの窓口で説明を受けたら、聞いた内容を別の手続きにもそのまま当てはめるのではなく、担当と対象を記録します。たとえば保健所での施設の説明と、消防署での使用開始の届出は、同じ店舗についての話でも見ている目的が違います。

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担当機関 主に整理すること 着手する場面
保健所 営業許可・届出、施設基準、食品衛生責任者、衛生管理 物件・メニューの検討時、設計・工事前
消防署 工事等計画、使用開始、火気・消防設備、防火管理 入居や設計を考える段階
警察署等 深夜の酒類提供など、営業形態に応じた手続き 営業時間・提供方法が決まる段階
税務署 個人の開業届、青色申請、法人の届出、給与・消費税関係 開業・設立の予定が具体化した段階
都道府県税事務所等 地方税の事業開始・法人設立等の届出 事業形態と所在地が決まる段階
労働関係・年金の窓口 雇用、労働保険・社会保険の適用と手続き 採用と勤務条件を考える段階

表に載っている手続きをすべての店が同じ形で行うわけではありません。自分の店に該当するものを担当機関と整理し、担当者、回答日、条件を予定表に残していきます。後でメニューや営業形態を変えるときも、以前の回答がどの前提だったか分かるようになります。

保健所へは、厨房工事を始める前に図面を持っていく

厨房の見積書が届くと、工事を早く進めたくなります。その前に図面を使って保健所へ事前相談をすると、予定するメニューと施設のつながりを確かめられます。新宿区も、工事着工前に設計図等を持参して相談する流れを案内しています。

この場面で伝えるのは、店の業態だけでなく、何をどこで調理し、どのように保管し、どう提供するかです。店内で作る料理、別の場所で作って運ぶ食品、持ち帰り用の商品などがある場合は、その流れを簡単な図にすると説明しやすくなります。営業内容が分かると、必要な許可や届出、図面で見る箇所を整理できます。

事前相談の後は、必要な資料と工事の内容をそろえ、申請、施設の検査、営業開始へ進みます。新宿区の新規許可の案内では、営業許可申請書、図面、食品衛生責任者の資格資料等を用意する流れです。ここでは、申請書の一つ一つの欄より、誰がいつ資料を準備するかを決めておくと作業が止まりにくくなります。

工事業者が図面を更新した場合は、相談に使った図面との差を見ましょう。単に新しいファイルを保存するだけでなく、変更した場所を印しておくと、保健所への再説明と見積書の修正をつなげられます。工事内容が変われば、開業資金や完成日にも影響が出るため、資金表にも同じ変更を反映します。

申請・検査・営業開始を別の日として予定する

新宿区は、工事完成予定日の10日くらい前を目途に申請書類を提出するよう案内しています。これは準備を始めるための目安です。自分の店では、工事完成日、検査の日程、補修が必要になった場合の進め方、許可と営業開始の時点を担当者と合わせていきます。

開店告知や仕入れの予約を考える際は、希望する開業日と、手続きが整ったことを確かめる日を分けて書きます。日程に動きがあったとき、何を延期すればよいかが分かります。検査直前にすべての予定を一度に変える負担を減らすためにも、工事業者・担当機関との日程共有が役に立ちます。

食品衛生責任者と営業後の衛生管理も準備する

食品衛生責任者は、通常の飲食店の営業に向けて準備する項目です。担当する人を決め、持っている資格や講習の扱いを整理しましょう。申請の直前に探すより、開業準備の担当表へ入れておくと、厨房や採用の準備と一緒に進められます。

営業開始後は、HACCPに沿った衛生管理を日常の作業に組み込んでいきます。規模や業態に応じた計画と記録が必要になるため、メニューや作業の流れに合う方法を担当機関の案内と合わせて用意します。難しい言葉を並べるより、誰が、どの場面で、何を記録するかを具体的にすると、店で続けやすくなります。

想定場面として、仕込みをする人と営業後の片付けをする人が別々の店を考えます。記録用紙の場所と書くタイミングが決まっていなければ、担当が変わる日に抜けが生じやすくなります。開店前の練習で実際に記録してみて、無理なく使える置き場所や担当を決めると、営業開始後の動きにつながります。

許可の取得と日常の衛生管理を同じ準備表に入れておくと、「書類の提出が終わったところ」と「営業中に続けるところ」が見えます。仕入れや在庫の記録とも関連するので、衛生上の記録と経理資料をそれぞれ保管する場所を決めておくと、必要な資料を探しやすくなります。

