開業融資

飲食店の開業融資面談で聞かれることと答え方

税理士 坂根崇真

新宿で税理士事務所を開業した経験があり、現在も多くのお客様を支援しています。事務所の累計融資サポート実績は2億円以上。自身も累計1億円以上の借入経験があり、借り手の立場も踏まえ、サポートしています。元飲食店経営者のスタッフも在籍しており、飲食店開業支援に強みを持っています。

悩んでいる方
料理や接客の話ならできるのですが、融資面談で売上や返済の数字を聞かれると、うまく説明できるか心配です。

飲食店の融資面談は、店の計画と資金の使い道を、自分の言葉と資料で説明できるように準備します。決まった答えを覚えるより、計画書の数字をどの資料から置いたか、何がまだ見込みなのかが分かると、質問に合わせて話しやすくなります。

この記事は、創業計画書を作り、面談に向けて説明を練習したい方に向けています。制度選びや申込み全体の流れは、飲食店の開業融資ガイドで確認できます。ここでは、面談で話す内容と、計画書の数字を確かめていきましょう。

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公庫の公式案内と、説明練習の質問を分ける

日本政策金融公庫の「創業予定の方」の案内では、面談で資金の使い道や事業計画を確認し、関連する資料や資産・負債が分かる書類を準備することが示されています。店舗予定地への訪問や、オンライン面談の案内もあります。面談の方法や必要な対応は、実際に届く案内を基準にします。

公庫の飲食業向け創業手引にも、経験、商品・サービス、資金計画、売上や経費の見通しを考える項目があります。これらを自店の説明へつなげるのが準備の出発点です。

以下は、説明を練習するために作成した自作質問です。公庫が全員に同じ順序で尋ねる質問集や、実際の面談記録として示すものではありません。自分の状況に関係する項目を選び、回答に使う資料を一つ添えてみてください。

表は横にスクロールできます。

自作の練習質問 説明に使う材料 最初に話すこと
なぜ、この店を開きたいのですか 自分が担当した業務、開業の目的 経験と店の特徴のつながり
どんなお客様が、何を買う店ですか メニュー案、予定地の観察メモ 客層・商品・価格・時間帯
月の売上は、どのように計算しましたか 席数、客数、客単価、営業日 数式と数字を置いた理由
借入は、何の支払いに使いますか 計画の内訳と対応する見積 希望額と使い道の対応
売上が少ない月は、どう支払いますか 低い売上の試算と残す資金 足りない額と現実的な対応
今の計画で、まだ決まっていないことは何ですか 未確定項目と確認予定 決まったこと・見込み・次の確認

回答は「結論・根拠・前提・まだ決まっていないこと」で整える

練習質問を見て、すぐ長い回答文を書き始めると、店の特徴も数字もすべて一度に話したくなることがあります。最初は、質問されたことへの答えを一文にし、その後へ根拠、計算の前提、未確定部分を添える方法で整理しましょう。どの話を先にするかが決まると、途中で質問が入っても説明を続けやすくなります。

売上を聞かれた想定なら、最初の一文は「昼と夜を分けて、席数、客数、客単価、営業日から計算しています」です。次に売上表を示し、単価はメニューの注文を想定したこと、客数は予定地を観察したことなどを伝えます。まだ観察していないなら、その点と、いつ何を確認する予定かを分けます。数字の根拠が仮定のままでも、その状態を説明する練習はできます。

必要額の質問なら、合計を言った後に、主な費目と見積の対応を示します。売上の質問へ希望額の話を長く続けたり、経験の質問へ家賃の話を足したりするより、聞かれた項目から該当する資料へ戻る方が、相手も計画をたどりやすくなります。すべてを一回の回答で説明するための準備ではありません。

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回答の部分 売上を説明する自作例 その部分を用意する理由
結論 昼と夜の売上を分けて計算しました 何について答えるかを最初に示す
根拠 メニュー案と席数の図面を使いました 数字へたどる資料を示す
前提 客数と営業日はこのように置きました 確定したことと見込みを分ける
未確定部分 休日の客数は追加で観察します 残っている確認を具体化する

この順番は自作の練習方法で、公式の回答形式ではありません。経験を先に伝えた方が分かりやすい質問もあります。実際には質問の内容に合わせて順番を変え、分からない部分は資料を確かめる時間を取れるように準備します。

経験は、担当した仕事から説明する

飲食店で働いた年数は、経験を伝える入り口になります。その後に、仕込み、発注、原価の確認、スタッフの配置など、実際に担当した仕事を添えると、開業後にどう運営するかが伝わります。

たとえば「厨房を担当しました」から一歩進めて、どの料理を何人で作り、混雑する時間に何を工夫したかを話してみましょう。店長の仕事を担当していなければ、その経験があるように広げる必要はありません。自分が担ってきたことと、開業までに補う準備を分ければ、店の役割分担も見えてきます。

説明を練習するときは、「担当していたこと」「そこから分かったこと」「自店でどう使うか」の順に短く書きます。料理の写真やメニュー案を添える場合も、本人の試作と、参考にしたものを区別して伝えましょう。

勤務先の実データは、そのまま持ち出して使えるとは限りません。使用できる資料の範囲を確かめ、予定地や営業時間が異なるなら、その数字を新しい店へどう置き換えたかも説明に加えます。

肩書きから、開く店で使う仕事へつなげる

勤務先で店長だった、調理を長く担当したという経験があっても、その言葉だけでは日々どの仕事をしていたかが伝わりにくいものです。担当した仕事の中から、今のお店の計画へつながるものを選びます。仕入れ、原価管理、シフト作成、売上集計、衛生管理、接客など、実際に担った範囲を一つずつ言葉にしましょう。

調理を担当してきた方なら、どんな商品を、どの時間帯に、どのような人員で提供していたかを整理できます。新しいお店で提供する商品が違う場合には、共通する技術と、新たに準備することを分けます。これまでできた仕事と、今後の店全体の運営を同じ範囲として説明しないことが、準備項目を見つける手掛かりになります。

接客中心の経験なら、注文の取り方や混雑時の動き、客層の違いなどが材料になります。調理や仕入れを別の人が担当する計画なら、その人の役割や準備状況とつなげます。自分に不足する経験が見つかっても、実際の体制と、開店までに補う作業を整理すれば、現在の計画を説明しやすくなります。

回答の練習では、「経験があります」という言葉の次に、具体的な仕事を一つ添えます。たとえば「閉店後の売上集計と翌日の仕入れを担当していた」という自作の表現例なら、経理や在庫の仕事へつながります。ただし、ご自身が行っていない仕事はこの例を使わず、実際の担当から書き出してください。よく見える回答を借りるより、追加の質問にも自分の経験で答えられる方が計画を整えられます。

過去のお店の売上や担当実績を示す場合も、確認できる記録と、自分の感想を分けます。勤務先の営業情報を無断で広く公開する資料にする必要はなく、説明へ使える範囲を確認します。具体的な記録がない場合は、担当業務と期間、どの仕事をどのように行ったかを中心にまとめる方法が取れます。

客層の説明は、店の一日の場面から始める

「幅広いお客様に来てほしい」と思っていても、最初の営業計画では、主な客層と来店場面を置くと数字へつながりやすくなります。昼休みに短時間で食べる人なのか、仕事帰りに数人で食事をする人なのか、休日にゆっくり過ごす人なのかを、時間帯と商品から説明します。

練習では、店の一日を開店、混む時間、落ち着く時間、閉店へ分け、誰が何を注文するかを言葉にします。そこへ席数、提供時間、スタッフの動きを添えれば、客数の仮定が店の営業と合うかを見られます。メニューの特徴だけでなく、お客様が使う場面を示す作業です。

予定地を見に行った方は、観察した曜日、時間、天気なども記録します。一度の人通りだけを毎日の来店数に置き換えるより、見た事実と、そこから置いた売上の仮定を分けて説明できる方が、根拠を追加しやすくなります。他店の混雑を観察した場合も、自店へ同じ人数が来るという結論とは分けましょう。

売上の説明は、計算式と根拠を一組にする

「月商180万円を目指します」という一文だけでは、どの営業でその売上を作るかが見えにくいものです。説明の練習では、昼と夜、平日と週末など、自店の客数が変わる区分へ戻してみます。