消防は、工事の予定と店舗を使い始める予定を分ける

消防署へは、既存の建物や設備を含めて図面を持っていくと説明しやすくなります。居抜き物件で設備が残っていても、これから使う厨房機器、間仕切り、客席の配置によって検討する内容が変わります。工事業者と設備の一覧を共有し、現在と変更後の状態を示しましょう。

東京消防庁のテナント向け案内では、対象となる間仕切り変更等の工事について、工事着手7日前までの工事等計画の届出を示しています。また、建物又はその一部を新たに使う場合は、使用開始7日前までに使用開始の届出が必要です。工事の計画と、実際に使い始めることを別々に予定へ入れます。

表に「消防の手続き」と一行だけ書くと、どちらの届出が終わったか分かりにくくなります。「工事等計画」「使用開始」の欄を分け、対象に該当するか、提出したか、次に何をするかを記録しましょう。工事の変更があるときは、担当消防署へ伝えるタイミングも予定に加えます。

防火管理者や消防設備の扱いは、店舗の用途、収容人員、建物全体の状況などに応じて考えます。店の客席数だけを拾って決めるより、建物と店舗を合わせた資料で話を進めると、必要な設備や担当が見えます。設計の段階で整理できれば、見積書へ反映して資金の準備にもつなげられます。

深夜の酒類提供や販売方法は、営業時間と一緒に伝える

一般のバーや居酒屋で午前0時以降の営業を考える場合は、時間と提供方法を警察署へ伝えます。警視庁の営業区分の案内では、午前0時から午前6時に酒類を提供する営業について、深夜酒類提供飲食店営業の届出対象になる場合があります。

一方で、営業の常態として通常主食と認められる食事を提供する場合の除外など、営業内容に応じた条件があります。業態名だけで判断するより、メニュー、営業時間、客への提供の仕方をまとめて、予定地の管轄へ説明する進め方が適しています。

想定場面として、昼はカフェ、夜は酒類も提供する店を考えてみましょう。昼のメニューだけを持って手続きを考えると、夜の営業に必要な説明が抜けやすくなります。昼と夜で営業時間や提供内容が変わるなら、一枚の営業概要に両方を書きます。後から夜営業を追加するときも、以前の営業内容との違いを伝えると話が進めやすくなります。

テイクアウトや食品製造、キッチンカーなども、販売の呼び方より実際の作業をまとめることが役立ちます。調理する場所、保管、運搬、客へ渡すまでを図にして、保健所へ伝えましょう。複数の営業を組み合わせる店では、それぞれを短い欄に分けておくと、必要な許可・届出を整理できます。

個人の開業届と青色申請は、別の期限を予定表に入れる

工事と開店準備に追われていると、税務の書類は開業後にまとめて出そうと考えるかもしれません。そこで先に整理したいのが、開業届と青色申告承認申請です。どちらも税務署への書類ですが、提出する目的と期限が異なります。

国税庁の令和8年4月1日現在の案内では、個人の開業届の提出期限は、開業した年分の確定申告期限までです。以前の「開業から1か月以内」という説明を見かけた場合も、2026年の開業については現行の案内で予定を立てます。

青色申告を希望する場合の承認申請は、原則としてその年の3月15日までです。1月16日以後に新規開業した場合は、開業の日から2月以内という期限があります。開業届の期限だけを書いておくと、この申請の予定が抜けやすいため、書類ごとに欄を分けます。

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個人事業で整理する書類 提出期限の基本 予定表へ残すこと
個人事業の開廃業等届出書 開業等の事実があった年分の確定申告期限まで 開業日、提出予定、控えの保管場所
所得税の青色申告承認申請書 原則その年3月15日。1月16日以後の新規開業は開業日から2月以内 希望する年分、開業日、その申請期限
給与支払事務所等の開設届出書 該当する事務所等を開設した日から1か月以内 給与関係の開始日、提出要否、開業届との関係

仮定の例として、2026年10月1日に新規開業し、その年分から青色申告を希望する場合を考えます。青色申請の基本期限は2026年12月1日です。開業届を出す予定が翌年になっていても、青色申請の期限はこの日程で整理します。承継等の例外や、期限が休日等に当たる場合は該当する取扱いを当てはめます。