次は架空の20席の飲食店を使った練習用の試算です。単価は税込、金額は円。昼夜とも月25日営業、回転数はその時間帯の延べ客数を20席で割った値とします。実際の店舗や融資支援の事例ではありません。

表は横にスクロールできます。

営業の区分 仮定の計算 月の売上
昼 20席×1.2回転×1,000円×25日 600,000円
夜 20席×0.8回転×3,000円×25日 1,200,000円
合計 昼と夜の合計 1,800,000円

説明の出発点は「20席で、昼は一日24人、夜は一日16人を見込んでいます」です。続いて、その人数をどの観察や経験から置いたかを添えます。回転数をすでに実際の客数として置いているなら、さらに同じ意味の稼働率を掛けて、二重に調整しないようにします。

自作の回答例なら、「予定地の平日と休日を分けて観察し、昼の来店を見込みました。人数はまだ仮定なので、物件とメニューが固まった段階で更新します」といった形です。これは答え方の構造を示した練習例で、自分が観察していないことを話すための文例ではありません。

計算の順番を声に出し、一つの数字へ戻れるようにする

先ほどの例では、昼は20席に1.2回転を掛け、延べ24人を仮定しています。24人に1,000円を掛けると一日24,000円、25日で600,000円です。夜は20席に0.8回転を掛けて延べ16人、3,000円の客単価で一日48,000円、25日で1,200,000円になります。順番にたどると、どの数字を変えれば売上が変わるかが分かります。

回転数を使い慣れていない方は、人数を先に言ってから席数との関係を説明しても構いません。昼は延べ24人、夜は延べ16人を置いた、と話せれば、それぞれの客数の根拠へ戻れます。「一日40人」という合計だけだと、単価の違う昼と夜のどちらが増減するかを説明しにくくなります。

客単価も、メニューに載せた最も高い料理の値段ではなく、注文の組合せから説明します。料理、飲み物、追加注文をどう想定したかをメモにし、全員が同じ注文をする計画なのか、複数の注文を平均した額なのかを示します。セットの価格と、そのセットに含む飲み物を別々に足していないかも見ます。

営業日数を説明するときは、予定する定休日や、営業できない日を除いた根拠を示します。席数や客単価が細かくても、日数だけが毎月同じ大きい数字なら、計画の前提がそろいません。開店した月が途中からなら、通常月の計画と初月の予定も分けて説明する材料になります。

この説明の練習は、売上表をもう一度作り直すことが目的ではありません。自分が置いた数字のうち、確認したもの、検討中のもの、他の人から聞いたものを把握するためです。質問された数字の根拠へ戻れるようになると、表のどこを直すべきかも見つけやすくなります。

売上の根拠が弱い部分は、確認の予定へ変える

客数を置いた理由が「何となく」だったと気付いたときは、その数字をもっともらしい言葉で包むより、何を確かめるかを決めます。主な時間帯の人通り、席の使い方、提供に必要な時間、営業予定日の違いなど、売上のどの前提を確認したいかを選びます。

仮定の客数が店に入り切るかを見る作業と、その人数が来店する理由を確かめる作業は別です。席が空く時間は足りていても、来店の見通しを支える材料がまだない場合があります。反対に来店が見込めても、厨房やスタッフの動きが追い付くかを確認する必要があります。両方を同じ「回転率」という一語にまとめず、説明の中で分けると準備を選べます。

テイクアウトや配達の売上を加える場合は、店内と同じ注文を二重に計上していないかを確かめます。持帰り専用の注文なのか、店内のお客様が追加で買う注文なのかで、数え方が変わります。決済や配達の手数料、包装、人員の仕事も支払いへつながるため、売上だけが追加された説明になっていないかを見ましょう。

練習相手には「なぜその人数なのか」「単価が下がったらどうなるか」を一つずつ聞いてもらいます。答えがすぐに出ない項目を見つけることにも価値があります。原稿を暗記する時間より、該当する計画欄と確認予定を用意する方が、その後の計画修正へつながります。