この例で先に行うことは、10月1日の開業日と青色を希望する年分を書き、青色申請の期限を予定表に入れることです。その後で開業届、給与関係、必要な消費税関係の書類を整理します。税務署へ提出したら、書類の控えや送信記録を同じ場所へ保存しておくと、後の申告や相談時に探しやすくなります。

帳簿や領収書の整理は、届出の提出まで待つ必要はありません。営業開始後のレジ売上、カードの利用、仕入れ、経費の資料を、日々の作業として残していきます。開業前から工事費や設備の支払いがあるなら、その契約書・見積書・請求書・支払記録も一緒に保管しましょう。

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法人で開く場合は、設立日と決算期を先に整理する

法人で飲食店を開く場合は、個人の開業届の予定表をそのまま使うより、設立日と最初の事業年度を起点に整理します。普通法人等の法人設立届出書は、設立の日以後2か月以内が基本です。個人の開業日だけを見て計算すると、法人の提出予定を捉えにくくなります。

設立第1期から青色申告を希望する場合は、設立の日以後3か月を経過した日と、第1期の事業年度終了の日のうち早い日の前日までに承認申請を行うのが基本です。最初の決算期が短いときにも、決算日を含めて予定を整理します。

法人の書類では、会社の情報と店舗の情報を分けて持っておくと便利です。登記上の本店、実際に営業する店舗、設立日、営業開始日を別の欄にしておきます。融資先や担当機関に伝えるときも、どの住所や日付についての質問か分かりやすくなります。

給与、消費税、インボイス関係は、営業形態や選択する制度に応じて手続きを整理します。法人を作ったらすべて同じ届出を出すという進め方より、これから行う取引と届出の効果を合わせて考えます。控えが見つからない書類は、分かっているものと探しているものを分けてメモにしておきましょう。

採用の予定は、雇用と給与の準備へつなげる

開店に合わせて従業員を採用する場合は、人数だけでなく、誰がどのように働く予定かを整理します。勤務時間、給与の支払い方、個人・法人の別などをまとめておくと、労働・社会保険の適用や必要な手続きについて話を進めやすくなります。

営業開始の予定が動けば、採用や研修、給与を支払う時期も動くことがあります。工事の予定表と採用の予定表を別々に作る場合も、同じ開業日を共有しておきましょう。担当する人が違うときは、変更を誰から誰へ伝えるかを決めておくと、後の整理がしやすくなります。

給与関係の税務と、労働・社会保険の申請は、担当する窓口を分けて記録します。税務の相談に持っていく資料としては、従業員の予定と給与の開始時期が分かれば、開業時の届出や経理の準備を整理する入口になります。具体的な労務手続きは、該当窓口又は受託する専門家と進めます。

融資・許可・工事を、一つの開業予定につなげる

開業手続きをまとめるときは、書類の期限に加えて、支払日も同じ表に入れると見通しが立ちます。物件の契約金、工事の着手金、厨房設備の支払い、開業後の仕入れなど、資金が必要な日は営業開始日より前後に広がっています。

融資の相談には、見積書や資金使途とともに、工事と許可の予定も伝えます。営業許可証をいつ提出するか、支払済みの費用をどのように扱うかは、申込先の手順と自分の計画を合わせて整理します。担当機関での許可の準備と、金融機関での審査の準備を並行して進めることが役に立ちます。

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開業の場面 先に整理すること 関係する予定
物件を検討している 営業内容、施設・消防・建物の条件 契約、設計、必要な費用
見積書が届いた 工事内容、図面の修正、資金使途 着工、支払日、融資の希望時期
工事を進めている 申請資料、検査、必要な補修 完成、検査、営業開始
開業日が具体化した 個人・法人の税務、給与関係 書類別の期限、記帳の開始
営業を始めた 売上・仕入・給与と衛生管理 日次・月次の担当、納税準備

想定場面として、工事の見積書が修正されて完成が遅れる店を考えます。開業日だけを書き換えるより、検査、仕入れ、採用、支払いの各欄へ変更を伝えると、影響をまとめて捉えられます。資金の予定が先に来るなら、開業前の支払いをどの資金でまかなうかを整理して申込先へ伝えましょう。

書類を出した後は「控えと回答」を残しておく

開業準備で集める資料は、提出して終わるものと、営業後も使うものに分けると管理しやすくなります。提出した届出、許可関係の資料、契約書、設備の見積書、請求書は、後から同じ条件を説明するときにも役立ちます。

紙とデータが混ざっている場合は、担当機関ごとのフォルダに加えて、工事・設備・給与などの内容も分かる名前を付けます。たとえば「図面」だけでなく、どの版をどの窓口へ渡したか残しておくと、変更後の説明がしやすくなります。提出日と控えの場所を予定表へ一行書くだけでも、探す時間を減らせます。

担当者から回答を受けたときは、質問した内容、回答日、回答の前提を記録します。「この営業内容なら」という回答であれば、その営業内容も一緒に残します。電話で聞いた場合も、短いメモにして関係する資料と同じ場所へ置いておくと、後の修正が整理できます。

予定表の欄は、「提出済み」だけでなく、次の作業が見える言葉にすると便利です。「図面を修正中」「検査日を調整中」「書類の控えを保存済み」など、今どこにいるかが分かる形にしましょう。作業を別の人へ渡すときも、必要な資料と残りの作業を伝えやすくなります。

開業後のレジ締め・仕入れ・記帳まで用意すると動きやすい

開店の日には、お客様への対応、調理、仕入れ、片付けが同時に始まります。手続きの準備に加えて、営業後にどの資料を残すかを決めておくと、後の経理の負担が分かれます。レジの売上記録、カードや決済サービスの明細、仕入れの請求書、給与の資料などを、営業の流れに合わせて集めていきます。

想定場面として、開店後に工事の領収書と食材の領収書が一つの封筒へ入っている店を考えます。すぐに会計の処理まで決められなくても、設備・工事と日々の仕入れを分けておくと、内容を説明しやすくなります。何を買ったか分かりにくい資料には、用途のメモを添えて保管しましょう。

担当が決まっている店では、レジを締める人、資料をまとめる人、経理を入力する人の分担を書きます。一人で行う店でも、閉店後に残す資料と後で整理する資料を分けると、忙しい日の作業を決めやすくなります。営業開始後の資料がそろうことは、税務の相談だけでなく、開店後の資金の見通しを考える土台にもなります。

手続きを整理するときによく出る疑問

工事の見積もりがまだ完成していなくても進められますか

営業内容と候補物件、手元の図面があれば、担当機関へ伝える前提を整理することから始められます。図面や見積もりが変わる部分は検討中と分かるようにして、いつ決めるかを予定に入れます。決まった項目から進め、設計・工事への影響がある回答を関係者へ共有しましょう。

個人か法人かを迷っているときは何をまとめればよいですか

どちらで営業する可能性があるかを記録し、店舗の契約、営業名義、設立・開業の予定をそろえます。名義が決まる前に進めたい手続きについては、その窓口へ予定を伝えると話を進めやすくなります。税務や資金計画を考える際も、迷っている理由と今ある資料を分けることが入口になります。

どこへ何を聞いたか分からなくなったらどうすればよいですか

まず、営業、建物、税務、雇用の四つに資料を分け、回答日と窓口を書き出します。そのうえで、今の図面や営業内容と回答の前提を照らします。回答が曖昧な部分を一つずつ質問にすると、同じ説明を何度も繰り返す負担を減らせます。

営業を始めてからメニューや提供方法を変えるときはどうしますか

店内飲食から持ち帰りを追加するなど、営業の内容が変わるときは、最初の営業概要へ変更点を書き足します。何を作るか、どこで保管するか、どう渡すかを整理して、関係する担当機関へ伝えましょう。以前に受けた回答と今回の変更点が見えると、追加で行う作業を考えやすくなります。

厨房設備を増やす予定があるなら、図面や見積書の変更も一緒に残します。営業上の準備に加えて、費用の支払い、経理資料の保管、必要な手続きの予定をまとめます。開業時に作った一枚の表を更新して使うことで、その後の変更も店の計画へつなげられます。

開業準備で引っ掛かっているところから、お悩みをお聞かせください

「物件は決まったが工事と融資の順番を整理したい」「開業届と青色申請の期限が気になる」「営業開始後の経理まで考える余裕がない」。そうした場面では、手元の図面、見積書、開業予定、書類の控えを並べて、今決まっていることと次に決めることを分けると、進め方が見えます。

融資・税務の支援を検討するときは、業態、予定地、個人・法人、工事と支払いの予定、開業日をお伝えください。すべての資料を完成させる前でも、どの部分を整理したいか分かると、店の状況に合う支援を考える入口になります。許認可や労務の手続きは担当機関や受託する専門家、融資・税務はその相談先というように、役割をそろえて進めることが大切です。

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税務監修:税理士 坂根崇真

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税理士 坂根崇真

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