利益の数字から、返済の話へ急がずつなぐ

売上の根拠が説明できたら、仕入や給与、家賃を同じ計画と照合します。数字を丸暗記するより、どの支払いが売上に連動し、どれが営業している限り必要かを把握すると、計画が変わったときにも答えやすくなります。

先ほどの売上1,800,000円に対し、食材等の支払いを売上の30%で540,000円、従業員への給与等450,000円、家賃220,000円、その他190,000円と仮定します。合計支払いは1,400,000円で、営業の入金から400,000円が残る計算です。

ここでは売上代金と仕入代金等の入出金が同じ月に済むと仮定しています。400,000円は、減価償却を含む会計上の利益でも、全額を返済に使える額でもありません。店主の生活費、税金等の支払い、設備の追加購入、借入返済を、この後に分けて考えます。

自作の練習として、昼夜とも客数が10%低い場合も計算してみましょう。売上は1,620,000円、食材等は486,000円。他の支払いを同じに置くと、残る額は274,000円です。売上が180,000円減ると、この例で残る額は126,000円減ります。

「客数が少ない場合は、資金がどの程度変わるかを確認しました」と、その変化を説明できます。そこで必要になる手元資金や返済額の調整は、借入・返済可能額の検討として整理します。

数字が変わった場面の説明を練習する

売上が想定より少なかった場合の質問には、「集客を頑張ります」だけでなく、どの数字が動くかを説明する材料を用意します。本稿の客数10%低下では、売上180万円が162万円へ変わり、売上に連動する食材等の支払いも変わります。一方、給与、家賃、その他の固定支払いは同じにしています。

その結果、営業の支払い後に残る額は400,000円から274,000円へ変わり、差は126,000円です。この二つの額を示せば、売上の減少と、現金に残る額の減少を同じ金額として話していないかを確かめられます。計算方法の説明に使う部分例であり、これだけで返済を続けられるとは判断しません。

回答の自作例としては、「客数が減ると食材の支払いは下がりますが、家賃と固定の人件費は同じに置いています。その後の生活費や税金、返済まで含めて、残す資金を確認します」という順番が考えられます。ご自身の店で動かせる支払いが違うなら、その条件へ置き換えます。

給与を下げる案でも、営業に必要な人員と、実際にいつ変更できるかが関係します。価格を上げる案なら、メニューと客層、注文数の変化を見ます。新しい対策で支払いが増えることもあるため、どこを変える案かを短く示し、変更前後の資料へ戻る練習にします。

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計画書・見積・口頭の説明を、一度そろえてみる

面談の準備では、資料を増やす前に、同じ数字が違う場所でどう使われているかを見直すと進みます。20席の計画を話しているのに図面は16席、客単価の説明ではセット料金を使っているのに売上表は単品料金、という違いを先に拾っておきましょう。

表は横にスクロールできます。

確かめる組合せ そろえる内容
店の説明と図面 席数、厨房、提供の動き
メニュー案と売上表 価格、注文の組合せ、客単価
希望額と資金の内訳 設備・運転資金、見積との対応
営業時間と給与の計画 仕込み、混雑時、片付けの人員
提出済みの計画と最新の説明 変更した箇所、変更の理由

見積の金額が増えたときは、増えた額だけでなく、工事の範囲が変わったかも確認します。数字の違いがあっても、理由と現在の版が分かれば、説明の材料になります。資料を集める詳しい手順とは分けて、ここでは版の違いが口頭の回答へ残っていないかを点検します。

オンラインで面談する場合も、同じ計画の該当欄を手元で見られる状態にすると話を続けやすくなります。面談の案内で示された方法に合わせ、資料の開き方や音声を事前に確かめておきましょう。

資金の使い道は、見積の行と説明を結び付ける

借入希望額の説明では、数字の大きさより、何へ使う計画かが分かることを目指します。厨房機器、内装、物件の費用、開店後の運転資金などの中で、どの項目が今回の計画にあるかを示します。必要書類を一から集める手順とは別に、面談でその行を見せながら説明できる状態を作ります。

見積には、含まれる工事と含まれない工事があることもあります。内装の合計額を説明するなら、厨房の給排水、電気、空調などのどこまで含むかを確認します。資料の行と実際に作る店の図面がつながっていれば、必要な設備と、追加して検討する設備を分けて話せます。

設備を選んだ理由は、自店の営業から説明します。「ほかの店も買っている」という理由だけでなく、提供する商品、仕込み量、厨房の動きから、何を必要としたかを整理します。高価な機器を選んだなら、必須の機能と、変更できる仕様を分けておくと、金額を見直す場合の話もしやすくなります。

支払済みの費用がある方は、未払いの見積と同じ状態として説明しないようにします。いつ、何を、どの資金で支払ったかを示し、今後使える現金と分けます。その設備が融資の資金使途として対象になるかは申込先へ確認する事項で、領収書の存在だけで結論を作らないようにします。

変更があったら、説明を一つの版へ合わせる

面談を申し込んでから見積やメニューが変わることはあります。変更前の資料を消して経緯を分からなくするより、何を変えたか、なぜ変えたか、どの数字へ影響したかをメモします。口頭では、現在採用している案を先に示し、必要なところで旧案との差を説明する準備ができます。

席数が変わったなら、図面だけでなく売上の計算も見ます。営業時間が変わったなら、営業日、客数の区分、給与や光熱費へ影響があるかを確認します。変更した一つの数字から、関係する資料を順にたどれば、回答の途中で古い前提へ戻ることを減らせます。

複数の人が計画の作成に関わっている場合も、提出した版、今の版、検討中の案を分けます。面談の直前にファイル名だけで選ぶより、どの数字を採用しているかを確認した方が説明がそろいます。ご自身が話す箇所については、作成した人の計算結果をそのまま読むだけでなく、自分でも順番をたどっておきましょう。

その場で分からないことは、確認する内容を残す

質問を受けたときに金額や条件がすぐ出てこなければ、該当する見積やメモを見る時間を取ります。まだ確認できていない内容は、確認先と、後で伝えることをメモします。見込みの数字を確定した条件として話すより、現状を伝えるほうが計画を整えやすくなります。

説明の練習では、長い回答を完成させるより、最初の二、三文を声に出してみるとよいでしょう。その後に「根拠の資料を見せる」「未確定部分を伝える」を加えます。聞かれた論点に戻れる準備をしておくと、一つの回答を最後まで暗唱する負担も減ります。

面談後に追加の資料を求められたら、求められた項目と提出方法を確かめ、提出前の内容と矛盾がないかを見ます。追加依頼や面談の手応えだけで融資の決定を判断せず、申込先からの正式な案内を基準に予定を進めます。

自作の回答準備シートを記入する順番

本稿の質問表は、回答を完成させるための穴埋め式の台本ではありません。質問ごとに、今ある答え、根拠の資料、仮定、残っている確認をまとめるシートとして使います。手元にない情報を空欄へ残しておけば、次に用意するものも見つけやすくなります。

最初は、質問を一つ選び、自分の言葉で短い答えを書きます。「どんな店か」なら、客層、主な商品、場所や時間帯をまとめます。見栄えのよい表現から作るより、メニューや営業の予定を見ながら書いた方が、数字との違いを見つけやすくなります。

次に、その答えに使う資料の名前と、該当する欄を添えます。売上なら昼夜や曜日別の行、設備なら採用した見積の行、経験なら担当した業務のメモへ対応させます。一つの質問に資料をすべて貼り付けるより、どこを見るかが分かる方が面談の説明へ使えます。

その後に、確定した条件と、見込みで置いた条件を分けます。貸主と合意した内容、正式見積の金額、予定地の観察などと、将来の客数、採用予定、営業開始時期などは同じ状態ではありません。見込みの項目には、数字を置いた理由と、いつ確認するかを記入します。

最後に、回答を一度声に出し、話しながら資料へ戻れるかを試します。家族や協力者へ聞いてもらえるなら、数字の内容を知らない人にも店の姿が伝わるかを確認できます。練習相手の感想は、融資審査の評価ではなく、説明の順番や言葉を整える材料として扱います。

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シートへ書く欄 記入するもの 練習後に見直すこと
質問 自作の練習質問、または案内された確認項目 聞かれた論点と答えが同じか
最初の答え 自分の計画から二、三文で説明 根拠を見せる前に話が広がりすぎないか
根拠 資料名、版、見る行 その数字へ戻れるか
前提 客数、単価、日数、支払等の仮定 確定事項として話していないか
確認待ち 内容、確認先、確認予定 何を確認すれば答えが整うか

練習した日と、数字を見直した日も記録します。計画が変わった後には、シートの答えだけを残さず、根拠と前提も更新します。面談の直前にすべてを暗記し直すより、変更した質問だけをもう一度練習できる形になります。

準備の段階に合わせた練習の進め方

計画書を作り始めた方は、まだ数字の欄が埋まっていなくても、店の特徴と経験のつながりから練習できます。どんな客層へ何を提供するか、自分が担当する仕事は何かを説明すると、必要な設備や人員の前提が見えてきます。その後へ売上と資金の表をつなげていきます。

計画書は完成したが説明に自信がない方は、売上の計算を一行ずつ声に出すところから始めましょう。式を知らない練習相手に、人数、単価、日数の意味を説明します。資料を見ないと分からない数字があっても、どの行を見れば答えられるかが分かれば、説明の準備を進められます。

数字は説明できるが店の特徴が伝わりにくい方は、一日の来店場面を先に置きます。昼にどんな注文があり、夜に何が変わるかを話してから表を示すと、単価や回転数の意味が伝わります。お店の雰囲気を語る部分と、数字を説明する部分を離しすぎず、同じ営業を見ていることが分かる順番にします。

すでに面談を終え、追加の説明を求められた方は、求められた論点と、前回使った数字を確認します。資料を増やすだけでなく、前回の説明でどの前提が伝わりにくかったかを取り出します。変更した計画があるなら、現在の版と変更理由を合わせて示せるようにします。

オンラインでの面談を予定する方は、案内された方法に合わせ、資料のどの行を見ているかを言葉で示す練習もできます。画面を共有できるか、手元の資料をどう使うかは実際の案内で確認します。電子データと紙の手元資料で版が違わないかをそろえ、音声や接続も事前に確かめておくと説明に集中しやすくなります。

面談当日は、質問ごとに計画を確かめる

当日を想定するなら、最初に聞かれたことへ短く答え、必要な資料を示すところまでを練習します。質問の意味が分からないときは、何について聞かれているかを確かめます。すぐに長い説明へ進むより、資金の出所なのか、支払の使い道なのか、売上の根拠なのかをそろえた方が、該当する資料へ戻れます。

数字を言い間違えたときは、手元の資料で確認して訂正します。訂正が必要な箇所と、それで変わる計画を分ければ、口頭の誤りなのか、計画そのものの変更なのかが分かります。急いで別の数字を重ねるより、どの前提が現在のものかを確認してから話を続ける方が整理できます。

分からなかった質問や追加で必要になった資料は、終わった後にまとめます。確認した内容、まだ確認する内容、提出するものを分け、指定された方法と期日に対応します。面談の感想とは別に、次に何を進めるかが分かる記録を残しておくと、計画を修正した場合も追いやすくなります。

練習を支援へ依頼したい方は、答えを代わりに作ってほしい部分より、説明が止まる質問や根拠が弱い数字を伝えると、整理する作業が具体的になります。お店を営む人として、最終的にどの計画を自分の言葉で説明したいかを共有することが、依頼内容を考える材料になります。

面談に向けて、自分の説明を整えたい方へ

計画書の数字は合っていても、どう話すかがまとまらないことがあります。反対に、店の特徴は説明できるが、売上や支払いの計算へうまくつながらないこともあります。開業融資の支援を検討する際は、今ある計画と、説明につまずいている項目を一緒に伝えると、整理したい仕事が見えます。

新宿で飲食店を開業する方で、「売上の根拠を説明したい」「見積と希望額が一致しない」「経験を店の計画へどう結び付けるか迷う」という場合は、現在の計画書やメモを出発点にできます。面談の準備で抱えているお悩みをお聞かせください。

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どこから準備するか迷っている方も、お悩みをお聞かせください。


税務監修:税理士 坂根崇真

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